2019年9月22日 更新

猟奇的な連続殺人犯アルバートフィッシュの異常な犯行や性的嗜好

アメリカ犯罪史上最悪の殺人鬼と呼ばれているアルバート・フィッシュという男を知っていますか?100年近く経過した今も、この男の異常性は語り継がれています。その犯行の凶悪さと、常軌を逸した性的嗜好がどのような生い立ちに基づいたものなのか紹介します。

目次

アルバートフィッシュを弁護したのはフレデリック・ワーザム博士という人物です。彼は精神異常としてアルバートフィッシュを弁護しました。

裁判でアルバートフィッシュは、子供を殺せと神から啓示があったから犯行に及んだと主張しています。また診察した精神科医はスカトロジー、ペドフィリア、マゾヒズムなど多くの性的嗜好を持っていると証言しました。

これらのことからワーザム博士は、アルバートフィッシュは精神異常であると言い切りました。歪んだ性的嗜好は彼自身の性質とは無関係で、不幸な生い立ちによって形成されたものであり、アルバートフィッシュもまた被害者であると主張したのです。

死刑判決

 (650695)

フレデリック・ワーザム博士の主張はアルバートフィッシュを死刑にしないようにするためのものでした。精神薄弱が認められれば、無罪にはならなくとも少なくとも死刑は免れると考えたのでしょう。

しかし陪審員が下した判決は有罪、裁判官が下した量刑は死刑でした。これおはアメリカの世論も臨んだことだったようです。

こうしてアメリカ史上最悪の殺人鬼、シリアルキラーのアルバートフィッシュに死刑判決が下されました。

アルバートフィッシュの死刑執行

 (650717)

1935年死刑判決が確定したアルバートフィッシュですが、死刑の執行は日本の死刑制度では考えられないほどスピーディに行われています。

アメリカ国民の多くがアルバートフィッシュの死刑執行を望んでいたようですので、国民の要望に応えて早期に行ったのかもしれません。

しかしここでもアルバートフィッシュは、他の死刑囚とは一線を画す異常性を見せます。死刑執行時にアルバートフィッシュがどのような気持ちだったのか記録から読み取ることは難しいですが、その異常性を見ていきましょう。

1936年1月16日死刑執行

 (650756)

裁判が終了してから約8か月後の1936年1月16日に、アルバートフィッシュの死刑は執行されました。執行は電気椅子によって行われています。

一説ではアルバートフィッシュはこの死刑執行の日を心待ちにしていたと言われています。それは自殺願望とは違い、マゾヒズムに基づいた感情だったようで、「わくわくしますよ。まだ試したことがありませんから」と語っていたそうです。

自慰行為で自身に針を刺すことの延長線上に死刑執行の電気椅子があるなんて、異常以外のなにものでもありません。

諸説ある死刑執行時の様子

 (650784)

アルバートフィッシュが死刑執行人によって電気椅子に固定されている時にも、電気処刑の執行を「一生に一度しか味わえない、最高のスリル」と語ったという説があります。これは恐らく先述したアルバートフィッシュのマゾヒズムに基づいた説と言えるでしょう。

このようにアルバートフィッシュが死刑を切望していたという見方がある一方で、死刑を望んでいなかったという考えもあるようです。なぜならアルバートフィッシの最期の言葉は「なぜ、私がここにいるか分からない」だったという説も存在しているからでしょう。

体内の針が死刑執行に影響?!

 (650799)

電気椅子に固定された後、最初の電撃ではアルバートフィッシュを殺すことは出来ず、2度目の電撃により死に至らしめたと当時報じらました。これは、アルバートフィッシュの体内にある29本もの針が短絡を起こしたためにこのようなことが起こったとの解釈をされたようです。

しかし、この報道は間違っているものと思って良いでしょう。なぜかというとそもそも死刑執行の時は、警戒のため2回の電撃が加えられることが通例だからです。

アルバートフィッシュの遺体

 (650816)

多くの子供たちを殺害し、その遺体を食肉してきたアルバートフィッシュでしたが、自身の死刑執行後の遺体はシンシン刑務所で埋葬されています。

子を殺害された親は「犯人に同じ思いをさせてやりたい」と思うものでしょうが、アルバートフィッシュに関しては決して同じことをしてやりたいと思った親はいなかったことでしょう。

しかし、親や親族のみならず、アメリカの多くの国民がアルバートフィッシュの尊厳ある埋葬に疑問を持ったに違いありません。

アルバートフィッシュの影響

小説 「ブラック・ハウス」

 (650910)

スティーヴン・キング、ピーター・ストラウブ共著の小説『ブラック・ハウス』は、アルバートフィッシュをモデルにした殺人鬼が登場するサイコサスペンスホラーです。

作中でのアルバートフィッシュをモデルとした「フィッシャーマン」の描写は読むのに苦労する人もいるくらいにかなりグロテスクになっています。主人公がこの「フィッシャーマン」と対峙するという物語です。

この書籍ではアルバートフィッシュがグレース・バッドの母親にあてた手紙の一部を引用しているます。

小説「エイリアニスト」

 (650911)

小説家、ケイレブ・カーの小説『エイリアニスト』では、登場人物の殺人者による手紙がアルバートフィッシュが書いた手紙と類似しています。作者はアルバートフィッシュの一連の事件から影響を受けて、作品を書いたのでしょう。

この作品は2018年アメリカの歴史ドラマの原作となっています。犯罪心理学と法科学を駆使して、男娼として働くストリート・チルドレンを標的とした殺人を行うシリアルキラーを追う特別チームを組むという内容で、全10話制作されました。

ジンジャー・フィッシュ(マリリン・マンソン)の芸名

 (650917)

世界的に人気のロックバンドであるマリリン・マンソンに1995年から2011年まで所属し、ドラマーとして活動していたジンジャー・フィッシュは、アルバートフィッシュから芸名を付けています。

本名はケネス・ロバート・ウィルソンと全く関係のない名前ですが、ロックバンドとして活動する上で付けた芸名がアメリカの女優でダンサーのジンジャー・ロジャースと、アメリカ史上最悪の殺人鬼アルバートフィッシュを由来としているということです。

アルバートフィッシュに続くカニバリスト

6 / 7

関連する記事 こんな記事も人気です♪