2020年12月25日 更新

ジャネーの法則は嘘だった?根拠は?時間経過の速さの原因と遅くする方法

ジャネーーの法則とは、「年をとると時間の経過が早く感じる」という心理的な現象を科学的に説明した法則です。時間感覚を客観的に計算できるとされていますが、科学的根拠はなく嘘であるという批判もあります。今回は、ジャネーの法則や人間の心理と時間の関係につて解説します。

時間経過が早いのは新しい知識がないから

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時間経過が早いという現象は、実は年齢ではなく、知識量と相関関係があるという学説もあります。知識量が少ない子供は、外界からのさまざまな刺激に敏感に反応するため、時間の経過が遅く濃密に感じられるのです。

しかし、成長に従って知識量が多くなり、新しい知識を取り入れる必要がなくなると、外界からの刺激がなくなって世界が見慣れたものばかりに感じられてしまうため、時間の経過が早く味気ないものに感じられるようになります。

知識量と年齢にもある程度相関関係があるものの、必ずしも全員が同じわけでないため、ジャネーの法則のように年齢を根拠にした数式化はできないことになります。

ジャネーの法則の計算

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ジャネーの法則を用いると、主観的な体感時間を客観的な数値として導き出すことができるとされています。具体的にどのような計算になるのかを見ていきましょう。

数式にすれば「Y=1/n」

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ジャネーの法則は「主観的な時間経過」を数式で導き出せるという理論であり、計算式は「Y=1/n」です。

Yは「体感時間」を表しており、nは「年齢」を表しています。ただし、この式のままだと0歳児の体感時間が計算できない(0では割れない)ので、便宜的に「Y=1/n+1」とされることもあります。

この計算式はポール・ジャネやピエール・ジャネが考案したものではなく、ピエール・ジャネの主張を元に後世の人が考案したものです。
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ポール・ジャネは50歳の人間の1年の長さは人生の50分の1であるのに対し、5歳の人間にとっては5分の1であると述べています。

ここから、「主観的な時間の長さは、年齢の逆数に比例する」という結論になり、このような数式が導き出さたのではないかと考えられています。

例えば年齢が30歳の場合

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この数式を用いれば、ある年齢の人の人生の体感時間を計算できるとされています。計算方法についてはいろいろな解釈ありますが、積分して分かりやすく数値化してみましょう。

例えば人生80年とした場合、log81-log1という計算式になり、人の一生の累積体感時間は1.9になります。同じ方法で30歳の人の累積体感時間を計算すると、1.5となります。

1.5/1.9=0.8×100=80となり、人生80年とした場合、30歳の人の累積体感時間は人生の80%になります。30歳の時点で人生の8割を過ごしているという計算になってしまうのです。

ジャネーの法則の根拠

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先に解説した通り、ジャネーの法則にはいくつもの反論が寄せられています。さらにジャネーの法則に科学的根拠があるのかどうかを調べてみると、実はかなり怪しいものであることが分かります。

以下でジャネーの法則の根拠について解説します。

科学的根拠は示されていない

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ジャネーの法則は、日本では心理学用語として広く知られていますが、十分な科学的根拠は示されていません。先に解説した通り、この説を最初に提唱したとされるピエール・ジャネは哲学者であり、心理学者ではありません。

この説を紹介したピエールの甥のポール・ジャネーは著名な心理学者ですが、ピエールの説を批判的に取り上げており、法則として確立させようとはしていません。
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ポールの著書には法則という言葉すらなく、「ジャネーの法則」という言葉自体が後世の産物なのです。また「ジャネーの法則」という言葉は日本では非常に有名ですが、海外ではあまり知られていません。

日本でこの法則が広まった理由は、フジテレビのバラエティ番組「トリビアの泉」でジャネーの法則が取り上げられたことが原因ではないかと考えられています。

一般的な傾向は早く感じる

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ジャネーの法則は根拠薄弱であるものの、一般的な傾向として年をとればとるほど時間の経過が早く感じられることは事実です。

ただし、時間の経過の感じ方には個人差が大きく、簡単に計算できるようなものではありません。年を重ねても若々しい人は、時間の経過が遅く濃密な人生体験をしていると考えられます。

人間に限らず、生物は個体差が大きいため、時間の感じ方のような主観的な現象を安易に理論化することはできません。「Y=1/n」という単純な数式でその人の体感時間を計算することは、相当無理のあることだと言ってよいでしょう。

加齢と共に時間が早く感じるのはなぜなのか?

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仮にジェネーの法則が誤っていたとしても、多くの人が加齢と共に時間が早く感じられるようになっていることは事実です。以下で年齢と時間経過の関係について解説します。

新しいモノからの刺激が少ない

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