2019年9月19日 更新

世界最大の大量殺人犯アンネシュ・ベーリング・ブレイビクの現在とは

2011年7月、ノルウェーのオスロで、政府庁舎前で爆弾を爆発させた後に、ノルウェーで長年行われ続けている、左派学生らだけの「平和でしかない集会」が行われている島で銃を乱射しに行き計77人を殺害した『アンネシュ・ベーリング・ブレイビク』の現在や事件の詳細は?

目次

進歩党(新保守主義)党員として所属

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ブレイビクは、1999~2004年に、移民政策に反対的な新保守主義の『進歩党』に党員として所属していましたが「進歩党でも生ぬるい」と不満を口にしていました。

そして、生ぬるい『進歩党』の党員としての活動に我慢ができなくなっていたブレイビクは、2009年、スウェーデンの極右のサイトの会員になりました。

しかし、実世界では「反移民・反イスラム主義」という思想を知り合いに漏らすこともなく、特別目立つこともせず、一般的なノルウェー人として振る舞っていました。

整形手術

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ブレイビクは、差別主義者あるあるで「容姿を異常に気にする人物」であり、日本人にはよく理解できませんが、海外ではよく気にされる『鼻』に特にこだわりを持っていたそうです。特に、鼻先が大きく丸い形の大きな高い鼻は「アラブ人」「ユダヤ人」のようだとされることから嫌う人が多いです。

今だに「アーリア人の鼻は先がツンとした細くて高すぎない鼻」と言う人は多く、ブレイビクが子供時代に親友だったという消防士の男性は「ブレイビクは、自分の鼻を「よりアーリア人らしく」したがっていた」と証言し、別の証人は「周囲から「アラブ人のような鼻」だとばかにされていた」と述べました。

ブレイビクは、20代前半で顎、鼻、額に整形手術を受けたのです。

ブレイビクの思想

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アジア人の私たちには、ヨーロッパの闇の部分であり、非常にわかりにくい『人種』=『宗教』について知らされる機会はほぼ皆無です。

アメリカにとっては「まだ最近のこと」であり、騒ぎ立てられる問題になり、私たちの耳にも入ってくる問題は、ヨーロッパにとっては「当たり前なこと」「個人の自由」として誰も騒ぐ人などいないため、私たちに耳に入ってくることはないのでしょう。

ブレイビクと同じことをする人がいないことを願いますが、ブレイビクと同じような考え方をするヨーロッパ人は想像している以上にいます。しかし、すべてのことは個人の自由と考える文化では咎められることはありません。

クリスチャン・シオニズム

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民族の起源は、メソポタミア地方からヘブライ人遊牧民『アブラハム』が、のちのパレスティナである『カナン』へ移住して来たことから始まり、アブラハムの子孫にカナンの地を与えると約束されたのが『アブラハム契約』で『エルサレム(=シオン)』がアブラハムの子孫に永久の所有とされた。

とするキリスト教の教理が『クリスチャン・シオニズム』で、アメリカのキリスト教プロテスタントの福音派の一部、ドイツルーテル教会のマリア福音姉妹会、末日聖徒イエス・キリスト教会などのごく一部で信じられている教理です。

わかりにくいですが、ずばり言うと「ユダヤ人はこの国から出ていって」と言いたいわけです。わかりやすく言うと『人種差別』です。

ブレイビクが会ってみたい人

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ブレイビクは、日本と韓国を「多文化主義に否定的な国家」として挙げ、インターネット上で「多文化主義に否定的な国家」を賛美賞賛するなどの行為を投稿していたそうです。

インターネット上では「今、最も会ってみたい人々」は、ローマ教皇『ベネディクト16世』、ロシア首相『ウラジーミル・プーチン』の名前を挙げていました。

そして「次に会ってみたい人々」として、日本国首相『麻生太郎』、韓国大統領『李明博』、オランダ極右政党・自由党党首『ヘルト・ウィルダース』、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でイスラム系住民の大量虐殺を指揮した『ラドヴァン・カラジッチ』の4人の名前を挙げていました。

キリスト教

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ブレイビクが15歳の時、カトリック教会では「七つの秘跡の一つ」で、洗礼の恵みの完成時に、神の子としてキリストと教会にいっそう自分を固く結びつけ、キリスト教信仰のための特別な力を与える『堅信礼』を受けました。

犯行の2年前、インターネット上で現代プロテスタント教会への不満を漏らし、カトリック教会への集団改宗を 呼びかける書き込みをしていました。プロテスタントとは「聖書こそが唯一頼れるもので、他を頼る必要もない」という「聖書主義」で、カトリックは豪華絢爛で「教皇様をトップにしたピラミッド組織」です。

ブレイビクは、ネット上に「イエス・キリストと個人的な関係を結べる人は宗教的なキリスト教徒であるが、自分や多くの人は文化的・社会的な意味でキリスト教徒と呼ばれている」という『マニフェスト文書』を投稿していました。

フリーメイソンの会員

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フリーメイソン(Freemasonry)は各個人会員の事を指し、16世紀後半~17世紀初頭、全世界に600万人以上の会員数を持つ『友愛結社』です。『スコットランド・グランドロッジ』『アイルランド・グランドロッジ』に15万人、『英連邦グランドロッジ』に25万人、『米国のグランドロッジ』に200万人所属しています。

フリーメイソンは、独立した『グランドロッジ』『東方社』の形で組織され、それぞれが下位のロッジである下部組織から成る管区を管轄し、それぞれが認め合うか拒否して境界を形成しています。団体内部には秘密があり「秘密を漏らしたら首を切るぞ」と脅かして口伝で秘技を伝えた時代が400年間続きました。

西洋史に深い関わりを持ち、現在のドイツ、オーストリア、チェコ、イタリア北部を中心に存在していた国家『神聖ローマ帝国』と、プロイセン国王がドイツ皇帝の連邦国家『ドイツ帝国』での国営郵便事業の名称『帝国郵便』を担う『トゥルン・ウント・タクシス伯爵』家出身の皇帝特別主席代理は全員フリーメイソンです。

事件のその後

Killer Horror Jimmy - Free photo on Pixabay (625597)

ノルウェーは、世界で1.2番を争うほど人権を尊重する国として有名です。死刑制度が必要ないほど、犯罪を犯す者はいません。しかし、裏を返せば「犯罪が起きないほど、日々の抑圧や規制などが少ない国」=日本人から見ると「えっ!?」と驚くような生活スタイルを持つ国でもあります。

世界一平和なノルウェーと言われていた国で、世界で一番最大の大量殺人事件が起きてしまった理由は何?と国民は戸惑いました。ここでは事件のその後について解説していきます。

爆破・銃乱射事件の「碑」設置計画

Apocalypse Disaster End Time - Free photo on Pixabay (625598)

ブレイビクによる銃乱射事件で69人が殺害された『ウトヤ島』に面する小さな半島に幅3.5メートルの「切り込み」を入れ、切り込みの断面の片面に犠牲者の名前を刻み、もう一方の断面には観覧室が設けられるという景観を構成する建設工事=ランドスケーピングを『碑』とする設置計画がありました。

この前衛的な『碑』は「傷の記憶」と名付けられ、ノルウェーのランドスケープアーティスト『ジョナス・ダールバリ(Jonas Dahlber)』氏が手掛けることになっていました。しかし、地質学の専門家らは「技術的に、作品を実現にすることは不可能」と指摘しています。

遺族らが反対

Yes No Typography - Free vector graphic on Pixabay (625599)

前衛的な『碑』のプロジェクトが選定された際は大きく歓迎されましが、遺族のなかには「一言も相談を受けていない」と不満をもらす人がいたり、地元住民からは「景観を損なう」と反対の声が上がるなど、徐々に批判の声が強まっていきました。

自分の子ども達が無意味に殺害された事件は「お祭り騒ぎや商業的に使われてほしくない」と言う遺族の気持ちや、地元に住む人の意見を無視して、世界をアッと言わせるような前衛的なモニュメントでもあるかのような『碑』を、なぜ勝手につくろうとしたのでしょうか。

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