2020年12月25日 更新

ジャネーの法則は嘘だった?根拠は?時間経過の速さの原因と遅くする方法

ジャネーーの法則とは、「年をとると時間の経過が早く感じる」という心理的な現象を科学的に説明した法則です。時間感覚を客観的に計算できるとされていますが、科学的根拠はなく嘘であるという批判もあります。今回は、ジャネーの法則や人間の心理と時間の関係につて解説します。

加齢とともに時間が早く感じる心理的な現象には、刺激の有無が大きく関係しているのではないかと考えられています。子供の頃は、外界からのあらゆる刺激が新鮮であるため、人間は常に新しい刺激にさらされて生活することになります。

子供にとっては見るもの全てが新鮮であり、大人にとっては何でもないようなものが刺激になります。しかし、年齢を重ねるごとに外界からの刺激に慣れてしまい、新しい刺激が得られないようになってしまいます。

身の回りにあるものはほとんどが既知のものであるため、刺激のない生活を送ることになった結果、時間の経過が早く感じるようになるのではないかと考えられています。

代謝が落ちる

Hands Walking Stick Elderly Old - Free photo on Pixabay (408417)

人間はもちろん、ほとんどの生物は加齢とともに代謝が落ちていきますが、これが体感時間に関係するという説もあります。例えば風邪をひいて寝込んでいるときは、多くの人は時間の進み方が遅いと感じます。

これは、風邪ををひいたことで体の代謝が一時的に上がっていることが一因だと考えられます。代謝が上がって身体活動が活発になった結果、主観的な時間感覚が濃密になり、時間の経過が遅く感じられるのです。

年齢による代謝の低下は個人差があるため、年をとっても代謝が落ちない(若々しい)人は、時間の経過が遅く感じられます。

時間を意識する必要がなくなる

Man Person Lying Down Laid - Free photo on Pixabay (408418)

年齢を重ねると時間を意識する必要がなくなることも、時間経過が早く感じられる原因と考えられています。例えば取引先に向かうサラリーマンは、約束の時間が気になるので、常に時間を意識することになります。

わずかな電車の待ち時間が気になってしまって何度も時計に目をやりますが、なかなか針が進まずイライラさせられるという光景は、誰もが容易に想像できるでしょう。

若い間は、学業や仕事で多かれ少なかれ時間を意識させられるため、時間の進みが遅く感じられます。しかし、年を取って学業や仕事から開放されると時間を意識する必要がなくなり、時間経過が早く感じられるようになるのではないかと考えられています。

物理的時間と心的時間

Clock Alarm - Free photo on Pixabay (408420)

心理学者の一川誠は、著書「大人の時間はなぜ短いのか 」で「物理的時間」と「心的時間」という概念を提示しています。物理的時間とは、時計で計測できる客観的な時間であるのに対し、心的時間とは、個々の人間が主観的に感じている時間です。

心的時間はさまざまな要素に左右されます。年齢だけでなく、身体の状態や環境、体験している出来事など、多種多様な要因が複雑に絡まり合って形成されると考えられており、ジャネーの法則のように年齢だけに原因を求められる現象ではありません。

心的時間の例

Time Clock Hour - Free photo on Pixabay (408424)

前述の心的時間には、具体的にどのような例があるのでしょうか? 以下で心的時間の身近な例を挙げて解説します。

長く感じる場合

Learn School Student - Free photo on Pixabay (408427)

心的時間が長く感じる例をいくつか挙げてみましょう。

「退屈な会議で眠気をこらえているとき」「急いでいるときの電車の待ち時間」「つき合いで無理やり飲み会に出席させらたとき」

上記の例はいずれもよくあることであり、多くの人が想像しやすい場面です。いずれの例にも共通しているのは、自分にとって不都合だったり面白くなかったりする環境に置かれており、早く時間が過ぎてほしいと願っていることです。常に時間を意識することになるため、時間の経過が長く感じられます。

短く感じる場合

Interview Job Icon - Free image on Pixabay (408428)

続いて心的時間が短く感じる例です。

「激しい議論がかわされている会議で自分も議論に積極的に参加しているとき」「電車を待っているときにばったり懐かしい友人と合って話しているとき」「意中の人が参加している飲み会」

先に挙げた「心的時間が長く感じる例」とは対照的な場面です。いずれの例にも共通しているのは、自分にとって非常に刺激的だったり面白かったりする環境に置かれており、時間をほとんど意識しない状態になっていることです。このような状態では、時間の経過が早く感じます。

同じ10分間でも体感は違う

Stopwatch Racing Timer - Free vector graphic on Pixabay (408430)

加齢による時間感覚の違いは日常的には意識しづらいですが、心的時間は普段の生活のさまざまな場面に存在しています。人間が過ごす10分間は、個人によって異なるだけでなく、同じ人が過ごす10分間でも場面によって全く違うということです。

この事実には、時計によって計測できる物的時間だけにとらわれていると中々気付けません。しかし、人間は物理的時間のような直線的な時間を生きているわけではなく、実は多種多様な心的時間の複雑な組み合わせの中で生きているのです。

時間感覚をコントロールする方法

Time Stopwatch Clock - Free photo on Pixabay (408432)

加齢による時間感覚の変化は誰にでも起こることであり、止めることはできません。しかし、時間感覚は加齢だけに左右されるわけではないため、生活にちょっとした工夫を取り入れることである程度コントロールできます。

以下で時間感覚をうまくコントロールする方法を解説します。

適度な運動を取り入れ代謝を上げる

Running Runner Long Distance - Free photo on Pixabay (408433)

先に解説した通り、時間の経過には代謝量が大きく関わっているため、適度な運動によって代謝を高めることで濃密な時間を過ごすことができます。

個人差はありますが、人間は加齢と共にどうしても代謝が落ちていくため、加齢による時間感覚の変化を完全に防ぐことはできません。しかし、運動によって代謝の低下を抑えるこは可能です。

ただ漫然と運動をするだけでなく、何らかの目標に向かって運動をすることで運動をする時間を充実させるようにすると、なおよいでしょう。

新しいモノを取り入れ刺激する

Adult Diary Journal - Free photo on Pixabay (408435)

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