2019年5月25日 更新

佐川一政のパリ人肉事件の詳細とは?佐川一政のその後の活動と映画も

1981年にフランスのパリで日本人の青年が起こしたパリ人肉事件は、現在ではほとんど忘れ去られてしまいました。しかし、2019年に事件を扱ったドキュメンタリー映画の公開が控えており、再び注目を集めています。今回はパリ人肉事件や犯人の佐川一政について解説します。

Forest Fog Dark - Free photo on Pixabay (304830)

アレクサンダー・ソニー・ビーンとは、15世紀のスコットランドにいたとされる食人鬼、及びその一族です。スコットランドの海岸の洞窟に一家で暮らしており、生活のために旅人を襲って金品を強奪、さらに犯行を隠すために殺した人間の死体を食べたとされています。

当初は妻と一緒に暮らしていましたが、やがて多くの子どもをもうけ、さらに近親相姦を繰り返して大家族を形成しました。犯行は25年間続けられましたが、最終的には捕まり、処刑されたと伝わっています。

スコットランドでは非常に有名な歴史的事件ですが、同事件が起きたとされる時代の資料が全くないことから、史実ではなく、あくまで伝説にすぎないという見解もあります。

ウルグアイ空軍機571便遭難事故

Airplane Wrecked Plane - Free photo on Pixabay (304833)

先に少しだけ触れたウルグアイ空軍機571便遭難事故は、緊急時に仕方なく行われたカニバリズム事件の中で最も有名なものです。

1972年にラグビーの選手団やその関係者45名を載せたウルグアイ空軍の飛行機が、チリに向かう最中に悪天候のためにアンデス山脈に墜落してしまいます。この時点で12名が死亡しています。

生存者は少量の食料で生きながらえていましたが、長くは保たず、事故から10日後には食料が尽きてしまいました。生き残りの1人が死亡した乗客の遺体を食べることを提案、多くの人が反対しましたが、生き残るための他の方法はないと判断され、最終的には皆が同意して人肉食を行いました。
Christ Jesus Religion - Free photo on Pixabay (304835)

乗客のほとんどがキリスト教徒だったため、この人肉食はキリスト教の儀式における聖餐にあたるとして自身を無理やり納得させて極限状況を乗り切りました。

72日後に生存していた16人が救出され、メディアから奇跡として賞賛されますが、一方で人肉食を行ったことをセンセーショナルに騒がれてしまい、生存者を苦しめることになりました。

ひかりごけ事件

Shipwreck Ship Wreckage California - Free photo on Pixabay (304836)

ウルグアイ空軍機571便遭難事故と同じようなケースは日本でも起きています。先に触れたひかりごけ事件です。戦時中の1943年に北海道で発覚した人肉食事件です。

戦時中の1943年に日本陸軍の徴用船が北海道沖で座礁し、身動きが取れなくなってしまいました。船員は船から脱出しましたが、船長ともう1人の若い船員以外は行方不明となり、残った2人は知床半島の岬に上陸して無人の小屋に身を寄せます。

しかし、小屋に食糧の備蓄はなく2人は絶体絶命の状況に置かれます。やがて若い船員は死亡し、船長は船員の遺体を食べて生き延びました。2カ月後に漁民一家の家に辿り着いて船長は救われました。
Tree Snow Winter - Free photo on Pixabay (304840)

当初船長は小屋にあった食糧を食べて生き延びたと主張していましたが、状況の不自然さから警察による捜査が始まり、食人が発覚しました。殺人も疑われましたが、船長は殺人は断固として否定し、判決結果は懲役1年でした。

後に小説家の武田泰淳がこの事件を題材に小説「ひかりごけ」を執筆したことから事件が広く知られるようになります。ただし、「ひかりごけ」はあくまで事件を元にしたフィクションであり、実際の事件と直接関係はありません。

佐川一政の映画も公開される2019年

War Refugees Children - Free image on Pixabay (304848)

パリ人肉事件は当時から非常に騒がれて有名になった事件ですが、現在の日本では知らない人も少なくありません。事件のショッキングな内容から面白半分に扱われてしまい、そのまま消えていった印象があります。

しかし、時がたったことで改めて事件を冷静に振り返る動きが出てきました。映画の公開をきっかけに事件の原因やメディアの報道の在り方を客観的に考察することが求められています。

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