目次
- 世界には多くの民族が暮らしている
- ヤノマミ族とは
- 1万年の文化を守っている
- 人口は約2万8000人で4つの下位集団に分けられている
- 数年ごとに森を移動しながら暮らしている
- 低血圧民族である
- ヤノマミ族の生活習慣・性生活
- 衣類は着ていない
- 主な食生活
- ヤノマミ族の仕事
- 女性は平均14歳で出産する
- 性には開放的
- 出産をする場所は森の中
- 避妊・中絶という概念も医療的な技術もない
- 少女たちがかわいい子供を殺す理由「精霊返し」とは
- 「精霊返し」とは嬰児殺しである
- 生まれたばかりの子供は「人間」ではない
- 母親がわが子に下す「判断」
- 精霊に返す場合にはバナナの葉に包まれる
- シロアリ巣に納められる
- 火をつけて燃やす
- ヤノマミ族80人殺人事件が起こっていた
- 家屋が燃やされていた
- 遺体・人骨が散らばっていた
- 簡単に調査をすることはできなかった
- 突然母がヤノマミ族になった男性
- 3人の子供を産み普通の母として生活していた
- 旅行の際、母はヤノマミ族の集落に残る
- 周囲には母は亡くなったことにしていた
- 成人になった男性は母との再会を果たした
- 男性のこれから
- ヤノマミ族は死者のことを忘れなければいけない
- 精霊返しを行った女性は我が子を忘れることができない
- ヤノマミ族の社会
- 現在も民族内部で戦争状態
- 男性優位の社会
- ブラジル・ベネズエラの国立公園サービスによって保護されている
- 病気に対する抵抗力が弱い
- ヤノマミ族が「精霊流し」を行う理由
- 食料不足
- ヤノマミ族が行う「精霊流し」を知った日本人の反応
- ヤノマミ族の精霊返しと我々の中絶と何が違うのか
- ヤノマミ族の文化と我々の文化のどちらがいいのかを考えさせられる
- 価値観や倫理観や当たり前と思っていたことが音を立てて崩れた
- ヤノマミ族は現在も文化を守りながら生活している
出産をする場所は森の中
via pixabay.com
ヤノマミ族の女性は森の中で出産をします。男性の力が強い父系社会ですが、出産に男性が関わることはありません。出産は女性だけで行われるのです。無事に出産が終わると、母親は産んだばかりの我が子の運命を決めます。
それは、我が子を精霊として自然に返すか、それとも人間の子どもとして育てるかということです。そして、母親の決断に従って儀式が行われるのです。
父系社会のヤノマミ族は男性が儀式を行いますが、唯一出産の儀式だけは別です。森の中で母と子、そして女性だけで出産の儀式が厳かに、粛々と進められていきます。
それは、我が子を精霊として自然に返すか、それとも人間の子どもとして育てるかということです。そして、母親の決断に従って儀式が行われるのです。
父系社会のヤノマミ族は男性が儀式を行いますが、唯一出産の儀式だけは別です。森の中で母と子、そして女性だけで出産の儀式が厳かに、粛々と進められていきます。
避妊・中絶という概念も医療的な技術もない
via pixabay.com
ヤノマミ族には避妊の知識も中絶の技術もありません。避妊や中絶という概念そのものが無いのです。セックスと妊娠、そして出産は自然の摂理であり、自然の営みです。
体内に宿った命は人間ではなく、精霊であると考えています。だから狩りの獲物から胎児が出てきても、決して食料として見ないのです。ヤノマミ族は、狩りの獲物から出てきた胎児を精霊として自然に返します。
精霊信仰のヤノマミ族にとって、妊娠した女性を堕胎させるなどという考えはありません。それは、ヤノマミ族にとって、自然に逆らうことだからです。
体内に宿った命は人間ではなく、精霊であると考えています。だから狩りの獲物から胎児が出てきても、決して食料として見ないのです。ヤノマミ族は、狩りの獲物から出てきた胎児を精霊として自然に返します。
精霊信仰のヤノマミ族にとって、妊娠した女性を堕胎させるなどという考えはありません。それは、ヤノマミ族にとって、自然に逆らうことだからです。
少女たちがかわいい子供を殺す理由「精霊返し」とは
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母親にとって子どもは、かけがえのない愛しい存在です。なぜ、産んだばかりの我子を精霊として自然に返すのか、ヤノマミ族の死生観と併せて精霊返しの儀式をご紹介します。
「精霊返し」とは嬰児殺しである
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ヤノマミ族の習慣で最も驚かされるのが、精霊返しと言われる嬰児殺しです。生まれたばかりの子どもを殺す、という衝撃的な習慣がヤノマミ族を世界的に有名にしました。
ヤノマミ族が精霊返しの儀式を行うのは、死生観と深い関係があります。また、結果的にヤノマミ族を救うことにもなっているのです。
ヤノマミ族の死生観や精霊返しと呼ばれる儀式の流れ、そして同じ部族の嬰児を殺すことで救われることとは何なのか、ということについてご紹介していきます。
ヤノマミ族が精霊返しの儀式を行うのは、死生観と深い関係があります。また、結果的にヤノマミ族を救うことにもなっているのです。
ヤノマミ族の死生観や精霊返しと呼ばれる儀式の流れ、そして同じ部族の嬰児を殺すことで救われることとは何なのか、ということについてご紹介していきます。
生まれたばかりの子供は「人間」ではない
via pixabay.com
精霊を信仰するヤノマミ族の世界観では、へその緒で繋がったままの嬰児は人間ではなく精霊です。妊娠という生命の神秘もセックスに依るものではなく、精霊が女性の体内に宿るからだと信じています。
厳しい自然環境の中で精霊の加護を受けて生活を営んでいるヤノマミ族は、出産が終わると嬰児を精霊として自然に帰すのか、人間の子どもとして育てるのかを決めます。
その決断は、出産を終えたばかりの母親に委ねられるのです。母親が自然に帰すと決める理由は、信仰心だけではなく現実的な理由もあります。
厳しい自然環境の中で精霊の加護を受けて生活を営んでいるヤノマミ族は、出産が終わると嬰児を精霊として自然に帰すのか、人間の子どもとして育てるのかを決めます。
その決断は、出産を終えたばかりの母親に委ねられるのです。母親が自然に帰すと決める理由は、信仰心だけではなく現実的な理由もあります。
母親がわが子に下す「判断」
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出産が済むと、嬰児を精霊として自然に帰すのか、連れ帰って人間として育てるのかを決めます。決断を下すのは平均14歳の、母と呼ぶにはまだ幼い少女です。
精霊として自然に返すと決めた場合、母となった少女はその場で嬰児の首を捻って殺します。しかし、精霊返しは信仰心だけで行われるとは限りません。少女に現実的な問題が課せられているケースもあるのです。
生まれてきた子どもが障害を持っていた場合や、結婚前に妊娠をした場合などが挙げられます。障害を持っている場合、厳しい自然環境の中で生きていくには困難を極めるでしょう。
精霊として自然に返すと決めた場合、母となった少女はその場で嬰児の首を捻って殺します。しかし、精霊返しは信仰心だけで行われるとは限りません。少女に現実的な問題が課せられているケースもあるのです。
生まれてきた子どもが障害を持っていた場合や、結婚前に妊娠をした場合などが挙げられます。障害を持っている場合、厳しい自然環境の中で生きていくには困難を極めるでしょう。
via pixabay.com
また、自然環境に依存した生活では、共同体の人口が増えることで食糧難の危機も起こりえます。食糧難は共同体で派閥と対立を生みます。事実、ヤノマミ族は近隣部族との戦も少なくありません。
厳しいことですが、精霊返しは食糧難の危機を抑える口減らしにもなっているのです。ヤノマミ族は、近代文明や社会の基準に照らすことのできない、厳しい環境で生活をしています。
精霊返しも、自然の一部として生きるヤノマミ族にとって生きる術なのです。平均14歳の少女に委ねられた決断は、過酷なものとしか言いようがありません。
厳しいことですが、精霊返しは食糧難の危機を抑える口減らしにもなっているのです。ヤノマミ族は、近代文明や社会の基準に照らすことのできない、厳しい環境で生活をしています。
精霊返しも、自然の一部として生きるヤノマミ族にとって生きる術なのです。平均14歳の少女に委ねられた決断は、過酷なものとしか言いようがありません。
精霊に返す場合にはバナナの葉に包まれる
via pixabay.com
出産が済んだばかりの母親は、子どもを抱き上げません。へその緒が繋がっている状態は精霊だからです。ヤノマミ（人間）の子どもとして育てる場合は、硬い葉でへその緒を切って胎盤をバナナの葉で包みます。
バナナの葉で包んだ胎盤を木に吊るして蟻に食べさせるのです。これが、女性だけで行われる出産の儀式です。出産の儀式が終わると、初めて母は我が子を抱き上げます。
精霊として返す場合、嬰児は大きなバナナの葉で包まれ、精霊返しの儀式が始まります。
バナナの葉で包んだ胎盤を木に吊るして蟻に食べさせるのです。これが、女性だけで行われる出産の儀式です。出産の儀式が終わると、初めて母は我が子を抱き上げます。
精霊として返す場合、嬰児は大きなバナナの葉で包まれ、精霊返しの儀式が始まります。
シロアリ巣に納められる
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嬰児を殺めて大きなバナナの葉で包んだあと、嬰児の死体はシロアリの巣に埋められます。ヤノマミ族は死者の一部を残すことはしません。全て自然に返し、魂だけが天に上ります。
天に登った精霊にも死があり、死を迎えた精霊は虫となって地上に生まれ、そして死んで自然に返るのです。この死生観は嬰児殺しの精霊返しに限らず、病死や事故死や老衰など全ての死に同じです。
食欲旺盛なシロアリが嬰児の死体を食べつくした頃合いに、精霊返しの最後の仕上げにかかります。
天に登った精霊にも死があり、死を迎えた精霊は虫となって地上に生まれ、そして死んで自然に返るのです。この死生観は嬰児殺しの精霊返しに限らず、病死や事故死や老衰など全ての死に同じです。
食欲旺盛なシロアリが嬰児の死体を食べつくした頃合いに、精霊返しの最後の仕上げにかかります。
火をつけて燃やす
via pixabay.com
バナナの葉で包んだ嬰児の死体をシロアリの巣に埋めてから2～3週間ほどすると、最後の仕上げとしてシロアリの巣に火を付けます。全てを燃やし尽くし後、天に報告をして精霊返しの儀式が終わるのです。
村に残っている男は精霊に返した理由を聞きません。男性が優位であるヤノマミ族の文化の中でも、出産の儀式と精霊返しの儀式は女性に委ねられているのです。
男性は結果を受け入れるだけで、関わることはありません。ヤノマミ族は生と死と天と地、そしてヤノマミ（人間）と精霊の深い繋がりの中で生きています。
村に残っている男は精霊に返した理由を聞きません。男性が優位であるヤノマミ族の文化の中でも、出産の儀式と精霊返しの儀式は女性に委ねられているのです。
男性は結果を受け入れるだけで、関わることはありません。ヤノマミ族は生と死と天と地、そしてヤノマミ（人間）と精霊の深い繋がりの中で生きています。
ヤノマミ族80人殺人事件が起こっていた
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