目次
- 時代に伴って意味が変わってきた
- よく聞く貴様の意味
- 親しい人や目下に人に対して
- 罵る時に使う
- 昔は目上の人に対しても使っていた
- 漢字から読み解く貴様の意味
- 貴様の「貴」は「貴い(とうとい)」という意味
- 敬意を払った言葉であった
- 貴様は口語ではなく文章で使われていた
- 貴様という言葉は元々口頭で使われていない
- 口頭で使われるようになったのは近世後期あたりから
- 「貴様」が誤用されるようになってしまった経緯
- 庶民の勘違いから生じた
- 「貴様」の価値が落ちてしまった
- 貴様の意味が、曲解されてしまった理由
- 現在の貴様の意味
- 相手を罵るための言葉となってしまった
- 現代の日本における「貴様」
- 相手を罵るような言葉でしか使えない
- 怒っていると思わせてしまう
- もう上司には使えない
- 上司も部下には使えない
- 文語でも書けない
- 二次元ではよく聞く言葉
- 九州では意外と使われている
- 「きさん」という方言
- 「お前」も「貴様」と同じように曲解された
- お前も実は時代が進むにつれて曲解されてしまった
- 元々は仏さんや神様などを敬っていた言葉
- 現在でも”おんまえ””みまえ”として使われている
- こちらも江戸初期までは、良い意味で使われていた
- 貴様と似た意味の二人称と意味が変わった二人称など
- 「手前(てめぇ)」の使い方
- 「君」も親しい人や目下に人に
- 「あなた」の種類
- 関西でよく使われる「自分」
- 時代劇や舞台で使われる「おんどりゃ」
- あんた
- 時代とともに言葉は変化していく
適当な表現が思い浮かばず、「貴様」と使用される方はいらっしゃいます。その方としては、相手を呼んだだけなのですが、受け取った側としては不快であり、同時に使用したものの怒りを感じ取ってしまうのです。
このような状況は仕事の最中にも起こり得るものであり、そうなれば、パワハラとして訴えられてしまう可能性が大であります。例え常用していて、信頼関係が築かれているとしても、危険極まりないものであるのです。もし、「貴様」を使用されているのであれば、控えることおすすめ致します。
このような状況は仕事の最中にも起こり得るものであり、そうなれば、パワハラとして訴えられてしまう可能性が大であります。例え常用していて、信頼関係が築かれているとしても、危険極まりないものであるのです。もし、「貴様」を使用されているのであれば、控えることおすすめ致します。
もう上司には使えない
via pixabay.com
当然ながら、今では相手を敬う意味合いなど皆無である「貴様」を上司に使うということは、辞職も覚悟の上でなければなりません。そればかりか、裁判沙汰になる恐れも考慮に入れる必要があるでしょう。
取引先の相手などに使用したならば、契約に及ぶことはなく、むしろ、これまでの信頼関係を破綻させてしまうでしょう。それによって、被った損害を会社から請求されかねないものであります。
これは最早、モラルと言えるほどのものとなっていますから、元々の意味がなんであれ、「貴様」は使用していいものではないのであります。
取引先の相手などに使用したならば、契約に及ぶことはなく、むしろ、これまでの信頼関係を破綻させてしまうでしょう。それによって、被った損害を会社から請求されかねないものであります。
これは最早、モラルと言えるほどのものとなっていますから、元々の意味がなんであれ、「貴様」は使用していいものではないのであります。
上司も部下には使えない
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こちらは先程も申し上げましたが、パワハラに当たる行為と取られても仕方の無いものであります。「貴様」と上司が威圧したならば、立場の弱い部下としては抗しようがありません。そのような方を守る法律は現在では多く作られています。
そのため、「貴様」に限らず、部下を威圧するような言葉を使用すること自体が間違いであるという認識が必要なのであります。それを理解していなければ、暴言が目立った政治家のように、世間から冷ややかな目で見られることとなるでしょう。
そのため、「貴様」に限らず、部下を威圧するような言葉を使用すること自体が間違いであるという認識が必要なのであります。それを理解していなければ、暴言が目立った政治家のように、世間から冷ややかな目で見られることとなるでしょう。
文語でも書けない
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文語と口語で大きく意味が異なることがあるのですが、現代の日本ではそれほど多くはありません。つまり、文字としても「貴様」は相手を罵る言葉となっているのであります。従って、どのような場面でも使用は控えるべきであります。
むしろ、よく考えて文字を選ぶ文語で「貴様」を使用すると言うことは、口語の「貴様」よりも悪質であり、証拠も残るものであります。口語での使用も気を付けるべきですが、文語での使用はそれ以上に警戒すべき事柄であります。
むしろ、よく考えて文字を選ぶ文語で「貴様」を使用すると言うことは、口語の「貴様」よりも悪質であり、証拠も残るものであります。口語での使用も気を付けるべきですが、文語での使用はそれ以上に警戒すべき事柄であります。
二次元ではよく聞く言葉
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唯一、「貴様」を使用しても波風が立たない機会がドラマや漫画などであります。当然ながら、そのような作品の中でも、実在の人物に対して使うのは控えるべきでありますが、あくまでその物語の中の人物のみの使用は、問題ないと言えます。
現代を舞台した作品の中でも使用可能でありますが、熟考の上で行うべきでしょう。遠慮なく使いたいのであれば、やはり、戦国や明治など、相手を敬う意味で使用されていた時代であれば、なんの問題もないと言えるでしょう。
現代を舞台した作品の中でも使用可能でありますが、熟考の上で行うべきでしょう。遠慮なく使いたいのであれば、やはり、戦国や明治など、相手を敬う意味で使用されていた時代であれば、なんの問題もないと言えるでしょう。
九州では意外と使われている
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九州だからといって比較的に多いということではないのですが、少しばかり気の荒い方が多く、「きさん」などの方言は「貴様」よりも使いやすいと言った点で、使用されることがあるようです。
他県からみれば、福岡などの方言は荒く感じられることでしょう。それは県民でも同じく感じていることであり、「貴様」や「きさん」も使用は避けているのでありますが、長く使ってこられた年長者などは思わず漏らしてしまうことがあるようです。
他県からみれば、福岡などの方言は荒く感じられることでしょう。それは県民でも同じく感じていることであり、「貴様」や「きさん」も使用は避けているのでありますが、長く使ってこられた年長者などは思わず漏らしてしまうことがあるようです。
「きさん」という方言
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「きさん」は現在では殆ど使用されていませんが、数十年前にはそれなりに人々の間で使用されていた言葉であります。こちらも「貴様」と同じく男性が主に使用していました。
日常で使用されていたものであり、現在ほどに「きさん」は罵る意味合いは少なめであったため、目下や同輩などの相手に使用されました。それでも、いらぬ騒動に繋がる可能性を考慮に入れて、使用頻度は少なめであったのです。
日常で使用されていたものであり、現在ほどに「きさん」は罵る意味合いは少なめであったため、目下や同輩などの相手に使用されました。それでも、いらぬ騒動に繋がる可能性を考慮に入れて、使用頻度は少なめであったのです。
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時が流れ、セクハラやコンプライアンスなどが大きく取り上げられ始めると、会社におけるコミュニケーションに変化が現れました。社員の一人一人が行動や言動によっては厳しく裁かれかねないことを理解し、意識が変わったのであります。
そのため現在では殆ど使用されておりません。あったとしても、極一部の方の身内に対してなどであり、ビジネスシーンにおいては抹消されたと言えるものであります。
そのため現在では殆ど使用されておりません。あったとしても、極一部の方の身内に対してなどであり、ビジネスシーンにおいては抹消されたと言えるものであります。
「お前」も「貴様」と同じように曲解された
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これまでもお話致しましたが、「貴様」と同じく「お前」も時代とともに意味が変わってしまった言葉であります。元々、使用されていた漢字は「御前」であり、その意味は神仏や貴人に対しての呼称であったのです。
「御前」の読み方は「おんまえ」や「おまえ」の他に「おまい」、「おめえ」、「ごぜ」、「ごぜん」などという読みが存在し、それぞれ意味が異なるものとなってます。
その意味は神仏や貴人への敬いを示すものもあれば、同等以下の相手に使用するものもあります。そのような多様な変化をみせた「御前」は、様々な意味を持ったまま、現在でも受け継がれております。
「御前」の読み方は「おんまえ」や「おまえ」の他に「おまい」、「おめえ」、「ごぜ」、「ごぜん」などという読みが存在し、それぞれ意味が異なるものとなってます。
その意味は神仏や貴人への敬いを示すものもあれば、同等以下の相手に使用するものもあります。そのような多様な変化をみせた「御前」は、様々な意味を持ったまま、現在でも受け継がれております。
お前も実は時代が進むにつれて曲解されてしまった
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江戸時代の初期までは神仏や貴人を敬う言葉でありました。ですが、使用する人の層が増えると徐々に敬意が薄れていき、明治時代以降からは同等以下の相手に使用する言葉となりました。
その後さらに敬意が薄れ、現在のような「お前」になったのであります。幸い「貴様」ほどに価値を貶めておらず、よく人々の間で使用されています。
しかし、「貴様」と同じくその価値の低迷は続いており、時が移れば、使用できなくる可能性を十分に持った言葉であります。そして、「お前」だけではなく「おめえ」もその対象であると言えます。
その後さらに敬意が薄れ、現在のような「お前」になったのであります。幸い「貴様」ほどに価値を貶めておらず、よく人々の間で使用されています。
しかし、「貴様」と同じくその価値の低迷は続いており、時が移れば、使用できなくる可能性を十分に持った言葉であります。そして、「お前」だけではなく「おめえ」もその対象であると言えます。
元々は仏さんや神様などを敬っていた言葉
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現在の「お前」からは想像も付きませんが、「御前」という漢字を見て頂ければ、神仏に対する敬意を感じることができます。さらに「おんまえ」などという読みを使用すれば、貴人の前という意味になり、「お前」の粗雑さは消え去ることでしょう。
このように、元々はとても相手を敬った言葉が「御前」だったのであります。おそらく庶民に伝わったときも始めは敬意が込められていたはずなのですが、多くの人が使用する内に親しまれ、それが「お前」という形になるほどに、品位を堕とすきっかけとなってしまったようです。
このように、元々はとても相手を敬った言葉が「御前」だったのであります。おそらく庶民に伝わったときも始めは敬意が込められていたはずなのですが、多くの人が使用する内に親しまれ、それが「お前」という形になるほどに、品位を堕とすきっかけとなってしまったようです。
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