2019年9月19日 更新

世界最大の大量殺人犯アンネシュ・ベーリング・ブレイビクの現在とは

2011年7月、ノルウェーのオスロで、政府庁舎前で爆弾を爆発させた後に、ノルウェーで長年行われ続けている、左派学生らだけの「平和でしかない集会」が行われている島で銃を乱射しに行き計77人を殺害した『アンネシュ・ベーリング・ブレイビク』の現在や事件の詳細は?

目次

ノルウェーでは、刑務所から手紙を出すことは許されていますが「犯罪を扇動するような内容が書かれていないか?」が検閲されており、手紙を出したいなら『切手代』『印刷代』などが必要で、毎週支給される300クローネ(約5000円)から支払わなければなりません。

そこまでしても出したかった手紙には、欧州の法令に沿った人権保護に関するものだと主張した「散歩や外部との連絡に関する条件の改善」も要求されていました。

ソファか肘掛け椅子

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APF通信支社に届いた手紙には「重要なことより、取るに足らない小さなことに執着する」という「ゆがんだ感覚」を持つブレイビクらしく「椅子をソファか肘掛け椅子に変えてほしい」という内容も要求されていました。自分がいったい「どのような罪を犯して刑務所にいるのか?」ということを全く忘れているようです。

ブレイビクは禁固21年の刑とされましたが、ノルウェーではやはり『終身刑』で刑務所で一生を過ごさせ「世界一平和なノルウェーの記憶から消し去りたい」と思われているようです。

給付額引き上げ

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ブレイビクは「自分は他の受刑者とは『格』が違う」というような態度で、まるで「正義のために自分は外部に手紙を出し続けなければない立場である」から、切手代などがかかるために「1週間当たり300クローネ(約5000円)の給付額を2倍に引き上げてほしい」と要求しました。

APF通信などのジャーナリストは、このような状況下では「犯罪者に『声』を与えているのかもしれない」リスクを背負わされますが、AFPは細心の注意を払って公表しました。

そのため、ノルウェー国内ではブレイビクの手紙の内容で『プレイステーション』については少し話題になりましたが、国外ほど取り上げられることはありませんでした。

人権侵害を訴えて裁判まで

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多くの国々に比べ、信じられないほど『快適』でしかない刑務所にいながら、ブレイビク受刑者は『人権侵害』を訴えて国を提訴し、最高裁はブレイビクの訴えを退けました。国内での法的手段がなくなったブレイビクは『欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)』に提訴する意向を示しました。

アメリカ『ニューヨーク・タイムズ』紙は、この裁判について「一人で世界最大の大量殺人を犯した受刑者にも、ノルウェーは寛容で思いやりの心をを持ち、力を注義続けてきましたが、ブレイビクはノルウェーにとって大きな負荷でしかない」と評しました。

多くの女性ファンを魅了する異質な受刑者

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ブレイビクには、驚くことに多くの女性ファンがおり、ファンとは手紙のやり取りがされており、過去には女性ファンから求婚されるという驚愕のエピソードを持っています。

ブレイビクには4000通以上の手紙が届いており、そのうちの600通以上の『白人至上主義者』らに出した手紙や、ロシアで服役中の『ネオナチ主義者』などから届いた手紙などは「犯罪者らとのネットワークを築かせないことが重要だ」と差し止められていると発表されています。

年間800通以上の手紙

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ノルウェー最大の新聞で週刊の新聞『モルゲンブラーデ(Morgenbladet)』によると、ブレイビク受刑者は年間少なくとも800通以上の手紙を受け取っており、その手紙の大半はブレイビクの女性ファンからのものだと伝えています。

日本でも、オウム事件の時にオウム真理教の元幹部で、後継団体「アレフ」から分派した「ひかりの輪」の上祐史浩に女性ファンが多数いたり、イケメン扱いされるという異常な事態がありました。

150通以上の手紙を送った女性

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自称「ブレイビクのファン」の20代のスウェーデン人女性は、ブレイビクをファーストネームの「大切なアンネシュ」と呼び、ほぼ毎週、まるでラブストーリーのように「あなたを待ち続けると誓う」という内容の手紙を書いて送っています。

APF通信からの取材時に「彼がいなければ、生きていたいと思わない」という彼女が、ブレイビク受刑者を励ましたい思いで書いた手紙は150通を超えています。時には小さな贈り物をすることもあり、ブレイビク受刑者が公判で時々身に着けているダークブルーのネクタイも贈物だそうです。

ブレイビクとは、2007年にオンラインゲームを通じて知り合い、2年後、大量殺人の計画に専念するため連絡が絶たれましたが、2012年に「ノルウェーで最も嫌悪される人物」として再びブレイビク受刑者と接触できました。

公判中に求婚した女性

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2012年の公判中には、16歳の少女がブレイビクに求婚したことも明らかにされました。この女性は、150通のラブレターを書いた女性とはまた違います。

ブレイビクに150通以上の『ラブレター』を送っている女性は、2007年からの知り合いで、ブレイビク受刑者から受け取った返信は「郵便物検閲を担当する刑務所の職員によって没収された」からと2通。

そして、ブレイビク受刑者の元を訪れたいという願いはことごとく拒否され、2人は一度も会ったことがないが、異性として魅力を感じる部分もあり「最初は、少なくとも私の側には恋心があった」が、守ってあげたい「兄弟のような存在」でもあるそうです。

犯罪性愛

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犯罪学の専門家たちが使う用語『犯罪性愛(ハイブリストフィリア)』は、獄中の殺人鬼に性的な魅力を感じる嗜好を指します。時代や国を問わず『犯罪性愛者』たちから殺人鬼に、際どいラブレターやセクシーな下着が送られることもあります。

1930年代、アメリカで銀行強盗や殺人を繰り返したカップルの名にちなんで『ボニーとクライド症候群(Bonnie and Clyde Syndrome)』とも呼ばれます。

25年間、自分の娘を監禁し続けレイプし続けたオーストリアの『ヨーゼフ・フリッツル(Josef Fritzl)』や、アメリカのシリアルキラー『チャールズ・マンソン(Charles Manson)』にもファンクラブがあるとか。

犯罪者に惹かれる女性の特徴

Wedding Separation Love - Free photo on Pixabay (623869)

女性30人を取材し『殺人者を愛した女たち(Women Who Love Men Who Kill)』」と題する本を執筆したアメリカ人作家『シーラ・アイゼンバーグ(Sheila Isenberg)』氏は、犯罪性愛者の女性は「性的虐待の被害者」である場合が多いと言います。

理由は「相手の男性は死ぬまで刑務所に入っていて、何もコントロールできない状態なので、全てをコントロールできる」と考えるからです。

アメリカ『ウェスリアン大学(Wesleyan University)』心理学部の『アマンダ・ヴィカリー(Amanda Vicary)』助教は「犯罪性愛者は殺人犯の更生を助ける使命を負っていると思い込むから」だと言います。

ノルウェー連続テロ事件

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