2019年8月27日 更新

ロスセタスとは?メキシコ最大の犯罪組織の全貌と現在の様子とは

かつて、逆らった弁護士など市民を次々殺害したロス・セタス。ボスが処刑され、現在は、壊滅状態と言われています。しかし、メキシコの危険度は引き上げられ、今もなお日本人の渡航に警告が出ているのです。つまり、ロス・セタスや麻薬戦争は終わっていないという事です。

目次

ロス・セタスの生みの親であるガルフとの関係は、それほど強固なものではありませんでした。麻薬カルテルやマフィアの世界には、裏切りや分裂がつきものです。これまで同盟関係であったガルフと、ロス・セタスの関係は2010年に解消されます。

その理由は、ロス・ベルトゥラン・レイバとの取引です。どういった理由から、ロス・ベルトゥラン・レイバと協定したのか定かではありません。ガルフと敵対していたロス・ベルトゥラン・レイバと協定を結んだことから、ロス・セタスとガルフも敵対するライバル組織となりました。

ロス・セタスの特徴

Gangster Tough Per - Free photo on Pixabay (586502)

ロス・セタスという麻薬カルテルは、創設者組織を切り捨て、独自の路線を突き進むことになります。武力や戦闘能力、戦闘員の質等、日々向上させ、その行為は日々過激になり、今では世界屈指の残虐集団、犯罪組織となりました。

ここからは、ロス・セタスの行動で見られる特徴や組織としての特徴を紹介します。他麻薬カルテルとの類似点や相違点についても、具体的にご紹介していきましょう。

元軍人集団

World War Ii Automatically Truck - Free photo on Pixabay (586505)

ロス・セタスは、元軍人アルトゥーロ・グスマン・デセナが同僚や部下を誘って作られた元軍人集団組織です。グスマン亡き後も、これらは継承されていると言われています。

ロス・セタスに所属している人々は、ほとんどが戦闘経験者であり、一般市民が簡単に入れる麻薬カルテルではありません。こういった部分が、他麻薬カルテルとの違いといえます。他麻薬カルテルにも、元軍人や警察官出身者は存在していますが、経験や能力をこれほど重視している組織も珍しいでしょう。

特殊部隊式の基地で軍事訓練などを行っている

Dangerous Police Helicopter - Free photo on Pixabay (586508)

ロス・セタスには、全く軍事経験がなかった少年や、路上で声をかけたギャングなども在籍しています。こういった戦闘訓練が乏しい人々にたいして、ロス・セタスは独自の訓練を用意しているのです。ロス・セタス独自に特殊部隊式基地を設立し、戦闘経験が乏しい人々を教育します。

ロス・セタスがいかに戦闘経験や能力を重視しているかが理解できるでしょう。ロス・セタスの独自の特殊訓練によって、腕利きの殺し屋や戦闘員を擁するようになり、ロス・セタスの麻薬カルテルとしてのポジションを確立させていきました。

メキシコの麻薬カルテルで最も凶悪

Cartridges Weapon War Hand - Free photo on Pixabay (586509)

メキシコには数多くの麻薬カルテルが存在しています。その中でも、最も凶悪と言われているのがロス・セタスなのです。前項でも紹介したように、ロス・セタスの戦闘力は麻薬カルテルの中でも群を抜いています。さらに、武器や攻撃用ヘリなど、武装用品も豊富で、麻薬カルテル内でも恐れられる存在なのです。

また、ロス・セタスが最も凶悪と言われるもう一つの理由は、残虐な犯罪行為からでしょう。一般人であっても、非力な女性や子どもであっても、容赦なく手にかけるのがロス・セタスなのです。

過去には批判的な弁護士や元市長を殺害した

Knife Stabbing Stab - Free photo on Pixabay (586514)

メキシコに暮らす全ての人々が、ロス・セタスや麻薬カルテルに怯えているわけではありません。巨大な犯罪組織に、反論し続けた女性たちもいました。元ティキチェオ市長マリア・サントス・ゴロスティエタもその一人です。

しかし、マリアは三度もマフィアの襲撃を受け、2009年に夫を亡くし、2012年11月に自らも帰らぬ人となりました。ロス・セタスを批判した女性弁護士は、誘拐され数日後、四肢を切断され無残な姿で道端に置かれていたのです。

オンライン掲示板で犯罪を暴露したネットユーザーの殺害

Office Home Creative - Free photo on Pixabay (586515)

ロス・セタスは、実際に対面した相手のみに攻撃するわけではありません。メキシコのマスメディアなどは、カルテルの報復を恐れて報道をためらいますが、SNSの普及により一般人がTwitterやFacebookなどを使い、麻薬カルテルの犯罪行為を発信するようになりました。

すると、それらへの報復も行われるようになったのです。インターネットを使い、カルテルの動向を発信していた女性の遺体が発見されます。他にも、SNSに犯罪行為を書き込んだ男女が殺害され、橋から吊り下げられている事件も発生しているのです。どちらも、ロス・セタスの犯行であり、報復行為だとみられています。

死体に「Z」の文字を刻む

Alphabet Letters Word - Free image on Pixabay (586519)

ロス・セタスは、自分たちの犯罪行為をひけらかすように、犯行現場に「Z」という文字を残していく特徴があります。ロス・セタスを批判した女性弁護士は、四肢を切断され全裸のまま、路上に放置されていました。その背中には、「Z」と書かれた紙が、ナイフで突き刺さっていたのです。

他にも、遺体に直接「Z」と刻む場合や、被害者のものだと思われる血液で、「Z」と残しておく場合もあります。この「Z」には、自分たちの犯行という証拠の他に、他組織へのけん制の意味もあると言われているのです。

対空ミサイルや戦闘ヘリを所有している

Fighter Jet Aircraft F 16 - Free photo on Pixabay (586520)

ロス・セタスは、戦闘員の高度な戦闘技術はもちろん、武装用品の多さ、強力さでも知られています。防弾チョッキや機関銃はもちろん、対空ミサイルやヘリコプターなども有しているのです。

麻薬やその他の犯罪行為で得た金銭を使い、武器を調達したり、自分たちで作成も行っていると言われています。また、武装用品に限らず、通信機器も充実していると言われているのです。ロス・セタスが使用している無線通信ネットワークを破壊しようと、度々メキシコ軍は作戦を実行しますが、現在もなお破壊にいたっていません。

石油資源や鉱山資源の略奪・密売も行う

Oil Rig Industry - Free photo on Pixabay (586521)

ロス・セタスは、麻薬の売買だけにとどまりません。石油資源を奪ったり、鉱山資源を略奪、密売も行うようになりました。その他にも、人身売買や資金洗浄など、あらゆる犯罪行為に手を出し、多くの富を得ています。

石油や鉱山の所有者がいたとしても、殺害して奪うため、抵抗することができず麻薬カルテルに協力する人々も存在するのです。警察も逃げ出す事態であり、誰もロス・セタスや麻薬カルテルを抑えられなくなっていきます。

政治家を買収している

Handshake Shaking Hands Europe - Free photo on Pixabay (586522)

3 / 8

関連する記事 こんな記事も人気です♪