2019年8月4日 更新

ヤギの目が怖い!怖く見える理由と悪魔的なイメージがついた理由とは

ヤギの目をじっくり見たことはありますか?意外と怖い目をしています。でもそれは、昼夜に関わらず敵をいち早く見つけるために大切な機能を備えているから。大人しい草食動物ながら、悪魔的なイメージも持つヤギの魅力を見つけるため、その不思議な瞳をのぞいてみましょう。

目次

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目のつくりは、食べるものの他に生活環境にも影響を受けています。例えば夜行性の動物の目は暗闇で光ります。これは先ほどご紹介した「輝板」のためです。

また、夜行性の動物は光をより多く取り込むために、目が大きいものも多くいます。中でもメガネザルは大変目が大きく、片方の目が脳と同じ重さです。あまりに大き過ぎるために動かすことができず、後ろを見るときは首を180度回転させて見るそうです。

逆にとても目の小さな動物もいます。モグラです。モグラは土の中で生活しているため、目は針でついた穴のように小さく退化しています。その代わり、嗅覚がとてもよく発達していて、匂いを頼りに生活しています。

人間の目は?

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「人間の目は動物より悪い」と思いがちですが、決してそんなことはありません。人間は視覚情報に頼る生き物ですから、見る力はなかなかのものです。肉食動物と同じように立体視ができ、色の弁別も可能です。

夜行性の動物よりはかなり劣りますが、暗所では瞳孔が開き、ある程度薄暗いところでも活動できます。それなりにバランスの取れた能力を持っているのです。

人間の目が他の動物と大きく異なる点として挙げられるのが、白目がはっきりしていることです。野生動物は白目があまり見られず、霊長類でも白目がはっきり分かるのは人間だけです。これは、人間が視線を用いたコミュニケーションをおこなう中で、白目による黒目の強調という特徴が顕著に出たためだと考えられています。
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視線がはっきり分かると、敵や獲物に見ているものを知られてしまうというデメリットがありますが、それよりもチームを組んで狩りなどの行動を取るときに、お互いが考えていることを共有できるというメリットを重視したのでしょう。

「目は口ほどに物を言う」という言葉通り、人の目は物を見るだけではなく、感情や思考を伝えるツールとしても使われています。これが人間の目の最も優れた、また面白い特徴です。

瞳孔が横向きの動物はほかにもいる

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草食動物の多くは、瞳孔が横向きになっています。視野を広く保ち、敵を早く見つけて身を守るためです。ヤギの他にもいる、瞳孔が横向きになっている動物たちとその特徴をご紹介します。

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ヒツジはヤギに良く似ていますが、羊はヒツジ属、ヤギはヤギ属と、属レベルから違う動物で、染色体の数も違います。性質も好奇心旺盛で気の強いヤギに比べると、ヒツジは穏やかで臆病な傾向があります。

ヒツジの目もヤギのように横向きで、敵を見つけやすくなっています。また、しっかりと固まって群れを作ることで、群れ全体の視野はさらに広がります。
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しかし、ヒツジは臆病なため、オオカミなどの敵が実際に現れるとパニックになってめちゃくちゃに走り回ってしまい、結局敵に捕まってしまうことがあります。

シートン動物記では、そういったヒツジのパニックを防ぐために、ヒツジの群れにヤギを混ぜておく、というエピソードがあります。オオカミが来たときにヒツジはヤギに従い、落ち着いて安全に逃げられるというわけです。

鹿

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鹿は見た目が馬に似ていますが、ヤギやヒツジと同じウシ目(偶蹄目)で、険しい崖も軽快に走ることが出来ます。足が長くて体つきがスマートな分走るのも速く、草原でも山でも抜群の機動力を誇ります。草食動物で、やはり敵をいち早く見つけるため、目は顔の側面に付き、瞳孔は横長になっています。

また、ニホンジカはお尻に白い毛があり、緊張したり興奮したりするとその毛が広がります。これは群れで一斉に走って逃げるときに、仲間について走るための目印となっているそうです。

このお尻の白い毛は「尾鏡」といい、他の種類のシカや別の動物にも見られます。敵を見つけて自分だけが逃げるのではなく、仲間にも知らせることにより、一頭だけはぐれるのを防ぎ、群れ全体が生き延びることができるのです。

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馬は草食動物ですが、ウシ目のヒツジやヤギ、鹿とは違い、ウマ目(奇蹄目)に属しています。ヤギやヒツジはひづめが4本(うち、地面についているのは2本)ありますが、ウマは中指に当たる1本指で立って走ります。

ウシ目の動物に比べると安定性に欠けますが、広い草原をとても早く走り、敵から逃げることができます。その分退路を断たれることが死に直結していますので、やはり早く敵を見つけることがとても大切です。そのためウマはヤギと同じ横向きの瞳孔を持ち、ほぼ360°全ての方向を見ることができます。
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このウマの能力は自然では役に立ちますが、乗用馬や競走馬にとっては仇になります。目の端にちらついた光や小さな虫などで驚いてパニックになり、乗っている人を振り落としたり、転んで足を折ってしまったりといったトラブルを起こすのです。

それを防ぐために、鼻の上や目の脇に、視野を狭めるための装備をつけることもあります。このように馬はとてもデリケートな動物ですから、馬に接するときは驚かさないように気をつけましょう。

なぜヤギは悪魔になったの?

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先ほどご紹介した通り、ヤギには悪魔的なイメージがあります。古代から人の生活を支え続けてきたヤギが、なぜ悪魔のシンボルとされているのか、その理由をご紹介しましょう。

ヤギの悪魔の名前

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