2019年9月9日 更新

ヨーゼフメンゲレの生涯とその功績とは?数々の人体実験を行った理由は?

ナチスの非道さを語るうえで欠かせない人物、ヨーゼフメンゲレ。双子に固執し、過激な人体実験を行った人物として知られていますが功績や、息子との関係はあまり知られていません。この記事では、知られざる功績や息子とのやり取りについても、詳しくご紹介していきましょう。

目次

下顎構造の人種間の差に関する研究で人類学の博士号

Dentist Pain Dental Care - Free photo on Pixabay (613314)

ヨーゼフメンゲレは大学時代、人類学や遺伝学を研究していました。その中で、下顎構造の人種間の差に関する研究を行い、博士号を取得します。当時から右翼的な思想を持っていたヨーゼフメンゲレは、人種の違いによって体の構造が違うことを証明したのです。

現代では人種によって構造や骨格、それらに関する生活スタイルに違いがあることは周知されていますが、当時はそれほど広く周知されていませんでしたし、明確な研究結果も存在していなかったと言われています。

口唇口蓋裂の家系調査において医学博士号を取得

Dna String Biology - Free image on Pixabay (613318)

下顎構造の人種間の差に関する博士号の他に、口唇口蓋裂の家系調査でも博士号を取得しています。口唇口蓋裂とは、上唇が鼻まで裂けている状態で誕生する奇形です。現代では、形成外科で数回手術を繰り返すことによって、ある程度の外見修復と、機能回復が望めます。

これらの研究を行い、博士号を取得したのがヨーゼフメンゲレだったのです。ヨーゼフメンゲレは、ナチ党に入党する前は主に、人間の顎と遺伝の関係について研究していました。

双子の誕生に関する研究に成功していたという噂も

Twins Boys Babies - Free photo on Pixabay (613320)

ヨーゼフメンゲレは、アウシュヴィッツ強制収容所で主に、双子に注目した人体実験を繰り返していました。その研究内容は一般人には理解しがたいものが多く、無意味な殺人行為と考える人も少なくありません。

しかしヨーゼフメンゲレは、アウシュヴィッツ強制収容所での人体実験から、双子の誕生に関する研究を成功させていたとも言われています。ヨーゼフメンゲレが逃亡中に潜伏していたブラジルの村では、ナチスが求めていた「アーリア人」的特徴を持つ双子が、次々に産まれるという現象が発生していたのです。

この村では、ヨーゼフメンゲレと思われる人物が村民たちに、何かしらの薬を与えていたという記述も残されていました。ヨーゼフメンゲレの研究結果だと主張する学者もいれば、その村の持っている特徴に過ぎないと主張する学者もおり、賛否両論となっています。

ヨーゼフメンゲレが行った人体実験

Animal Mouse Experiment - Free photo on Pixabay (613322)

ヨーゼフメンゲレには、現代にも通ずる功績があり、息子と対面し思いを伝えるなど、人間らしい一面や「死の天使」と表現された以外の一面があることもわかります。しかし、彼がナチ党に入党し、アウシュヴィッツ強制収容所で行った人体実験は、あらゆる功績を踏まえても理解しがたいものでしょう。

ここからは、ヨーゼフメンゲレがどのような人体実験を繰り返してきたのか、そして何のためにそういった実験を行ったのか詳しく解説していきます。

血液を大量に抜く

Red Blood Cell Vessel Tube - Free photo on Pixabay (613323)

ヨーゼフメンゲレが行った人体実験の一つに、血液を大量に抜くというものがあります。血液は、短時間で全体の約20%が消失するとショック状態となり、さらに約30%以上失うと死亡します。ヨーゼフメンゲレは、こういった情報を正確に把握するため、多くの人々から血液を抜き取り経過を観察しました。

同年代の男性、女性から同量の血液を抜き取り比べたり、双子を使って経過の違いを観察したとも言われています。この実験は、当時戦争中だったため、兵士の治療優先度を決める際に、活用しようとしていたと考えられるでしょう。

熱湯に入れ麻酔なしで手術を行う

Surgery Tools Scalpel A Pair Of - Free photo on Pixabay (613325)

ヨーゼフメンゲレは、前項で紹介したように、戦争に活用する研究と、その後の繁栄を目指すための人体実験を行っていました。こういった理由から、麻酔なしで手術を行う研究も進めます。当時は戦争中であり、物資が行き届いていたわけではありません。けが人が多く、治療に使う麻酔も十分ではありませんでした。

そこで、麻酔なしで手術ができる方法を探したのです。被験者を熱湯に入れ、その後麻酔なしで手術を行うという人体実験を実行しました。熱湯に入れた理由は、皮膚の感覚を麻痺させる目的や、消毒の狙いがあったと考えられます。

様々な薬物テスト

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ヨーゼフメンゲレは、薬物テストも頻繁に行いました。この実験は、アウシュヴィッツ強制収容所以外でも行われます。まず、強制的に何かしらの病に感染させ、それに効果があると考えられた薬を投与し、経過を観察するのです。この時使用された病気は、主にマラリアでした。

この実験では、1,000人以上が強制的に被験者とされ、その半分以上が死亡したと言われています。薬物実験を行った理由は、戦地の感染症対策のためでした。そのため、戦地と近しい状況を作り出します。例えば、体力がない状態で病気に感染させたり、戦地でかかりやすい病気に感染させるなどです。

死に至るまで凍らせる

Adventure Ice Cave Cold - Free photo on Pixabay (613334)

戦地での低体温症の予防と蘇生方法を発見するため、死に至るまで凍らせるという人体実験も行われます。具体的な方法は、氷水の中に被験者を入れ、どの程度耐えられるか、また裸にし、氷点下の中どこまで生存できるかといった方法です。

この時、積極的に被験者として参加させられたのが、ロシア人捕虜でした。遺伝子と低温耐久性に関連があると考えられていたからです。この実験では、100人以上が命を落としたと言われています。また、低温実験で死亡した人々を蘇生する方法も研究されていましたが、成功例は一つも報告されていません。

生きたまま解剖する

Skull Cemetery Genoa - Free photo on Pixabay (613341)

ヨーゼフメンゲレは、生きたままの人間を解剖することもありました。生きたままの状態で解剖した理由は、臓器の具体的な動きを把握するためです。他にも、どの臓器をどの程度損傷すると死亡するのか、どの臓器を失うと死亡するのかなどを知るためだったと言われています。

この人体実験では、目新しい発見もなく、多くの人々が苦しんだだけでした。麻酔や輸血等の使用もなかったことから、臓器を損傷する前に、痛みや出血によるショック死で多くの人々が亡くなったと言われています。

薬品を使い瞳の色を変える実験

Eye Blue Iris - Free photo on Pixabay (613346)

ヨーゼフメンゲレは当初、戦争に活用できる人体実験を積極的に行っていました。しかし、ヨーゼフメンゲレ自身は遺伝や、それに伴う変化に興味があったのです。多くの人々を使用することが許される環境に居続けたヨーゼフメンゲレは、次第に自分の興味本位だけで人体実験を行うことも増えていきました。

その一つが、瞳の色を変える実験です。双子を呼び寄せ、それぞれの瞳に化学薬品を直接注入し、瞳の色を強制的に変化させる実験を行います。一時的に変化する場合もありましたが、多くは何かしらの異常をきたし、失明や感染症によって命を落としました。

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