2019年6月2日 更新

セルフハンディキャッピングの種類と例!デメリットと上手な克服方法も

セルフハンディキャッピングという言葉を耳にする機会が増えています。実は、このセルフハンディキャップとは、誰しもが持ち合わせているもので、程度の差はありますが人生の質を左右する重要なものです。今回はその意味と対策について知りたい方に向けて、詳しく解説します。

目次

セルフハンディキャッピングについて

Board Excuse Me - Free image on Pixabay (326543)

セルフハンディキャッピング( Self-handicapping)とは、「自分の失敗を、環境などの外の条件に求め、成功した場合は、内的条件(自分)に原因があるように言動を選択すること」を意味します。エドワード・E・ジョーンズらにより提唱されたものであり、自分自身(セルフ)にハンディキャップを付ける、という意味です。

自らにハンディキャップを課すことで、万が一、失敗した時でも、言い訳をして他のせいにできるようにすることで、自尊心を守ります。一方、自分が成功した時は、ハンディキャップがあるにも関わらず、自分は成功したんだ、と自己の評価を高められる行為でもあります。

このような行動や思考には、自己成長や能力の向上、生産的な価値は基本的にはありません。自分にとって都合のいいようにするための思い込みの行為だからです。このようなことは、多くの人が無意識に行動に組み込まれており、気づかずないことが多く、結果として改善することができない場合が多いのです。

獲得的セルフハンディキャップ

Food Peanut Buts - Free photo on Pixabay (326547)

獲得的セルフハンディキャップとは、皆さんもなじみ深い経験を例に出すと、テスト前に、あえてゲームや部屋の片づけや掃除を始めるなどをしてしまう行為のことです。最優先で取り組まないといけない課題や仕事があるにも関わらず、わざわざその真逆のことを始めてしまう行為を指します。

つまり、自らハンディキャップを作り出してしまうことで、成績が悪かった場合に、ゲームや片づけをしたから良い結果がでなかったのだと言い訳できるようにしている行為をしているのです。これは、自己評価や自尊心を自己防衛するための行為ともいえます。

もし運よく成功した時は、大して勉強しなかったのに予想以上の結果を出せた、と自慢でき、自己評価を高められます。つまり、自分であえてハンデを獲得できる行動をするということです。

主張的セルフハンディキャップ

Problem Technical Issues - Free photo on Pixabay (326552)

「獲得的セルフハンディキャップ」が、自己完結するのに対し、「主張的セルフハンディキャップ」は、周囲の人に自ら言い訳として、事前に「全然勉強してなくて」「体調が悪くて」「得意じゃないから」などと主張して言いふらすことを指します。

そうすることで、万が一、失敗したときに、周囲からの自分への評価を下げないようにして、逆に成功した時は、より周囲の評価を高めることができるので、周囲の人からの自己評価を守るための事前工作といえます。おそらく、皆さん自身の経験や、知人でもそういう人がいるのではないでしょうか?

このような言い訳は、ハンデを与えていると考えることができるので、セルフハンディキャップという名称が付きました。

セルフハンディキャッピングの例

Result Excuse Me Failure Inability - Free image on Pixabay (326555)

上述したように、セルフハンディキャップとは、言い換えると、失敗して傷つくことへの予防としての言い訳を自分で作ることと言えます。つまり、自分自身にハンデキャップをつけることです。その特徴は、失敗は「自分の外」に原因があるとし、成功は「自分の実力」と考えることです。

ここでは、セルフハンディキャップの例を2つご紹介いたします。獲得的セルフハンディキャップと主張的セルフハンディキャップを1つずつ例として挙げますので、2種類のセルフハンディキャップの理解が深まるはずです。

資料作りの前に、机の片づけをしてしまう事例

Shield Traffic Sign Note - Free image on Pixabay (326553)

これは獲得的セルフハンディキャップの事例です。職場で任された資料作りの期限が迫っているとします。そろそろやらねばと思い、取り組むのですが、なんとなく気分が乗りません。すると、まずは片づけをして作業に集中することが重要だと考え、夜中にも関わらず、急に片づけを始めます。

気が付くと、もう資料作りをする時間がなくなり、寝なければいけない状態となり、その日は片づけで終わり、「環境を整えたから、あすから取り組もう」と先延ばしにしてしまうのです。そうやって、徐々に期限が近づいてきて、そろそろ手を付けようと思ってやり始めると、機嫌に間に合わなそうな雰囲気。

なんとか焦って仕上げるも、クオリティは低くなってしまいました。しかし、本人としては、片づけをしたから仕方ないと考え、今回は片付け終わったから、次からは前もって早めに取り組むことができると考えるのです。そういったことを繰り返し、いつになっても変わらないという状況を繰り返してしまうのです。

職場で目標達成という課題を課された時の事例

Board Result Excuse Me - Free photo on Pixabay (326556)

その職場は、小売店であり、ポイントカードをお勧めして、お客様にカードを作成してもらうために声掛けをする必要がありました。バイトではなく社員でしたので、オーナーからは目標獲得枚数を指示されています。普段から自分はできる人間だとアピールしている人は、実はお勧めが苦手です。

そこで主張的セルフハンディキャップを無意識に活用する言動が見られました。出勤して、これからオススメをしなければならないという直前で、「今日はなんかしんどい。体調悪いなぁ。頭が痛い。なんかやる気がでないなぁ」と周囲に言いふらしました。

ちなみにこの人は、こういう状況になると、毎回同じことを言いふらします。結果として退勤する頃には、「今日は頭痛くて全然お勧めできなかったなぁ。体調が良ければできたんだけど、仕方ないなぁ。」と独り言のようにつぶやき帰宅しました。これが典型的な主張的セルフハンディキャップの例です。

【診断】セルフハンディキャッピングをしがちな人

Excuse Me Balloon Parrot - Free image on Pixabay (326560)

ここでは、どのような心理の人がセルフハンディキャップをしがちなのかを、軽い診断テスト形式でご紹介いたします。無意識なので、気づかないことが多い為、自分自身が当てはまっていないかを自己分析し、成長に活かすためにも、本音で当てはまる部分が少しでもないかチェックしてみましょう。

度合いは人それぞれです。図星だと感じる人もいれば、当てはまるかもしれないという感覚の人もいるでしょう。自分がどれくらいのセルフハンディキャップの可能性があるのか、程度を確かめることも含めて、1つずつ確認していきまそう。

なるべく失敗はしたくない

Sad Man Depressed - Free photo on Pixabay (326663)

自分に自信がなかったり、劣等感を感じている人ほど、自分を優秀に見せようとしたり、評価が下がることを嫌います。努力することが苦手なのも自覚している場合もあり、現状のまま自分を優位に見せるには、口先でできる人間アピールをするのが一番簡単だと考えます。

そして、能力のなさが露呈して、失敗することを恐れるので、行動を移す事が苦手です。そのため、事前に言い訳をする癖がついた人も大勢います。このように、努力が苦手な故に、ダメな自分を受け入れることができず、プライドを高く保ち、優越感を感じようとするための工作をしてしまうのです。

自分の能力を受け入れることができないとも言えるでしょう。現実逃避をしてしまうので、理想ばかり語り、行動を移さない傾向もあります。失敗は自己評価を下げるので、行動に移したくないのです。9割成功すると分かっているようなことしかやらないという価値観です。

なるべく人とは張り合わない

Arrow Comment Expression - Free image on Pixabay (326654)

人と張り合ったり、競争することや、競争自体に晒されることを避けようとします。これも、失敗したり、競争に負けたり、成果を出せずに、自己評価が下がったら、自分の能力が露呈してしまうので、傷つくことを避けようとする心理が働くのです。

ですので、特に自分より能力が明らかに上の人とは張り合う事はしません。確実に勝てると分かっている試合しかしないのです。もしそのような場に晒されても、できるだけ言い訳を準備します。そのような言い訳を考えることに対しては、驚くくらい創造力とクリエイティビティを働かすのです。

その創造力を仕事に活かせばよいのではと思うほど、避けることに力を注ぎます。このように張り合わない事で、競争もせず、失敗も避けるため、一向に成長しません。徐々に年齢を重ねる程、周囲からは経験豊富だと思われるので、実力が伴っていない事がバレないように、さらに工作する癖を強化してしまいます。

優先順位をつけるのが苦手だ

Woman Desperate Sad - Free photo on Pixabay (326662)

急に片づけをしてしまうように、優先順位が低い事に本能的に手を付けてしまいます。また、そのような事をしてしまっていることを認めたくない気持ちもあるので、優先順位自体を考えないようにして、見て見ぬふりをしようとする習慣が身についてしまっている事がよくあります。

仕事であれば、仮に優先順位が高い事が何か把握していても、いい仕事をするためには片づけが最優先だと考えてしまうのです。つまり、優先順位を自分の都合の良いものに書き換え、会社として優先順位の高い事はなにかを歪曲してしまいます。

本人は、片づけがすることがいい仕事をする為に必要なことだと考えているので、優先順位が高いことをしている気になってしまうのです。このように、自分でしていることを正当化する癖もあり、自分の非を認めない傾向もあるため、なかなか改善しない傾向があります。

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