目次
- アヨツィナパの43人とは
- イグアラ市学生集団失踪事件の別名
- 多くの国内外で報道され特にアメリカでは大々的に扱われた
- 不明点が多く現在もなお抗議が続いている
- メキシコが抱える闇を表していると世界中から注目される
- アヨツィナパとは
- アヨツィナパ教員養成大学
- 男子のみの全寮制学校
- ほとんどが貧しい農家の出身
- 助成金がないためトラックなどを強奪することもある
- 多くの左翼活動家を輩出
- イグアラ市学生集団失踪事件の発端
- メキシコ南部のイグアラ市で身元不明の遺体が発見される
- どの遺体も身元特定が難しい程損傷していた
- 2014年9月に失踪した学生ではないかと話題となる
- イグアラ市学生集団失踪事件の詳細
- 2014年9月26日イベントに参加するため学生がバスに乗る
- 突然バスの前後をパトカーに挟まれ銃撃される
- 学生たちは近くの民家に助けを求める
- 銃撃によりサッカー選手などの民間人も死亡した
- 6人以上が死亡し57人が行方不明となった
- 後日13人は無事発見される
- 学生と警察の衝突理由
- 学校への助成金をめぐるトラブル
- 学生がバスを盗もうとした
- 腐敗する警察への抗議または政府に関するイベントの妨害
- 2011年に起きた抗議デモへの報復
- 警察の対応への批判
- 学生は武器を所持していなかった
- 警察は一方的に突如攻撃を始めた
- デモは犯罪行為ではないにも関わらず犯罪者として扱った
- 情報操作や隠蔽があった
- イグアラ市学生集団失踪事件のその後
- 政府への批判がさらに強くなる
- 政府関連施設への暴力的な抗議活動も行われた
- 政府や警察機関と犯罪組織の共謀説が浮上
- 市長自ら学生たち襲撃を指示したという噂
- 市長夫婦はギャング出身という噂
- 市長及び警察官など多くの逮捕者を出す
- 2015年検事長官が公式見解を発表
- 犯人として数名逮捕するも政府の拷問が発覚
- 第三者委員会が創設されるも
- 身元不明の遺体は学生たちなのか
- 学生たちは警察に拉致され犯罪組織に引き渡されていた
- 犯罪組織ゲレーロス・ウニドス
- 学生たちを焼き殺し灰を袋詰めにし川に流した
- 家族や市民は説明に納得していない
- オーストリアのDNA検査によって遺体は学生の1人だと判明
- 覆った真実
- 学生43人を住民たちに見つからず燃やすのは不可能
- 学生たちは山中に埋められた
- 市警察のみの関与と言われていたが現場には軍や連邦警察もいた
- 学生たちは陸軍に監視されていた
- 学生たちは市長らが参加するイベントを知らなかった
- 町に設置されている監視カメラの画像は保存されていなかった
- バスは5台存在していた
- 5代目のバスに麻薬が積まれていた
- イグアラ市長や警察のその後
- 事件後逃亡
- メキシコ市で拘束
- 組織犯罪関与などで起訴
- 警察官は殺人や強制失踪の容疑で拘束
- ピネダ容疑者は「血まみれのファーストレディー」と呼ばれる
- 市長夫婦が関与した事件は200件以上とも言われている
- 判決は下っていない
- アヨツィナパの現在
- 近くで「43」と書かれた衣服が販売されている
- 教室内には行方不明者の写真が飾られている
- 学校は通常通り
- バスやトラック強奪もこれまで通り行われている
- メキシコの闇は現在も解明されていない
アヨツィナパカ教員養成大学生は、アヨツィナパカからわざわざ2時間以上かけて、イグアラ市までデモやイベントや助成金を巡るデモのための募金活動に来ていました。ここからまた2時間以上かけて学生寮へ帰る途中で突然事件は発生しました。
イグアラ市警察が、アヨツィナパカ教員養成大学生が乗る3台のバスに向かって銃撃し始めたのです。目撃者の証言によると、最初の銃撃は、学生達が抗議の記者会見を行っていた時で、2回目の銃撃は警察および見知らぬ複数の人物が学生らに対して突発的に銃撃してきたそうです。
イグアラ市警察が、アヨツィナパカ教員養成大学生が乗る3台のバスに向かって銃撃し始めたのです。目撃者の証言によると、最初の銃撃は、学生達が抗議の記者会見を行っていた時で、2回目の銃撃は警察および見知らぬ複数の人物が学生らに対して突発的に銃撃してきたそうです。
デモは犯罪行為ではないにも関わらず犯罪者として扱った
via pixabay.com
デモは犯罪行為ではないにも関わらず、やがて学生はバスから強制的に降ろされ、犯罪者として扱われた43人がパトカーにのせられ連行されました。
このような事態に慣れていた男子学生らは、パトカーに乗せられることにも慣れていたのでしょう。まさかこの後、警察から麻薬組織に引き渡され拷問されて殺されるなどとは考えていなかったのかもしれません。
左翼活動を積極的に行っていくことが日常的だった彼らにとっては「またいつもの逮捕か」ぐらいのものだったのでしょう。
このような事態に慣れていた男子学生らは、パトカーに乗せられることにも慣れていたのでしょう。まさかこの後、警察から麻薬組織に引き渡され拷問されて殺されるなどとは考えていなかったのかもしれません。
左翼活動を積極的に行っていくことが日常的だった彼らにとっては「またいつもの逮捕か」ぐらいのものだったのでしょう。
情報操作や隠蔽があった
via pixabay.com
にしても、世界でも類を見ないほど治安の悪いメキシコの中でも、極悪犯罪とされるほど多数の拉致からの殺害をしてまで、いったい誰が何を得たかったのでしょうか?
このイグアラの事件では当初「市長のホセ・ルイス・アバルカが、学生たちが妻のイベントを妨害しに来たから襲撃させたのだ」と発表され、市長夫妻が主犯とされ逮捕されましたが、学生がバスに乗り込んだ時刻には、市長の妻のイベントはとっくに終了しており、夫妻は中央広場の脇のタコス屋で夕食をとっていました。
このことから、この事件は「左翼学生弾圧という政治的な動機」だけが動機ではなく、情報操作や隠蔽があったことがわかりました。
このイグアラの事件では当初「市長のホセ・ルイス・アバルカが、学生たちが妻のイベントを妨害しに来たから襲撃させたのだ」と発表され、市長夫妻が主犯とされ逮捕されましたが、学生がバスに乗り込んだ時刻には、市長の妻のイベントはとっくに終了しており、夫妻は中央広場の脇のタコス屋で夕食をとっていました。
このことから、この事件は「左翼学生弾圧という政治的な動機」だけが動機ではなく、情報操作や隠蔽があったことがわかりました。
イグアラ市学生集団失踪事件のその後
via pixabay.com
このイグアラ市学生集団失踪事件は、その後、大まかに3つの謎が残され追求されていきます。1つ目は「なぜ学生たちが銃撃され、連れ去られたのか?」2つ目は「誰が襲撃を指揮したのか?」3つ目は「事件にメキシコ政府が関与していたのか?」
結局、連れ去られた学生は全員死亡したとされ、骨片となって発見されますが、未だに「どこでどのように死亡したのか?」を明確に証明されることはありませんでした。メキシコ当局は、都合の悪いことを隠蔽する体質と市民をないがしろにする態度をとり続けています。
情報の隠蔽と不正、ずさんな捜査が政治を腐敗させましたが、抗議活動やデモも盛んなのでまだ希望があるのかもしれません。それらがすべて弾圧され政府の力が大きくなりすぎると、北朝鮮のようになってしまうからです。
結局、連れ去られた学生は全員死亡したとされ、骨片となって発見されますが、未だに「どこでどのように死亡したのか?」を明確に証明されることはありませんでした。メキシコ当局は、都合の悪いことを隠蔽する体質と市民をないがしろにする態度をとり続けています。
情報の隠蔽と不正、ずさんな捜査が政治を腐敗させましたが、抗議活動やデモも盛んなのでまだ希望があるのかもしれません。それらがすべて弾圧され政府の力が大きくなりすぎると、北朝鮮のようになってしまうからです。
政府への批判がさらに強くなる
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2014年10月29日の水曜日の事件から行方不明になった、43人のアヨツィナパカ教員養成大学生たちの家族は、ペニャ・ニエト大統領と共に大統領府へ集まりました。17時頃~19時頃まで会合が続きましたが、依然行方不明である43人の行方に関する新たな手掛かりは何も得られないままでした。
メキシコでは、市長や市長の妻が麻薬犯罪組織のメンバーであることさえあり、殺人事件の9割以上が未解決のまま終わります。国民はみんな、政府や警察が麻薬犯罪組織などのギャングやマフィアと「winwinの関係」であることを知っています。
ですが、イグアラ市学生集団失踪事件が起こったことにより、その対応能力の無さも加えられ、国民の政府への批判がさらに強くなりました。政府や警察は国のトップなのではなく、麻薬犯罪組織などのギャングやマフィアに牛耳られているのだと。
メキシコでは、市長や市長の妻が麻薬犯罪組織のメンバーであることさえあり、殺人事件の9割以上が未解決のまま終わります。国民はみんな、政府や警察が麻薬犯罪組織などのギャングやマフィアと「winwinの関係」であることを知っています。
ですが、イグアラ市学生集団失踪事件が起こったことにより、その対応能力の無さも加えられ、国民の政府への批判がさらに強くなりました。政府や警察は国のトップなのではなく、麻薬犯罪組織などのギャングやマフィアに牛耳られているのだと。
政府関連施設への暴力的な抗議活動も行われた
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メキシコの様々な高等教育機関の学生たちで構成された『学生会議』のネットワークを通じて、学生などが他の多様な社会組織の構成員たちと共に「2014年10月26日以降行方不明となっているイグアラ市学生集団失踪事件の43名を生きて返せ!」要求する全国ストライキが組織されました。
少なくとも70の中・上級機関がこの労働ストライキに加わりました。10月22日は「アヨツィナパのための国際行動デー」とされ、国内だけでなく国際レベルでも行動が起こされ、政府関連施設への暴力的な抗議活動も行われました。
少なくとも70の中・上級機関がこの労働ストライキに加わりました。10月22日は「アヨツィナパのための国際行動デー」とされ、国内だけでなく国際レベルでも行動が起こされ、政府関連施設への暴力的な抗議活動も行われました。
政府や警察機関と犯罪組織の共謀説が浮上
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米州人権委員会が派遣した専門家グループの中のペルー人犯罪学者によると「イグアラ市学生集団失踪事件で、アヨツィナパカ教員養成大学生たちが借りたバスは4台と言われていましたが、実際には5台あり、5台目のバスだけが一切銃弾を受けていなかった」ということが新たに発見されました。
証拠となるビデオや軍・警察の記録から5台目のバスの存在だけが消されており「この5台目のバスに麻薬が積載されていた可能性がある」と結論を出しました。
実際、イグアラの地元マフィアはシカゴマフィアとつながりを持ち、イグアラから直長距離バスを用いて、直接ヘロインが輸送されていることがわかっていました。そのため、政府や警察機関と犯罪組織の共謀説が浮上し、バスが市外に出ることをなんとしても阻止しようとしたというのです。
証拠となるビデオや軍・警察の記録から5台目のバスの存在だけが消されており「この5台目のバスに麻薬が積載されていた可能性がある」と結論を出しました。
実際、イグアラの地元マフィアはシカゴマフィアとつながりを持ち、イグアラから直長距離バスを用いて、直接ヘロインが輸送されていることがわかっていました。そのため、政府や警察機関と犯罪組織の共謀説が浮上し、バスが市外に出ることをなんとしても阻止しようとしたというのです。
市長自ら学生たち襲撃を指示したという噂
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イグアラ市学生集団失踪事件が起きた2014年9月26日、イグアラ市内では、夕方から、イグアラ市長ホセ・ルイス・アバルカの妻マリア・デ・ロス・アンヘレス・ピネダの主催する慈善団体の集会とパーティーが行われることになっていました。アヨツィナパカ教員養成大学生らはこの集会の妨害も企図していたとされています。
元イグアラ市長ホセ・ルイス・アバルカ自ら、妻のスピーチを妨害されることを恐れて、警察にアヨツィナパカ教員養成大学生たちの襲撃を指示したという噂があります。
元イグアラ市長ホセ・ルイス・アバルカ自ら、妻のスピーチを妨害されることを恐れて、警察にアヨツィナパカ教員養成大学生たちの襲撃を指示したという噂があります。
市長夫婦はギャング出身という噂
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元市長のアバルカ容疑者は、市内で帽子などを販売する事業者だったそうです。麻薬組織『ゲレロス・ウニドス』のリーダーを実兄に持つピネダ容疑者と知り合い結婚し、17以上の宝石店を所有する実業家になりました。
2012年頃、他の組織が捜査当局によって摘発解体されたことで、ゲレロス・ウニドスの勢力が拡大し、元市長のアバルカ容疑者夫妻は月に200~300万ペソ(1600~2400万円)を組織に納め、組織を仕切り力をつけていきました。
2012年頃、他の組織が捜査当局によって摘発解体されたことで、ゲレロス・ウニドスの勢力が拡大し、元市長のアバルカ容疑者夫妻は月に200~300万ペソ(1600~2400万円)を組織に納め、組織を仕切り力をつけていきました。
市長及び警察官など多くの逮捕者を出す
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イグアラ市学生集団失踪事件で、イグアラ市長ホセ・ルイス・アバルカと、その妻マリア・デ・ロス・アンヘレス・ピネダ、警察官36人、市長夫人の兄がトップである麻薬犯罪組織『ゲレロス・ウニドス』のメンバー数人など74人が逮捕されています。
メキシコでは、警察が麻薬組織と「winwinの関係」で、毎年多くの行方不明事件や殺人事件が起きても9割以上が未解決のまま終わります。
メキシコからアメリカに不法入国しようとする者のほとんどは若者で、麻薬組織が牛耳る祖国を見限り『安全』を求めて命がけでアメリカに渡ろうとするのです。
メキシコでは、警察が麻薬組織と「winwinの関係」で、毎年多くの行方不明事件や殺人事件が起きても9割以上が未解決のまま終わります。
メキシコからアメリカに不法入国しようとする者のほとんどは若者で、麻薬組織が牛耳る祖国を見限り『安全』を求めて命がけでアメリカに渡ろうとするのです。
2015年検事長官が公式見解を発表
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