2019年9月9日 更新

ヨーゼフメンゲレの生涯とその功績とは?数々の人体実験を行った理由は?

ナチスの非道さを語るうえで欠かせない人物、ヨーゼフメンゲレ。双子に固執し、過激な人体実験を行った人物として知られていますが功績や、息子との関係はあまり知られていません。この記事では、知られざる功績や息子とのやり取りについても、詳しくご紹介していきましょう。

目次

ヨーゼフメンゲレの目指していたもの

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ヨーゼフメンゲレは、人体実験によって多くの人々の命を奪い、恐怖に陥れていきました。しかし本人は、それらの行為が許されると考えていたのです。その理由は、望む世界、目指すものがあったからでしょう。

戦争や殺人行為等でも、自らの思想や理想が正当であると考え、実行に移す人々が多数存在しています。ヨーゼフメンゲレもまた、その一人だと言えるのです。ここからは、ヨーゼフメンゲレが目指したもの、望んだ世界について解説していきましょう。

優れた民族の世界支配

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ヨーゼフメンゲレは、自分が優れた民族だと考えていたのでしょう。ヨーゼフメンゲレの実家は裕福で、頭もよく外見も優れていました。自分のように優れた人々が、世界を支配するにふさわしいと考えたのです。こういった思想は、ヨーゼフメンゲレだけが持っていたものではありません。

一般的な人々や宗教的教えの中にも、優れた人間が世界を統一し、収めることによって安全でより良い世界が作れると信じている人は少なからず存在します。

人種の淘汰

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ヨーゼフメンゲレは息子に、「全ての種に寛容な世の中が間違っている」という発言を残しています。息子に伝えた言葉であることから、これが本心であったと考えられるでしょう。ヨーゼフメンゲレは、人種の淘汰が必要であると考えていました。

遺伝子や、それらと人体構造の関係性を研究していたヨーゼフメンゲレは、主観から人間に優劣を付けます。そして、優れた人種というものを設定し、それ以外を排除した世界が最も優れた世界だと考え、目指したのです。

知的探求心を満たしたい

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ヨーゼフメンゲレは、ナチ党に入党する前から、知的好奇心、探求心が豊富だったと考えられます。その理由は、複数の大学に所属し、人体や遺伝子その他の研究を行い続けていたからです。また、国際指名手配から逃れるために潜伏していた村でも、何かしらの実験、研究を行っていたという説もあります。

人体実験を繰り返した理由は、ヨーゼフメンゲレが持つ、行き過ぎた探求心も要因といえるでしょう。彼は、自身の知的探求心を満たし続けられる世界を目指していたと言えます。

全能感・高揚感に浸り続けたい

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ヨーゼフメンゲレは、アウシュヴィッツ強制収容所で絶対的な権力、実行力を持っていました。好きな時、好きな相手を使って、知的探求心を満たすことができたのです。こういった生活から、全能感や高揚感に浸り続けられる世界を目指していたと考えられます。

もし、知的探求心だけを満たしたいのであれば、人体実験の対象者に接触し、好感を与える必要もありません。ヨーゼフメンゲレは、好感を示すことも、好感を示した相手を絶望につき落とすのも自由であった、その全能感に浸り続けたかったのです。

ヨーゼフメンゲレはサイコパスだったのか

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ヨーゼフメンゲレが行った人体実験、被験者にたいする対応はあまりに残忍で、なぜそのような非道な行為に及ぶことができたのか、議論されることも少なくありません。幼少期や環境要因だと訴える学者も存在しますが、サイコパスという要素を持っていたがために、これらの非道な行為に及んだという学者も存在するのです。

ここからは、ヨーゼフメンゲレの言動に注目し、サイコパスの要素について検証していきましょう。

行った数々の非人道的な行動は良心が欠落している

Bloodbath Bath Crime - Free photo on Pixabay (613380)

サイコパスの代表的な特徴として、良心の異常な欠落というものがあります。サイコパスは、良心によって言動を判断するのではなく、自分の欲求に添って、物事や自らの言動を判断するという特徴を持っているのです。

一般的な人間であれば、自分の都合だけで行動せず、それが人道的に間違っているのか考える思考力を持っています。ヨーゼフメンゲレが行った人体実験は、非人道的で、良心が欠落していると捉えられても仕方がない程、残忍なものでした。

こういった理由から、ヨーゼフメンゲレはサイコパスではないかと、考えられたのです。

実験対象に共感できなかった

Hand Greeting Agreement - Free photo on Pixabay (613383)

サイコパスには、他者への共感能力が著しく低いという特徴があります。ヨーゼフメンゲレは、実験対象とされた人々に、共感し苦痛を感じることができませんでした。同じ人間でありながら、痛みを想像したり、苦痛を想像することができなかったため、残忍な人体実験を行うことができたのです。

さらに、実験対象を自分と同じ人間だと認識することもできませんでした。こういった理由から、ヨーゼフメンゲレは、サイコパスの可能性が高いと言えます。

自ら行った実験理由をナチスのせいにした

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ヨーゼフメンゲレはナチ党に入党していたことから、人体実験もある程度ナチ党の指示があったとも考えられます。しかし、それらに反論することも、別の方法を提案することも可能な立場を持っていました。ヨーゼフメンゲレは、人体実験について、全てがナチ党の指示だったと発言します。

サイコパスは、慢性的に平然と嘘をつくという特徴と、自身の行動にたいする責任感がないという特徴を持っているのです。人体実験を行い続けた責任を感じることなく、全てをナチ党の支持だと嘘のような主張をしたヨーゼフメンゲレは、サイコパスの特徴に当てはまっていると言えるでしょう。

実験前に子どもたちを可愛がり自尊心を満たしていた

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ヨーゼフメンゲレは、実験前の子供たちに優しく接しました。時には菓子を与えたり、一緒に遊ぶ等の行為も行っています。こういった行動から、子供たちはヨーゼフメンゲレを慕い、求めることもありました。ヨーゼフメンゲレは、子供たちに慕われることによって、自尊心を満たしていたと考えられます。

サイコパスには、自尊心が過大で自己中心的、自己愛が強いという特徴があるのです。被害者となる人々を使い、自尊心を満たし続けたヨーゼフメンゲレは、限りなくサイコパスに近いと言えるでしょう。

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