2020年5月21日 更新

ダイレーションが必要な理由は?ダイレーションの手順と術後の注意点

性同一性障害を克服するため行う、性別適合手術。手術費用や治療も重なり、金銭的にも肉体的にも、はかりしれない負担がのしかかります。また、手術を終えたからといって、全てが望み通りになるわけではありません。術後に待ち受けるダイレーションは、さらに苦痛を与えるのです。

ダイレーションとは

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身体が持つ「女性」「男性」という特徴と、自身が認識している性別が異なると、立ち居振る舞いや習慣など、あらゆる戸惑いが生じます。自身が認識している性別として振舞いたくても、他者が認識している性別が本当なのではないかと悩んでしまう人も少なくありません。

このような人々を、性同一性障害と呼び、性別を自身が認識するものに合わせ外見の作りを変えるのが、性別適合手術です。性別適合手術には、費用はもちろん、術前術後の準備などあらゆる負担が発生します。なかでも、ダイレーションと呼ばれる行為は、多くの女性たちを悩ませる行為の1つです。

今回POUCHSでは、ダイレーションと呼ばれる行為についてまとめました。必要性や頻度、疑問点など関連事項を凝縮してご紹介していきます。他にも、POUCHSでは女性の恋愛・ライフスタイルを応援する記事を多数取り揃えました。そちらも、合わせて活用してみましょう。

性適合手術のアフターケア

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ダイレーションとは、性別適合手術後のアフターケアの1つです。身体的特徴を、男性から女性に変更した時、ダイレーションと呼ばれるアフターケアを行います。つまり、女性のみ行う作業ということです。

ダイレーションのやり方や頻度、注意点などは、手術を行った病院で教えてもらいます。しかし、性別適合手術は海外で実施する人が大多数のため、言葉の壁やニュアンス・文化の違い等から、ダイレーションのやり方が理解できなかったり、間違った方法を実行してしまう場合もあるのです。

人工的に作成した膣の形状を固定する方法

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女性の体に変える性別適合手術では、男性器の皮膚や機能を使って、女性器に類似したものを作成します。さらに、精巣は男性ホルモンを作り出してしまうため、完全に除去してしまうのが一般的です。

人工的に作成した膣は、形状こそ女性に近しいものを持っていますが、機能は同じではありません。性別適合手術後何もせずにいると、小さくなっていきますし、術後整っていた膣内も形が変形してしまいます。膣内の縮小や変形を防ぎ、形状を固定するのがダイレーションの役割なのです。

ダイレーションを必要としない手術もある

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性別適合手術後、全ての人がダイレーションを必要としているわけではありません。男性器の除去の程度や、女性器の構築度合いによって、ダイレーションを必要としないこともあるのです。また、性別適合手術後の望む生活スタイルによっても、ダイレーションを行うか否か異なります。

パートナーと性行為をしたいと望んでいたり、より女性らしい生活を送りたいと考えていた場合、ダイレーションを必要としますが、その他の生活を優先することを選択した場合、ダイレーションを行わない人もいるのです。

ダイレーションが必要な理由

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ダイレーションと呼ばれる行為は、人工的に作成した膣内の形状や大きさを固定するために行います。ダイレーションは、人や体質によって異なりますが、長期間行ったり激痛を伴う場合もあるのです。そのため、性別適合手術の時、理想的な形状を作っておけばいいのではないかと考える人もいるでしょう。

それではここから、時間を有し痛みも伴うダイレーションが必要な理由について、解説していきます。ダイレーションを行った時の様子と、行わなかった時の膣内の様子についても、ご紹介していきましょう。

体は人工的に作られた膣を傷と判断する

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性別適合手術では、男性器の内部や精巣を除去し、残った皮膚を使って、女性器や膣を作成します。女性器の形状だけを再現し、膣を作らない手術もありますが、その場合ダイレーションは行いません。

女性器や膣を作成する時は、大きさや長さ、太さなどはある程度本人の希望を尊重することができます。この時作成した女性器や膣を、体は傷と判断するのです。人工的に空けられた穴や皮膚を傷口だと判断し、治癒力を使って治そうとしてしまいます。

ダイレーションを行わないと膣が塞がる

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ダイレーションは、作成した膣に棒を挿入し、膣内の形状を保ったり好みの大きさに拡張させる方法です。ダイレーションに使用する棒の大きさを変えることによって、膣を好みの深さや大きさに変化させることができますが、都度痛みが伴います。

痛みや煩わしさ等からダイレーションを行わずにいると、膣がふさがってしまうのです。前項で解説したように、作成した膣を、体は傷と判断します。体が持つ治癒力によって膣は日々縮小し、完全に塞がることはないものの、作成時よりも小さくなってしまうこともあります。

性行為が難しくなる

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作成した膣が狭くなったり、奥行きがなくなっても、私生活に困ることはほとんどありません。排尿は可能ですし、生理やおりもの等は発生しないため、膣の形が変化しても困ることはないのです。膣が狭くなったり、奥行きがなくなって困るのは、セックス時でしょう。

特に、男性とセックスする際、男性器の挿入が難しくなります。男性とのセックスは、女性らしさを認識できたり、女性としての幸福感を感じられる瞬間です。それらが失われてしまわないように、性別適合手術を受けた女性たちは、痛みがあっても時間を有してもダイレーションを行います。

ダイレーションへの本音

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ダイレーションを実際に行っている人というのは、性別適合手術を受けた女性たちです。手術や性同一性障害であることを自ら発信する人も存在していますが、それらはほんの一部であり、ほとんどの女性が手術や現状を隠して生活しています。

そのため、ダイレーションの体験談や実行する際の本音を聞く機会はそれ程多くありません。ここからは、聞く機会の少ないダイレーションへの本音について、ご紹介していきましょう。実際に行っている女性だけが知っている、現状や注意点についても、ご紹介していきます。

めんどくさい

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