2019年10月12日 更新

新潟親子遭難事故の概要と真相は?事故の謎についても

2018年に新潟で、親子2人が山で遭難し、3週間後に遺体で見つかった遭難事故は記憶に新しいでしょう。誰もが助かることを望んでいましたが、帰らぬ人となってしまいました。今回は、その新潟親子遭難事故についての真相や未だに残る謎について紹介します。

目次

親子の遺体が発見されたのは、5月29日のことです。これまで捜索されていた場所とは違う、「コクラ沢」で発見されました。登山道からは大きく外れているため、この辺りで迷子になったのではなく、水を求めて沢に下りてしまったのではないかと考えられます。

沢を辿れば山を下りられると勘違いする人は多いですが、じつは沢は複雑な場合が多く、更に迷ってしまう可能性が高いです。また、水で石が濡れているので転んでけがをする可能性がある、おすすめできない方法です。

発見当時の様子

Helicopter Fly Flight National - Free photo on Pixabay (704717)

発見されたのは、県警の捜索へりが上から沢を見た時に人間のような姿を発見したからのようです。遺体発見時の詳しい服装や様子は公表されていません。遺体には目立った傷がなかったことから、道に迷ったことに焦り水の確保を最優先した結果、沢に下りたようです。

また、どこでビバークして、いつ沢に下りてしまったのか、どの地点で道に迷ってしまったのかなど、遺体となって発見された今となっては分からないことだらけです。2人は重なるように倒れていました。

親子の死因は「低体温症」だった

Snow Tree Pine - Free photo on Pixabay (704719)

遭難から3週間がたち、残念ながら親子を生きた状態で発見することはできませんでした。水さえあれば状況によっては生き延びられるため、雪が残っている山では水が手に入りやすく、防寒対策さえしっかりできていれば、その水で3週間生き延びるのは不可能ではありません。

では、なぜ渋谷さん親子は「低体温症」で亡くなってしまったのでしょうか。

低体温症の原因

Pug Dog Pet - Free photo on Pixabay (704722)

低体温症が原因で亡くなり、遺体に目立つ傷がなかったことから2人は転倒や滑落で動けなくなって体温を奪われていったわけではありません。体が元気な状態で低体温症に陥るのは、やはり気温が低い中での軽装が原因です。

雪解けする時期なので服が濡れやすく、それが乾かないまま放置されるとどんどん体温が奪われてしまいます。自分でも気づかないうちに体温が下がってしまい、体の機能が低下して徐々に動けなくなってしまうのです。

おそらく、渋谷さん親子は防寒装備が不十分であったことに加え、雨具を用意していなかったために低体温症になったと言われています。

遭難事故に繋がった原因

Laptop Business Aerial - Free photo on Pixabay (704724)

遭難とは命にかかわるような災難や危険に遭うことを指します。道に迷った場合はすぐに救助を要請することで助けてもらえる可能性が高く、大事には至らないことの方が多いです。

渋谷さん親子も最初はただの迷子であり、自身の判断でビバークをしたほどです。では、どのような行動が彼ら親子を遭難へと繋げてしまったのでしょうか。

出発時間

Nature Horizontal No Person - Free photo on Pixabay (704727)

やはり、午後に出発したことで日没までの時間が短かったことが原因の1つとなりました。午前中に出発していれば、道に迷っても日没まで時間があるので落ち着いて行動できます。また、明るい内は見晴らしが良い所に出れば道に迷っても正しいルートに戻れる可能性が高いです。

渋谷さん親子の場合は、午後に出発して道に迷ったことで焦り、本来は上を目指すべきなのに下に下りようと試みたことにあると言われています。また、早い時間の方がほかの登山者に発見される可能性も高くなります。

軽装での登山

Waiting Appointment Schedule - Free photo on Pixabay (704729)

渋谷さん親子の死因は低体温症でした。これは明らかに軽装での登山が原因です。低体温症は、通常37度前後に保たれている体温が、自律的な体温維持の限界を超えて身体機能を正常に維持できなくなる症状です。

たとえ雪山であっても、防寒対策をしっかりとすることで人間は生きていけますが、渋谷さん親子は軽装で、朝晩は凍える寒さの山に登ったことからこの低体温症になったと思われます。

低体温で体の機能が低下し、更に低体温を招くという悪循環を起こしたようです。早く救助されていれば適切な治療で回復する可能性は十分ありました。

山の恐ろしさを知らなかった

Snow Mont Blanc Mountains - Free photo on Pixabay (704730)

渋谷さんはビバークなどの登山用語などは知っていたものの、山を熟知しているレベルではなく、山登りに関しては初心者だったようです。

そのため、例え標高1,000メートル以下でも、往復5時間で下山できるとしても、遭難する危険性があることや、事前に下準備をしっかりすることの大切さを分かっておらず、安易に松平山に登ってしまったのでしょう。登山道が整備されているのであれば遭難の危険性が全くないわけではなく、どのような山でも危険性は伴うものです。

遭難事故に巻き込まれないための対処法

Delegate Man Businessman - Free photo on Pixabay (704732)

それでは、遭難事故に巻き込まれないためにはどのように対処すればいいのでしょうか。山登りは準備が8割という言葉もあるくらい、準備の段階で命が助かるか助からないかが決まると言っても過言ではありません。

どの方法も初心者でもできる簡単なことです。また、その簡単なことがあなたの命を救ってくれる可能性があるのです。荷物は少ない方が歩きやすくていいと思っているかもしれませんが、いざという時に困らない道具を持ち歩いている方が山登りの上では安全です。

それでは、遭難を防ぐ対処法について紹介します。

登山計画をきちんと提出する

Write Plan Desk - Free photo on Pixabay (704733)

登山において、遭難しないように準備することは必要です。しかしそれ以上に重要なのは、遭難したとしてもいかに早く救助される工夫をするかです。登山計画では自分が通る道を予め提出するため、警察もそれを元に検討をつけて捜索しやすくなります。

また、捜索範囲を広げる場合も滑落の危険などを視野に入れて捜索するので、格段に見つけられる可能性は上がります。登山計画を面倒くさがり、行き当たりばったりで山を登る人ほど不用心で遭難のリスクが高まるのです。

服装・道具の準備をしっかり行う

People Couple Travel - Free photo on Pixabay (704734)

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