2019年9月13日 更新

ヤマノミ族とは?かわいい少女達が出産したこどもを殺す理由とは

「ヤノマミ族の少女はかわいい」と日本でも話題になりました。ヤノマミ族の少女のセックスと出産など性の習慣を中心に、女性だけで行われる出産の儀式や精霊返し、ヤノマミ族の生活習慣と自然環境を脅かす問題や殺人事件について、幅広くご紹介します。

目次

スーツケース 女の子 残す - Pixabayの無料写真 (625976)

ヤノマミ族の集落に残るということは、ケネスや我子と離れて暮らすということです。それは別れを意味しました。ヤリマにとっても大きな決断だったでしょう。

ただ、アメリカで3人の子どもに恵まれたヤリマですが、精霊返しの決断を迫られなかったのは母として幸せだったに違いありません。

周囲には母は亡くなったことにしていた

墓 空 クロス - Pixabayの無料写真 (625918)

ケネスとヤリマの子どもの内、長女と次男には母に棄てられたという気持ちはありませんでした。しかし、長男のデビッドだけは母に棄てられたと思い、母を恨みながら生きてきたのです。

人に母のことを聞かれても、「交通事故で死んだ」と答えていました。しかし、デビッドは21歳の時に、自分を棄てた母のことを知ろうと思い始めたのです。
母 娘 愛 - Pixabayの無料写真 (625987)

そして、「Into the Heart: One Man's Pursuit of Love and Knowledge Among the Yanomama(心の中へ:ある男のヤノマミ族の生活での愛と智慧の追求)」という一冊の本を読みました。

この本は1991年にケネスが書いた本で、デビッドの母ヤリマの物語なのです。母の物語は、母に棄てられたと思っていたデビッドの凍りついた心を溶かしました。

アメリカで母の心を締め付けていた疎外感と悲しみ、混乱と苦しみを理解したのです。デビッドはこの時の気持を「世界が逆転したような衝撃を受けた」と表現しています。

成人になった男性は母との再会を果たした

熱帯雨林 ヤシの木 苔 - Pixabayの無料写真 (626008)

母の気持ちを理解したデビットは、母に会いたいと強く思うようになりました。それは自然な感情です。デビッドは母に会うため、アマゾンの密林へ行く決意を固めました。

しかし、アマゾンの密林の奥地にあるヤノマミ族の集落へ行くことは、簡単なことではありません。資金を集めて、現地の案内人を探さなくてはいけないのです。

出発の準備を終えたのは決意を固めてから4年後の2011年、デビッド25歳の時でした。準備も大変ですが、旅路もまた大変です。困難な道程を乗り越えて、デビッドはやっとの思いでヤノマミ族の集落にたどり着いたのです。
女性 幸福 日の出 - Pixabayの無料写真 (626018)

そこはデビッドが暮らすアメリカとは別世界です。デビッドが集落に辿り着いた時、母は集落にはいませんでした。数時間後、頭からカゴを下げた女性が、息を切らしながら収穫から戻ってきました。

デビッドは見た瞬間に、その女性が母であると分かったのです。ヤノマミ族に、ハグをするという習慣はありません。デビッドはその女性に近づくと、肩にそっと手を乗せました。

女性はデビットを見ると、震えながら涙を流したのです。女性は正しくデビッドの母、ヤリマでした。20年という歳月さえ、親子の絆を断ち切らなかったのです。
 (626017)

ヤリマとデビッドが再会を果たしてから数カ月間、共にヤノマミ族の集落で狩猟や採集をして過ごしました。昆虫もトカゲの肉も、全て集落の人達と分かち合いながら生活をしたのです。

しかし、デビッドもアメリカに戻らなくてはいけません。ずっと一緒に暮らせると思っていたヤリマは悲しみに暮れました。20年ぶりに我が子に会えたのに、また別れなくてはいけないからです。

母として、当然の感情でしょう。母と再会したことで、デビッドの心にも新たな気持が芽生えました。デビッドはアメリカン・ヤノマミとしての誇りを持ったのです。

男性のこれから

サンセット ビジョン フォワード - Pixabayの無料写真 (611913)

デビッドはそれから4回、ヤリマの集落を訪れています。母を愛し、自分のルーツにも誇りを持ったのです。デビッドは現在「The Good Project」という非営利団体を運営しています。

かつては母とヤノマミの文化を野蛮だと拒否していました。しかし、母と再会をして共に生活をし、デビッドはヤノマミ族とその文化を後世に残したいと強く思ったのです。

デビッドはアメリカとヤノマミ族の文化をつなぐ架け橋になりました。デビッドは活動を通して、ヤノマミ族とその文化の存続に人生の目標を置いたのです。

ヤノマミ族は死者のことを忘れなければいけない

Lady Young Happy - Free photo on Pixabay (630124)

「地上の死は死ではない」という死生観を持つヤノマミ族は、死んだ人間のことを忘れなくてはいけません。これは、厳しい掟としてではなく風習のようなものです。

それでもやはり、死んだ人間を思っていつまでも嘆き悲しんではいけません。死んだ人間は天に登って精霊になるのですから。

精霊返しを行った女性は我が子を忘れることができない

女性 太陽 休日 - Pixabayの無料写真 (627638)

精霊返しという嬰児殺しをするからといっても、ヤノマミ族は心無い野蛮人ではありません。「死んだ人間は天で精霊になり、死んだ精霊は虫になって地上に蘇り、やがて虫は死んで消えていく」というのがヤノマミ族の死生観です。

生と死、天と地、人間と精霊が、ヤノマミ族の死生観と世界観で結びついています。だから「地上の死は死ではない。死んだ人のことは忘れなくてはいけない」という教えがあるのです。
ゴシック ファンタジー 暗い - Pixabayの無料写真 (621828)

しかし、我が子を殺めた少女に忘れることなどできるはずもありません。少女は自分のお腹の中で新しい生命を育み、その生命の動きを感じます。

妊娠をすると体も少女から母へと変化をするのです。出産をした少女の乳房からは母乳も出るでしょう。お腹に生命が宿った瞬間から、少女には尊くて偉大な母性が芽生えます。

少女は母です。子どもを殺めた少女は、夜ひとりで泣くのです。

ヤノマミ族の社会

環境保護 自然保護 生態学 - Pixabayの無料写真 (627682)

自然に依存して生活を営むヤノマミ族は強くもあり、同時に脆く弱い存在でもあります。環境の変化は部族の存続に関わる重大な問題なのです。

部族の存続のためにヤノマミ族自身がやらなくてはならないことと、外部の人間がやらなくてはならないことがあります。

現在も民族内部で戦争状態

死んだ木 乾燥 無人島 - Pixabayの無料写真 (611925)

5 / 7

関連する記事 こんな記事も人気です♪