2019年9月11日 更新

久留米看護師連続保険金殺人事件の概要とその後!犯人達の人物像も

看護師という人を救う立場にあった女性たちが、殺人を繰り返した久留米看護師連続保険金殺人事件。この事件の犯人は、普通に暮らしていた4人の女性たちです。この記事では、女性たちが事件を起こしたわけと、その後どういった末路をたどったのか、詳細にご紹介していきます。

目次

久留米看護師連続保険金殺人事件の3人目の共犯者は、池上和子という女性になります。久留米看護師連続保険金殺人事件の特徴は、首謀者の吉田純子以外、ほとんど情報が出回っていないことです。出身地や家族構成など、そのほとんどが明らかにされていません。

その理由は、親族が拒否したという説もありますが、警察関係者または政界関係者が身内にいたためという説もあります。ここからは、最後の共犯者である池上和子の特徴について、知り得る限りの情報を解説していきましょう。

石井と同時期に吉田と仲良くなる

Break Business People - Free photo on Pixabay (620612)

池上和子は、石井ヒト美や堤美由紀と同じく、吉田純子の看護学校時代の友人でした。卒業後、他2人と同じく疎遠になっていたものの、吉田純子からの連絡によって、再び接点を持つようになります。池上和子もまた、看護師という職業に就いていましたが当時は専業主婦でした。

石井ヒト美と同時期に仲良くなり、石井ヒト美と同じように当時抱えていた悩みを、吉田純子に打ち明けます。久留米看護師連続保険金殺人事件で共犯者にされた人々は全て、自ら悩みを発信し、そこに付け込まれていきました。

こうしたことから、吉田純子は人の心理をよく理解し、巧みにコントロールする術を持ち合わせていたことがわかります。

同僚看護師をいじめていた件を咎められる

Person Homeless Bullied - Free photo on Pixabay (625169)

池上和子は、同僚の看護師をいじめていたという過去を持っていました。気に入らない女性の悪口を言いふらし、婚約を破談に追い込むという行為も行っていたのです。その件を吉田純子に話してしまったことから、咎められ脅されるようになります。

池上和子が行ったいじめは、数年前の出来事であったにも関わらず、いじめの件を大げさに吹聴し、吉田純子や背後にいる暴力団が解決に乗り出しているという嘘をついたのです。

吉田純子の発言を信じ、穏便に済ませたいと考えた池上和子は、要求されるまま数百~数千万円の金銭を渡すようになりました。

子どもを施設に預け同居に近い生活を送る

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池上和子にも、子供がいました。前項でもご紹介したように、子供の存在は吉田純子にとって、リスクでしかありません。事件が露見したり、お金もかかってしまう事から、子供を施設に預けるように指示しました。

その後、他2人の共犯者と同じように、吉田純子が住んでいたマンションの下層階を買わされ、同居に近い生活を強要されます。堤美由紀と違う点は、性行為を求められなかった点と、家事育児全般を押し付けられなかった点です。池上和子は、主にお金を集めることだけに使用されていました。

池上の夫が和子及び子どもを殺害しようとしていると嘘をつき殺害

Forest Hack Blade - Free photo on Pixabay (620620)

共犯者の女性や、その他の同僚から金を巻き上げていた吉田純子でしたが、贅沢な生活を維持し続けるためにはお金が足りませんでした。そのため、池上和子に夫の殺害を指示します。こちらも、夫の保険金や退職金、遺産などが目当てでした。

池上和子に夫を殺害させるため、ここでも嘘を多用します。池上和子の夫は、愛人を囲っている事、保険金をかけ和子及び子供の殺害計画を企てていると嘘をつき、殺される前に殺す必要があると思い込ませました。

池上和子の夫はコレステロール値が高かったことから、カリウムを大量摂取させ心停止を狙う殺人計画をたて、それらを実行します。看護師としての知識をフルに活用した、殺人計画でした。この殺人により、3,500万円という保険金が支払われますが、その受取人は吉田純子だったのです。

吉田純子に3人が従った理由

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吉田純子は、共犯者3人に自分を「吉田様」と呼ばせ、横暴な態度を取り続けました。殺人の命令はもちろん、家事や育児、性処理なども行わせています。さらに、金のほとんどを自分だけの娯楽に使用していたのです。

こういった状況を見ると、他3人がなぜ吉田純子に従い続けたのか、非常に不可解だと感じる人もいるでしょう。ここからは、共犯者3人がなぜ、吉田純子に従い続けたのか、理由とその心理状況について、解説していきます。

嘘をでっちあげ不安を煽り手を差し伸べる

Hand Woman Female - Free photo on Pixabay (620633)

吉田純子は、共犯者3人と接触し、言葉巧みに悩みや不安を聞き出しました。そして、その内容を過大に表現し、個人では解決できないと不安をあおります。不安に駆られた共犯者たちは、なんとかその状況を打開しようと、藁にも縋りたい心理に陥りました。

「誰でもいいから助けて欲しい」という心理状況を作り出すと、そこにすかさず吉田純子が手を差し伸べるのです。本来は、それ程不安に感じる事柄でもなく、また自分たちで解決できた事柄だったにも関わらず、助けられた共犯者たちは、吉田純子に感謝し、何かを返したいという思いに陥ります。

こういった心理状況を心理学では、返報性の原理と呼びます。他者から施しを受けたり、助けられたら、それ以上の新設や行いを返したいという心理状況になるのです。この心理状態を悪用されたことによって、共犯者たちは犯罪に加担させられたと考えられます。

「先生」という架空の人物を作り出す

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吉田純子は、共犯者のトラブルを解決する際、「先生」という人物を活用しています。この「先生」という人物と、共犯者3人は1度も会った事がありませんし、会話をしたこともありません。なぜなら、「先生」は、吉田純子が作り出した架空の存在だからです。

会ったことも、会話をしたこともない相手を信じ込み、共犯者3人は従っていきます。一見すると、不可解だと思うかもしれませんが、この状況も人の心理を上手く使った行為だと言えるでしょう。人が行動を起こす際、「恐怖」の感情が最も効果的だと言われています。
Prayer Praying Man Illustration - Free image on Pixabay (625505)

つまり、人の恐怖心をコントロールできれば、人を効率的に動かせるということです。吉田純子が作り出した「先生」は、あらゆる権力を持つ壮大な存在として紹介されていました。会ったこともないことから、それぞれの想像の中で「先生」は肥大化し、より恐怖心を高めたと考えられます。

「先生」の力を恐れ、その「先生」とコンタクトが取れる吉田純子に恐怖を感じ、3人の共犯者たちは従い続けたと考えられるでしょう。

外部の情報を遮断しマインドコントロール

Tv Television Retro - Free photo on Pixabay (620643)

吉田純子は、共犯者たちを自分の住んでいたマンションに移り住ませ、外部の情報を遮断する方法をとりました。具体的に、メディアの遮断や、交友関係の遮断などです。外部の情報を与えないことによって、正常な判断能力を奪い、マインドコントロールしやすくしたと考えられます。

外部の情報には、思考を惑わせるものもありますが、同時に客観的な意見を見ることもできるのです。少しでも自分に不信感を抱かないように、そして自分の言葉だけを素直に聞き入れるように、外部の情報を遮断するという方法は、犯罪現場で度々使用される方法になります。

自身の目の届く場所で行動させ常に監視

Camera Monitoring Security - Free photo on Pixabay (620645)

共犯者が複数人いる場合、管理が非常に難しくなります。誰かが、首謀者への小さな不信感を口にすれば、それらがあっという間に大きくなり、取り返しのつかない事態に発展するからです。そのため、吉田純子は共犯者3人の動向を、常に観察し続ける必要がありました。

同じマンションに住ませたのは、これらの目的もあります。自分の目の届く場所で行動させ、不審な行動が見られればすぐに対処するというリスク回避を行っていました。

石井ヒト美に不信感を持ったのも、日々の観察があったからですし、その対処として殺人行為の主犯格に示したのも、非常に理にかなった行動だと言えます。吉田純子のこういった人の心理をよく理解した行動によって、共犯者3人は犯罪行為に従っていったのです。

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