2019年9月19日 更新

世界最大の大量殺人犯アンネシュ・ベーリング・ブレイビクの現在とは

2011年7月、ノルウェーのオスロで、政府庁舎前で爆弾を爆発させた後に、ノルウェーで長年行われ続けている、左派学生らだけの「平和でしかない集会」が行われている島で銃を乱射しに行き計77人を殺害した『アンネシュ・ベーリング・ブレイビク』の現在や事件の詳細は?

目次

遺族が反対する理由

Hand Left No War - Free vector graphic on Pixabay (625600)

事件で14歳の娘を亡くした母親は「碑をつくることに反対はしないが、2012年末に計画が持ち上がって以来、遺族はかやの外に置かれ、勝手に子供たちの名前を使うのは横暴。今でも私たちの子供であることに変わりない」と、計画に反対する遺族たちは、プロジェクトの見直しを求めています。

地元住民たちからも「虐殺のことを思い起こすのはつらく、思い出させてもらう必要もない」と、碑に反対する人たちは、Facebookで反対キャンペーンを展開し「自然へのレイプ」「観光客目当て」と非難する声や、ブレイビク受刑者のファンたちにとって『巡礼地』になりかねないという意見も出されています。

プロジェクトの支持者たちは「計画を中止することは考えていない」「碑は2015年7月22日の完成を予定している」と言っていましたが。今だに、慰霊碑は建立されていません。

現場となった建物にメモリアルセンター

Police Violence Thinking Man - Free photo on Pixabay (625602)

事件から5年後、『ノルウェー労働党の青年組織(Arbeidernes ungdomsfylking)=(AUF)』は69人のうち13人の若者の命が奪われたウトヤ島のカフェ小屋の解体を望みましたが、世論が反対しました。そして「悲劇を後世に伝え続けるため」と、犯人が撃った銃弾の跡などを残したままメモリアルセンターが建てられました。

AUFの現代表『マニ・フサイニ』によると「この家の名前は「中にあるものを守る」という意味で『ヘインフーセ(守護の家)』と名付けられ、館内には、かつてのカフェの一部が残っています」とインタビューで答えました。

被害者家族のやり取りが一部公開される

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『ヘインフーセ(守護の家)』には、生存者や犠牲者の家族の同意の下「過去の出来事を悲しむ場所ではなく、未来を考える場所」「どのような世界を望まないか考える場所ではなく、どのような世界をこれから作っていきたいか考える場所」であるとし、当時のSMSのやり取りが寄贈され展示されています。

ただの展示館ではなく「教育の場」でもあり、9年生と10年生には社会科見学の場として提供され、ヘイトスピーチ、民主主義・極右思想・法制度・情報源を批判的に読み解く能力、7・22に何が起きたのかを学ぶ場所になっています。

ウトヤ島の代表『ヨルゲン・フリドネス』さんは「なぜ事件は起きたのか?同じような悲劇をどうしたら避けられるか?歴史から学ばなければ、また繰り返される」と語りました。オスロ中心地の爆破現場『市庁舎内』には、別の7・22センターが設けられ、ブレイビクが使用した所持品や車が展示されています。

映画「ウトヤ島、7月22日」

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『ウトヤ島、7月22日(Utøya 22. juli)』は、2018年制作のノルウェー映画です。2011年7月22日、ブレイビクが起こしたノルウェー連続テロ事件で、ウトヤ島で起きた銃乱射事件を映画化しました。

Netflix映画『7月22日』と題材は同じだが別の作品です。ブレイビクを主人公にせず、全編のうち72分間をワンカットで映像化しています。第68回ベルリン国際映画祭エキュメニカル審査員賞スペシャルメンションを受賞しました。

ブレイビクの出所に注目が集まる

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ノルウェーの法律上では、ブレイビクがいずれ出所することになっていますが「ブレイビクのような人間はを外に出すな」と言う意見や「ブレイビク1人のために法律を変えることは、ブレイビクの思惑通りにブレイビクを勝者にし、我々が敗者になる」などという意見でわかれています。

事件が映画化され、世界樹から再び注目が集まっている今、ブレイビクの出所時期や出所後の動向に注目が集まっています。しかし、ノルウェーでは様々な公の場でも「ノルウェーは憎しみよりも、愛と思いやりを選ぶ」と言う内容の複雑な心境を海外にもアピールし続けています。

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