2019年8月4日 更新

ヤギの目が怖い!怖く見える理由と悪魔的なイメージがついた理由とは

ヤギの目をじっくり見たことはありますか?意外と怖い目をしています。でもそれは、昼夜に関わらず敵をいち早く見つけるために大切な機能を備えているから。大人しい草食動物ながら、悪魔的なイメージも持つヤギの魅力を見つけるため、その不思議な瞳をのぞいてみましょう。

目次

日本でペットとして良く飼われているのは、小型のシバヤギやトカラヤギです。シバヤギは日本に古くからいる品種で、体重は20~40kg。一般的なヤギであるザーネン種が50~90kgですから、かなり小型です。毛の色は主に白、オスにもメスにも角があります。

トカラヤギも在来種で、毛の色はベージュや黒、背中に黒い線があることが特徴です。体重は20~35kgと小柄です。(写真のヤギはトカラヤギではありませんが、トカラヤギはこの写真のように足の短い小型のヤギです)

小型で飼いやすいですが、日本で乳用として長い間飼育されている日本ザーネン種と比べると、やや懐きにくいようです。

日本ザーネン種

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日本ザーネン種は、最も代表的なヤギであるザーネン種に、シバヤギのような日本在来種を交雑させて作り出された品種です。毛の色は白く、あごひげと一般的には肉ぜんを持ち、良くイラストで描かれるヤギそのものの見た目をしています。

シバヤギやトカラヤギに比べると体は大きいものの、とても穏やかで人に懐きやすく、女性や子供、お年寄りでも世話がしやすいヤギです。

乳用種のため出すミルクの量も多く、一日に2~4キロのミルクを出します。ヤギのミルクはアレルギーを発症しづらいため、牛乳アレルギーやアトピーを持つ子供のために飼う人もいます。

北アフリカ原産のピグミーゴート

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ピグミーゴートは北アフリカ西部原産で、1950年にアメリカに導入され、動物園や学校などでペットとして人気が高いヤギです。毛の色は黒、灰色、黄褐色をベースに白か黒の毛が混じっています。

名前通りとても小さなヤギで、体重は18~30キロほど、子ヤギの時は猫より小さく、本当にかわいらしいヤギです。性格は穏やかでフレンドリーですが、その分寂しがり屋なので、仲間と一緒に飼ったり、まめに遊んであげなくてはなりません。

学校の情操教育でも活躍

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ヤギは小さくて人懐こく、子供でも世話ができるため、小学校や幼稚園で飼われることもあります。ある幼稚園ではヤギを飼育し、エサを食べたり出産したりといったヤギの行動を見守る中で、子供同士のけんかが少なくなったり、嫌なことを頑張れるようになったりといった成長が見られたということです。

また、小学校から高校まで、自主性を育むために設けられた「総合的な学習の時間」において、ヤギを飼育する試みをおこなっている学校もあります。ヤギを飼い、その糞を利用して米や野菜を作ったり、ヤギ乳を搾って料理をしたりすることで、自分たちの食と健康や環境問題、命の大切さを学ぶことができるのです。

レンタルも可能

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ヤギは寿命が15年程度ある動物で、飼い続けるのは大変です。そのような場合は、ヤギのレンタルをおこなっているところで借りてくるのも良いでしょう。ヤギは一般的には除草用という名目で貸し出されています。先ほどご紹介した通り、ヤギは背の低い草でも食べることができる上に、硬くて繊維の多い草を好み、除草が厄介な雑草を良く食べてくれます。

また、木の葉や枝も喜んで食べるので、せん定枝の処理もしてくれます。さらに、機械での除草がしにくい斜面も楽々上り、きれいにしてくれるなど、いいことづくめです。
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レンタル料金は一か月で1~2万円ほどですが、その他に小屋や飼料などを揃える必要があります。レンタルと言えど命を預かるのですから、万全の準備をして迎え入れなくてはなりません。輸送方法や、万が一病気になったり死んだりした場合はどうするのかもチェックしておきましょう。

ヤギは有能な生きた除草機になるだけではなく、その愛らしさから癒しの存在にもなります。そのため、レンタルしたヤギを返したくない「ヤギロス」になる人もいるそうです。そうなった場合は、レンタルしたヤギの買取に応じる業者もありますので、相談すると良いでしょう。

ヤギにはすごい能力がたくさんある!

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ヤギはその小さな体から、肉やミルク、皮や毛、労働力などたくさんの恵みを私たち人間に与えてくれています。日本では昔は農家などで気軽に飼われており、食や命の大切さを教えてくれる身近な存在でした。しかし、現在では動物園や牧場などでしかヤギを見ることができず、触れ合う機会も少なくなっています。

あまり見慣れない、横向きの変わった瞳孔を持つヤギは、漫画やアニメなどで見る悪魔のイメージと重なり、不気味で怖い印象を人に与えることもあるかもしれません。ですが、ヤギを良く見つめ、良く知ると、その奇妙な瞳孔の中に、厳しい環境を生き抜くための知恵や力が見えてきます。そして、その気さくさ、賢さにきっと夢中になることでしょう。
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ヤギはペットとしても、また家畜としても今熱い視線が注がれています。ヤギは牛と違い、人間と食べるものがかぶりません。また小柄でおとなしいため、高齢化が進む農家でも飼育が可能で、そのミルクと肉は栄養満点です。これからますます深刻化する食料自給率低下にブレーキをかける存在としても期待されているのです。

そのかわいらしさ、賢さ、丈夫さ、有用性、どれをとってもヤギは魅力がいっぱいです。ヤギは人を堕落させる悪魔ではなく、人の生活をより豊かに、より楽しくしてくれる救世主なのです。

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