2020年5月21日 更新

ダイレーションが必要な理由は?ダイレーションの手順と術後の注意点

性同一性障害を克服するため行う、性別適合手術。手術費用や治療も重なり、金銭的にも肉体的にも、はかりしれない負担がのしかかります。また、手術を終えたからといって、全てが望み通りになるわけではありません。術後に待ち受けるダイレーションは、さらに苦痛を与えるのです。

注射器は、ダイレーター挿入前と挿入後に使用します。注射器に、水道水を入れておきましょう。水道水の刺激に堪えられない時は、市販の精製水もしくは飲料水を活用してみてください。

注射器は、ダイレーター挿入前及び挿入後の洗浄に使用します。膣内に残ったジェルや軟膏類を洗い流したり、痛み止めの残りを洗い流したりしてください。挿入後は、膣内を洗浄する必要があるため、病院から処方された消毒液を水で割り、注射器を使って注入しましょう。

キッチンペーパーやタオル

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ダイレーション時、キッチンペーパーやハンドタオルも、用意しておきましょう。ハンドタオルの他に、防水シートや大きめのタオルもあると、便利です。防水シートや大き目なタオルは、下に敷いて、液漏れ対策となります。

キッチンペーパーやハンドタオルは、ダイレーターを抜く際、抜いた後のジェルを拭う際に使用してください。また、出血があった場合にも使用できるため、キッチンペーパーやタオルは大目に用意しておきましょう。

軟膏やジェル

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軟膏やジェルは、ダイレーターの挿入をスムーズに行うために活用します。患部に塗るのではなく、ダイレーターそのものに塗るようにしましょう。軟膏やジェルを必要としない人も稀にいるようですが、痛みを抑えるために活用することをおすすめします。

また、用意しておくと便利なものがナプキンや尿取りパッドです。ダイレーションの刺激によって、排尿してしまったり、ジェルや出血が放出されることもあります。1枚あてておくだけで、安心してダイレーションを行うことができるでしょう。

ダイレーションのやり方

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ここからは、ダイレーションの基本的なやり方について、ご紹介していきましょう。前項でもご紹介したように、ダイレーションは、それぞれが望む生活によって内容も頻度も異なります。

また、痛みの具合によっても、使用する道具や頻度が変わってくるでしょう。そのため、これから紹介するやり方や頻度は、一般的な目安であることを理解し、回数や内容に固執しないよう注意して、読み進めてみてください。

開始日

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ダイレーションは、術後1週間後から始まります。始める時期に決まりはないため、術後数カ月経過してから始めたという人も存在していました。しかし、大半の女性は、初めてのダイレーションに不安を感じるため、入院中に1度実行するようです。

当然、術後すぐに始めると大きな痛みが伴いますが、術後数カ月経過していても大きな痛みが発生します。患部の腫れがおさまり、座っても痛みを感じなくなった時期や、尿が真っすぐ出るようになった時期がおすすめです。

回数

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ダイレーションの回数は、1日に2~3回程度です。ダイレーション初期であれば、一般的に1日複数回のダイレーションを行います。ダイレーションを始めて3~6カ月経過した頃から、回数を減らすことも可能です。1週間に2~3回程度に減らす人もいれば、1カ月に1~3回程度の人もいます。

毎日多くのダイレーションを行ったとしても、早く拡張または膣内を完成させられるわけではありません。焦らず、自身の体調や膣内の様子によって、回数を柔軟に変えてみましょう。

挿入時間

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ダイレーターの挿入時間は、1~2時間程度です。ダイレーターを挿入しながら歩いたり、家事を行っても構いませんが、大半の女性は痛みや異物感によって、動くことができません。ベッドやソファーに座り、読書やテレビ鑑賞などで時間が経過するのを待つことが多いようです。

挿入中に痛みを感じた時は、規定時間に達していないくても、取り出しましょう。体調や体勢によって、突然痛みを感じることもありますし、内部を傷つける恐れもあります。

時間帯

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ダイレーションの実施に、明確な時間は決められていません。1~2時間程度動きにくくなるため、1日の終わりに実行したり、就寝時に挿入し、そのまま朝まで挿入し続ける人もいるようです。問題は、2回目でしょう。

ダイレーションは、続けて行ってもいいのですが、時間をある程度離して実行するように、と教えられる場合もあります。1回目を夜行った場合、日中もしくは早朝に2回目のダイレーションを行う必要が出てきてしまうのです。

ダイレーションを行う時間帯は、自身の生活スタイルを尊重し、無理なく続けられるスケジュールを立てるように心がけましょう。

期間

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ダイレーションに、期間は存在しません。つまり、一生続けていかなければならないということです。ダイレーションの頻度は、術後1年間が最も多く、その後は膣内の状態によって減らしていくことができます。

当初のように、毎日2回以上行う必要もないため、それ程苦痛ではないと話す人がいる一方、一生ダイレーションを行わなければならないという事実に、憂鬱さを感じるという人もいました。ダイレーションは、絶対にやり続けなければならないことではありません。

苦痛であったり、ライフスタイル上不便であれば、付き合い方を見直してもかまわないのです。

ダイレーションの注意点

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ダイレーションを行う際、疑問が生じることもあるでしょう。ところが、それらを気軽に聞くこともできませんし、ダイレーションの疑問に関する回答を探すのは、容易ではありません。

ここからは、ダイレーションへの疑問と、それらへの回答について、ご紹介していきます。ダイレーションを実行する際の注意点についても、合わせてご紹介していきましょう。

出血があった場合

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