2019年9月19日 更新

世界最大の大量殺人犯アンネシュ・ベーリング・ブレイビクの現在とは

2011年7月、ノルウェーのオスロで、政府庁舎前で爆弾を爆発させた後に、ノルウェーで長年行われ続けている、左派学生らだけの「平和でしかない集会」が行われている島で銃を乱射しに行き計77人を殺害した『アンネシュ・ベーリング・ブレイビク』の現在や事件の詳細は?

目次

世界最大の大量殺人犯アンネシュ・ベーリング・ブレイビク

Norway Fox Arctic - Free photo on Pixabay (623818)

北欧のノルウェーという国を日本人が理解しようとしても難しいでしょう。その中でも、犯罪者に対する扱いは、最も理解しにくいことの一つです。

極右思想を持つキリスト原理主義者であり「世界短時間で世界最大量の殺人」「単独で世界最大量の殺人」を起こした『アンネシュ・ベーリング・ブレイビク』という人物に対しても、死刑が執行されるどころか...。

ノルウェーでは「どんな凶悪犯人にでも、憎悪に憎悪で返さない」と「刑務所は罰する場所ではなく、社会復帰するためのリハビリ場所である」と考え『刑務所』という名前のビジネスホテルのような環境で優雅に暮らし続けています。

ブレイビクの現在

Norway Oslo Light - Free photo on Pixabay (623819)

2011年7月、世界の中で最も人権を尊重することで有名なノルウェーで、国民をただ意味不明に震撼させた77人の無差別殺人を起こしたブレイビクは、直後に身柄を拘束され、2012年3月7日、テロ及び殺人容疑で起訴されました。

3月15日、オスロから約100km離れた刑務所の体育館で、特別法廷を設けて行われた裁判では、右手を上げるナチス式の敬礼で現れ「ヒトラーの教えだけが刑務所生活を生き抜く支え」と、謝罪するどころか自分の思想や要求を理解するように述べました。

4月16日に開かれた法廷では、ブレイビクは裁判官から職業を問われ「作家です」と答えたそうです。

オスロ近郊の刑務所に服役中

Mountain Water Landscape - Free photo on Pixabay (623822)

2012年8月21日、裁判所はブレイビクに対し「禁錮最低10年、最高21年」の判決を言い渡しました。ところが...ノルウェーの刑務所とは、清潔で安全でプライバシーも確保され、正に「三食昼寝付き」とでもいうようなビジネスホテルのような場所でした。

ノルウェーでは『死刑』という制度がなく、刑務所を取り囲む『柵』さえなければ、刑務所とはわからないような場所で、囚人は釈放されたあとのことを準備するためだけに驚くほど快適に刑務所で暮らしています。

オスロ大学への入学を認められる

Norway Mountains Houses - Free photo on Pixabay (623823)

ノルウェーでは「全ての受刑者は高等教育を受ける権利がある」と考えられるため、大学を中退しているブレイビクも「囚人の人権」を最大限に利用し「2015年、政治学の学資号取得のために『オスロ大学』にする」と発表されました。

ブレイビクは受刑者であるため、大学のキャンパスへ行くことはできず、獄中での自主学習ということになります。そのため、セミナーへの主席ができずに学士号を取ることはできないようなので、卒業することもできていないようです。

フィヨトルフ・ハンセンに改名

Aurora Borealis Northern - Free photo on Pixabay (623824)

2017年6月9日、ブレイビク受刑者の弁護士は『日刊紙ベルデンスガング(Verdens Gang)』の報道を認め「アンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)」の名前を「フィヨトルフ・ハンセン(Fjotolf Hansen)」に改名されたことをAFPに公式に明らかにしました。

ノルウェーで『ハンセン』は一般的な名字ですが『フィヨトルフ』は極めて珍しい名前です。しかし、改名の理由については「ブレイビクとの話し合いの内容を明かしたくはない」として答えませんでした。

ブレイビクが服役している刑務所について

Tree Snow Winter - Free photo on Pixabay (623825)

国中を恐怖に陥れたブレイビクには、31平米の寝室付きの3部屋が与えられました。ノルウェーの刑務所では、各囚人ごとに個室・薄型テレビ・冷蔵庫・大きな窓・バスルームが完備された個室が与えられ、囚人共用のリビングルームとキッチンもあります。

看守は「威圧感を避けるため」に銃を持たずに囚人と共に運動や食事をし、75エーカー以上の森付きの大きな運動場、最新設備の備わった医療設備・ジム、雑誌・CD・DVDのある図書館が完備され、リハビリのために音楽のクラスが課され、100万ドルを費やしてアーティストに依頼した壁画もあります。

刑務所内でのブレイビクの訴え

Prison Cell Jail - Free photo on Pixabay (625371)

2014年 、ノルウェーの首都『オスロ』にあるAFP通信の支局に、約1年の間に刑務所からブロック体で几帳面さがにじみ出た手書きの封筒で3通の手紙が届いていました。手紙の主はブレイビクです。

最初の手紙が送られてきたのは昨年で、終わりが見えないほど長い文面で、ただひたすら「自分の主張を聞いてほしい」という内容のものでした。3通目の手紙は手書きではなくタイプされたものですが、A4用紙で17枚ほどあるような長い手紙で、住所と文面の最後の署名だけ手書きでした。

ハンガーストライキを計画

Mma Network Cage - Free photo on Pixabay (623829)

2014年2月、ノルウェーの首都『オスロ』のAFP通信の支局に届いたブレイビクからの2通目の手紙には、10項目ほど所内の待遇改善を求めた要求が挙げられ「これらが受け入れられなければ、ハンガーストライキに入る」と脅す内容が書かれていました。

事件を起こす前のブレイビクは「世界のニュースの90%はAPとロイターとAFPから流されている」と主張し、「みんなグローバリズムと多文化主義を支持している奴らだ」と嘆いていたそうです。そして、想像通りハンガーストライキが行われることなどありませんでした。

ゲーム機の変更

Prison Fence Razor Ribbon Wire - Free photo on Pixabay (623832)

ブレイビクからの2通目の手紙には、思わず冗談かと思う内容の「『プレイステーション2』のゲームを『プレイステーション3』に買い替えてほしい」との要求がされていました。

ブレイビクから手紙を受け取っていた『AFP通信』の記者は「重要なことより、取るに足らない小さなことに執着する」という、ブレイビクの「ゆがんだ感覚」をずっと見てきたのです。

警察官に扮装して『ウトヤ島』に向かい、大勢の学生を含む69人を殺害した直後に逮捕されたとき、ブレイビクは「まず、けがをした自分の人さし指に包帯を巻いてほしい」と警官に要求するような人物でした。

散歩や外部との連絡に関する条件の改善

Xbox One Microsoft - Free photo on Pixabay (623838)

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