2019年9月22日 更新

猟奇的な連続殺人犯アルバートフィッシュの異常な犯行や性的嗜好

アメリカ犯罪史上最悪の殺人鬼と呼ばれているアルバート・フィッシュという男を知っていますか?100年近く経過した今も、この男の異常性は語り継がれています。その犯行の凶悪さと、常軌を逸した性的嗜好がどのような生い立ちに基づいたものなのか紹介します。

目次

特殊な性的嗜好をもつアルバートフィッシュが満足のいく性生活を送ることは不可能なことでした。その性的嗜好を受け入れ、同調してくれる相手を見つけることは難しかったのでしょう。

そのため性的欲求を満たすのは自慰行為でした。行為は一般的に知られている方法とはかけ離れたもので、性器やその周辺に釘や針を刺すことで、自分の身体を痛めつけ快感を得るというものです。

「自身の陰嚢に針を突き刺したときの痛さは正気ではいられなかった」とのちに供述しています。

性器だけではなく体中に針を指す

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アルバートフィッシュのマゾヒスティックな自慰行為はどんどんエスカレートして、性器周辺への刺激だけでは満足できなくなっていしまったようです。

その結果アルバートフィッシュは背中や骨盤にも針を刺すようになります。針を刺すときは深ければ深いほど強い快感が得られたということで、初めは浅く刺していた針も、自力で抜くことが困難な深さまで刺すようになりました。

一歩間違えば神経や骨にあたり、後遺症が残ってしまう可能性がある行為だということは少し考えればわかるようなものですが、そんなことは問題にならないほど自慰行為による性的快感を得ることに夢中だったのでしょう。

アルバートフィッシュのレントゲン写真

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アルバートフィッシュが逮捕された後に取られたレントゲン写真には、彼の自慰行為を裏付けるものが写っていました。それは通常であれば写ることがないものです。

腰部を取ったレントゲン写真には骨盤や背中に刺された針が、陰嚢を撮影したレントゲンには細いものや太いもの、曲がったものを合わせて29本もの針が写っていました。

自慰行為がエスカレートして、深く刺しているうちに取り出せなくなってしまった無数の針が確認されたのです。

体の内部を焼く行為

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アルバートフィッシュのマゾヒズムの欲求を満たす自慰行為は針によるものに留まりませんでした。より強い快感を得るためにアルバートフィッシュが求めたのは、身体の内側を痛めつける行為です。

それは身体の内部を「焼く」という行為でした。方法はオイルをしみこませた綿球を肛門から直腸に挿入し、火をつけるというものです。

また高温に熱した鉄板を用いて、身体を痛めつけるということも行っていたようです。これらの行為は、アルバートフィッシュに酔いしれるほどの快感を与えました。

アルバートフィッシュの食人行為

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アルバートフィッシュの殺人で最も衝撃を受けるのは、殺害後その被害者を食肉として扱うことではないでしょうか。正確に言うとカニバリズムとは、歴史的に社会的制度として認められた食人のことを言います。精神異常による食人は、アントロポファジーという分類で区別されています。

アルバートフィッシュは、他の性的嗜好よりもこのアントロポファジーに強く傾倒している印象があります。殺害目的がこの「食人」であると言っても過言ではありません。

ここからはアルバートフィッシュがなぜこのアントロポファジーに目覚めてしまったのか、その生い立ちから探っていきます。

兄から聞いた人肉の話

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アルバートフィッシュは孤児院から家庭に戻ったときに、兄と再会しています。兄はこれより前は兵役していて、戦地から戻ってきていました。

兄は戦地の様子や戦争での体験をアルバートフィッシュに話して聞かせました。おそらく戦争の悲惨さや兵役の過酷さを伝えようとしただけで、他意はなかったでしょう。

その中に戦地で生命維持のため緊急避難的な意味で行われた食人体験もあったのです。アルバートフィッシュはその食人体験に強い興味を示したのでした。

離婚後から生肉に夢中になる

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19年の結婚生活の末、アルバートフィッシュの妻は彼の言動に耐え切れず、浮気を原因として離婚をします。この離婚をきっかけにアルバートフィッシュの異常性は加速していくのです。

自傷行為、行き過ぎた自慰行為を繰り返し行う異常な生活を送るさなか、アルバートフィッシュは生肉を食べるようになります。これはもちろん人間のものではなく、本来加熱して調理すべき肉を生の状態で食べるようになったということです。血なまぐさい生肉を食べることで、食人を疑似体験していたのかもしれません。

遺体だけでなく排泄物まで食す

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アントロポファジーは本来、人肉を食べることで直接性的嗜好を指す言葉ではありません。しかしアルバートフィッシュにおいてはアントロポファジーは性的嗜好にあたるでしょう。

同じく異常な性的嗜好としてアルバートフィッシュはスカトロジーを持っています。これは殺人の際にも顔をのぞかせました。

遺体を解体する際は当然、肉だけではなく血液や排泄物も出てくるでしょう。それは人間に限った話ではありません。そしてそれらは破棄され、肉だけが食べるものとして仕分けられます。

しかしアルバートフィッシュは肉だけではなく血液を飲み、排泄物を食していました。これは幼少期に電報配達員の少年の影響で目覚めたスカトロジーに他なりません。

肉を柔らかくするための「地獄の器具」

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アルバートフィッシュは子供たちを殺害した後に調理するのに快適な様に考えていました。どうせ食べるなら柔らかい肉がいいと思ったようです。

肉を柔らかくするために子供たちを縛り、半分に切られ釘が打ち込んであるベルトで子供たちを鞭打ちしました。調理の際に料理人が筋切りや肉を叩くのと同様の意味を持った行為だったのでしょう。

これはサディズムとアントロポファジーの欲求を同時に満たすものだったに違いありません。アルバートフィッシュはこのベルトを「地獄の器具」と呼んでいたそうです。

アルバートフィッシュの裁判

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1935年3月11日、アルバートフィッシュは裁判にかけられました。アメリカの裁判はこの時代においても、陪審員が有罪か無罪かを決める裁判制度をとっていました。

アルバートフィッシュの行った凶行は世間から見ても異常なもので、責任能力の有無がこの裁判の最大のポイントとなりました。精神薄弱の状態での犯行が証明されてしまっては、この異常なシリアルキラーが無罪となり野に放たれてしまうという恐怖を抱いた人もいたことでしょう。

裁判はこれほどの凶悪事件にも関わらず、わずか10日で結審しています。内容を紹介します。

精神異常者としての弁護

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