2019年6月14日 更新

沙織事件の詳細!ゲーム業界に与えた影響や事件のその後と関連事件詳細

アダルトゲーム業界に大きな影響を与えることとなった「沙織事件」をご存知でしょうか?この事件をきっかけにアダルトゲーム業界は大きく変化することを強いられます。その原因となった少年による万引き事件や関連する事件について解説していきます。

この事件「連続幼女誘拐殺人事件」以降、いわゆる「オタク」と呼ばれる人へのバッシングが一層激しくなります。当時のオタクとはアニメや漫画が好きだったり、まだコンピューター自体があまり普及していなかったことから、コンピューターを持っている人もオタクと思われる事もあったようです。

「オタク」は犯罪者予備軍とまで言われていて、そんな中起きた「沙織事件」のアダルトゲームに、世の中が反応しないはずがありませんね。

パソコン所持者に対する偏見

Mac Freelancer Macintosh - Free photo on Pixabay (351924)

現在では誰もが当たり前にパソコンやスマートフォンを持っていますが、当時はコンピューターを持っている人は少なく、コンピューターを持っている人が「オタク」ではないかと言われた程でした。先ほどの「連続幼女誘拐殺人事件」が起きてからも、アダルトゲームを購入するオタクは将来犯罪を犯すのではないか、などと偏った偏見を持たれていました。

現在ではパソコンやスマートフォンを持っていない人はいないのでは、と思うほど普及していますが当時は珍しかったことからこのように思われてしまったのです。

コンピューターゲーム「177」事件

Computer Laptop Work Place - Free photo on Pixabay (351925)

コンピューターゲーム「177」事件とは、1986年、刑法177条強姦罪をモチーフにした「177」が公明党の草川昭三により国会で取り上げられ、激しく非難を受けた事件です。

強制性交罪は刑法177条にあたり、この刑法177条を題材としたゲームが問題となりました。現在では規制するべき性的な内容が含まれていました。さらにこの成人向けコンピュータゲームを、18歳未満の中高生が購入していたことも、非難の理由となったのです。

この事件が起きた最中「沙織事件」が取り上げられ、アダルトゲーム会社にも飛び火したのでしょう。

沙織事件で問題になった作品

Tic Tac Toe Love Heart - Free photo on Pixabay (351930)

「沙織事件」では、発売元であるフェアリーテール、ブランドを有するキララ、親会社のジャスト、そして家電販売店などが家宅捜索され、その結果当時のジャストの社長、キララの配送室長が猥褻図画販売目的所持で逮捕されています。

逮捕の対象となったのは、フェアリーテール・X指定の「沙織 -美少女達の館-」「ドラゴンシティX指定」、ジャストの「天使たちの午後3 番外編」「天使たちの午後4 〜ゆう子〜」の4つの作品です。どこが問題だったのか解説していきます。

沙織-美少女の館

Girls Woman Female - Free photo on Pixabay (351931)

「沙織事件」が起こった1番の原因とされている「沙織ー美少女達の館」は、この事件後すぐに規制されることになりました。「沙織ー美少女達の館ー」の内容は少し歪んでおり、同性愛者や近親相姦を表現していました。それだけであればさほど問題はないのですが、それ以前に性器を隠していないというところがが規制の対象となったようです。

逮捕された関係者は不服かもしれませんが、18禁の規制が作られるきっかけとなったのはこの作品のおかげです。

ドラゴンシティX指定

Dragon Broncefigur Golden - Free photo on Pixabay (351932)

フェアリーテールから発売された成人向けアドベンチャーゲームですが、当時は厳密な年齢制限がされていないにもかかわらず、男女の陰部を描写する画像を使用していた事が問題となりました。しかし当時のパソコンでは現在のパソコンのように鮮明な色味が使えなかったので、明確に見えるというほどではありませんでした。

「沙織事件」後に、フェアリーテールはこの作品を発売中止としたうえで自主回収を行い「沙織 -美少女達の館-」と共にお蔵入りされています。

天使たちの午後3 番外編

Angel Nature Clouds - Free photo on Pixabay (351933)

「天使たちの午後Ⅲ 番外編」というアダルトゲームも、「沙織事件」が起きたことにより自主回収をしました。このゲームの問題点も女性の身体にモザイク処理がされていなかったためです。

「沙織-美少女の館上記」「ドラゴンシティX指定」はお蔵入りしてしまいましたが、「天使たちの午後Ⅲ 番外編」はしっかりとモザイク処理をした後に再販を果たしています。再販の際には、作品名を「番外編」ではなく「反省編」と変更しています。

天使たちの午後Ⅳ~ゆう子~

Angel Figure Sculpture - Free photo on Pixabay (351934)

先ほどの「天使たちの午後Ⅲ 番外編」を販売していた株式会社ジャストからは、「天使たちの午後IV ~ゆう子~」と呼ばれるアダルトゲームも販売されていました。株式会社ジャストの主力ゲームは全て「天使たちの午後」のタイトルが付けられています。

このゲームの内容は、教師として女子高に潜入する物語で、先ほどの「天使たちの午後Ⅲ 番外編」と同じく、女性の体に対しモザイク処置がされていなかったため、先ほどと同じく再販になりました。

沙織事件の影響

Sad Depressed Depression - Free photo on Pixabay (353706)

「沙織事件」の影響でアダルトゲーム業界には数々の規制が設けられました。どんな変更があったのか詳しく見ていきましょう。

18禁シール

Witch Prohibition Witches Shield - Free photo on Pixabay (353711)

「沙織事件」の後、日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会が性的描写の存在する旨を伝える「18禁シール」を製作し、販売しています。このシールは、性的な描写や過激な描写が含まれるものなどに適用され、18歳以上を対象とした作品に使用されています。

アダルト業界は、今までのやり方を全面的に変更していくことで、まだ正確な判断区別のつかない未成年に、性的な描写や暴力的な描写が含まれる作品に簡単に手が届かないようになりました。

コンピューターソフトウェア倫理機構の設立

Computer Macbook Tablet - Free photo on Pixabay (353700)

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