2020年5月21日 更新

ダイレーションが必要な理由は?ダイレーションの手順と術後の注意点

性同一性障害を克服するため行う、性別適合手術。手術費用や治療も重なり、金銭的にも肉体的にも、はかりしれない負担がのしかかります。また、手術を終えたからといって、全てが望み通りになるわけではありません。術後に待ち受けるダイレーションは、さらに苦痛を与えるのです。

30代女性の体験談をご紹介します。ダイレーションをはじめて、半年ほどたちました。直径は25mmのものを使用しています。性行為の予定がなかったので、のんびりダイレーションしていました。そのため、半年で25mmは、小さいほうでしょう。

ダイレーションは、時間がかかることと、後始末が非常にめんどくさいと感じます。ダイレーションの頻度は、徐々に減らしていくことができますが、それでも1回40分~1時間程かかってしまうため、めんどうなのです。

痛い

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30mm以上のダイレーターを使えるようになりましたが、非常に痛いです。小さいサイズに戻そうか、悩んでしまいます。しかし、再び大きくすることを考えると、また当初の激痛を味わうことになるので、我慢できるうちは我慢し続けるつもりです。

手術から3カ月程経過していますが、膣もダイレーションも一向に痛みがなくなりません。この痛みを相談できる友人もいないため、インターネットを駆使して方法を工夫している日々です。

恋人がいないので必要性を感じない

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病院の指導によって異なりますが、私が教えられたダイレーションの方法は、1日1~2時間ダイレーターを挿入し、それを3回繰り返すという方法でした。手術から1週間後、ダイレーションを実施したところ、激しい痛みを感じます。

数回繰り返しても、その痛みがなくならなかったことから、私はダイレーションを止めてしまいました。恋人もいませんでしたし、今後も予定がなかったので、ダイレーションを行う必要性を感じなかったのです。ダイレーションを止めてから数年経ち、現在の膣は小指が浅く入る程度となっています。

性適合手術を後悔する

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手術後9日で、ダイレーションを始めました。1番小さなダイレーターを使用しましたが、激しい痛みです。この行為を、長時間挿入する必要がありますし、数回繰り返さなければなりません。

さらに、一生行い続けなければならないのです。性別適合手術を受ける前は、ダイレーションのサイズアップを楽しみにし、夏休みの計画表のような計画もたてていました。現在は、サイズアップの目途もたたず、性別適合手術を受けた事さえ後悔し始めています。

必要性を自問自答し続ける

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術後自宅へ戻ると、ダイレーションは1人で行わなければなりません。サイズアップの痛みと闘ったり、後始末や調節など、全て1人で行わなければならならいのです。ダイレーションの痛みや、それらの孤独感から、必要性を自問自答し続けています。

ダイレーションを行っても、性行為するかどうかもわかりませんし、性行為ができなくても、女性であることに変わりはありません。下半身にばかりこだわるのは、浅ましいと思ったり、ダイレーションから逃れるために言い訳をしているのではないかと考えたりと、支離滅裂で情緒不安定な日々を送っています。

ダイレーションに必要な道具

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ダイレーションは棒を膣内に挿入し、形状の固定と拡張を行う行為です。ダイレーションで使用する棒を大きくするたびに、激しい痛みが伴います。また、体験談でも紹介されていたように、ダイレーションには多くの道具が必要です。

ここからは、ダイレーションを行う際に用意するものと、それらの具体的な使用方法について、ご紹介していきましょう。

ダイレーター

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膣内に挿入する棒を、ダイレーターと呼びます。このダイレーターを膣内に挿入し、数時間放置することによって、膣内を望む形状に変化させることができるのです。ダイレーターは、手術を受けた病院や一般通販サイトで購入することができます。

また、ダイレーターにはシリコン製のものやアクリル製、プラスチック製など素材もさまざまです。ダイレーターの素材は、どれが最も優れているといったものはなく、個々の体質やダイレーションの計画によって異なります。

精製水

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ダイレーションには、精製水もしくは清潔な水が必要となります。使用目的は、患部の洗浄、用品の洗浄などです。精製水の用意が面倒な時は、入浴で代用することもできます。入浴時に患部を洗浄し、使用する道具もシャワーで洗浄しましょう。

浴室にはったお湯は、衛生的とは言えないため、流水を使用するようにしてください。痛み止めを処方された場合、この時使用します。海外で処方される痛み止めは非常に強力なものもあるため、膣内に入れないように注意しましょう。

除菌タオル

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除菌タオルを自宅で用意することは難しいため、衛生的なタオルを複数枚用意しておきます。除菌タオルの代わりに、除菌シートを使用してもいいでしょう。除菌シートは薬局やコンビニで、購入することができます。使用方法は、ダイレーターを挿入する直前に、患部を拭いたり、ダイレーターの除菌です。

手袋を使用しない時、手の除菌も行うため、大量に用意しておく必要があります。また、使用後のダイレーターや手、患部を除菌する際にも使用するため、アルコール成分が強すぎるもの、刺激物質が含まれている除菌シートは避けましょう。

挿入保持用テープ

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ダイレーターを挿入した後、数時間放置する必要があります。そのため、挿入保持用テープを準備しましょう。こういった備品は、手術を受けた病院で処方してもらうことができます。

しかし、ダイレーションを行う人の中には、挿入保持用テープで固定すると違和感を感じたり、痛みを感じるといった人々もいるようです。挿入保持用テープで固定し、痛みを感じるようであれば、無理に使用する必要はありません。手で押さえてもかまいませんし、下着や衣服を工夫して固定しても問題ないのです。

注射器

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