2019年8月4日 更新

ヤギの目が怖い!怖く見える理由と悪魔的なイメージがついた理由とは

ヤギの目をじっくり見たことはありますか?意外と怖い目をしています。でもそれは、昼夜に関わらず敵をいち早く見つけるために大切な機能を備えているから。大人しい草食動物ながら、悪魔的なイメージも持つヤギの魅力を見つけるため、その不思議な瞳をのぞいてみましょう。

目次

サバト(魔女の夜宴)を主宰する悪魔サタンは、巨大で真っ黒な牡山羊の姿に変身し、2本の角の間にはろうそくを立てていると考えられていました。これが「サバトの牡山羊」です。

サバトの牡山羊の絵として有名なのが、19世紀の魔術師エリファス・レヴィが描いた「メンデスのバフォメット」です。絵の中に描かれた悪魔は頭が牡山羊で額には五芒星(☆)のマークがあり、背中にはカラスの翼、胸には女性の乳房があります。
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このバフォメットという名は14世紀頃からあったようですが、「メンデスのバフォメット」が描かれたことによってその名が知られるようになり、サバトの牡山羊は「バフォメット」と呼ばれるようになったそうです。

バフォメットはミサを司り、魔女たちから厚い崇拝を受けているとされています。また、タロットの大アルカナ15番の「悪魔」のカードに描かれている悪魔は、このバフォメットだとも言われています。

新約聖書では悪しきものの象徴

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ヨーロッパのキリスト教社会では、ヒツジは天使、ヤギは悪魔にたとえられていました。ヒツジはおとなしく従順な動物で、牧童に導かれて草原を進みます。この草原を人生にたとえた時、導く者(牧童)は神、そして導かれるもの(ヒツジ)は人間だとされていました。

また、イエス・キリストも「神の子羊」と呼ばれています。キリスト教の社会ではヒツジをいけにえにする習慣があります。イエス・キリストは罪深い人々の罪を背負い、十字架にかけられて死んだ「いけにえのヒツジ」であり、それによって多くの人の罪を救ったと考えられているのです。このように、キリスト教においてはヒツジは聖なる存在とされています。

それに対して、良く似た種であるヤギは、悪魔的な存在として見なされていました。これは古代ヨーロッパにおいてヤギが神の象徴とされていたからだと考えられています。キリスト教は土着的先行宗教を異教と見なし、排除しようとしました。その流れの中で、神とされていたヤギが悪魔にされてしまったのかもしれません。

ギリシャ神話とヤギ

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先ほどご紹介した通り、古代ヨーロッパではヤギは神の象徴でした。ギリシャ神話における最高神ゼウスはヤギの乳で育ったと言われ、ヤギは幸運のシンボルともなっています。

ギリシャ神話にはヤギの姿をした神様も登場します。牧畜の神パンです。パンはヤギのような角ととがった耳を持ち、下半身は毛に覆われていて尻尾と蹄を持っており、半分は人間、半分はヤギのような姿をしています。

パンは大変な好色で、時には分身してまで多くの女性をものにしました。また「パニック」の語源にもなっている通り恐慌状態に陥りやすい神でもあり、怪物に襲われて魚に変身し川に逃げたものの、下半身だけ魚、上半身は山羊の姿になってしまったという神話があります。十二星座であるやぎ座は、このときのパン神の姿を表しているとされています。
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このような性格から、パン神はキリスト教における悪魔の原型とされたようで、13世紀頃に描かれた図画では、悪魔はパン神に似たヤギの角やとがった耳、毛に覆われた下半身を持つ存在となっています。

ギリシャ神話では神や幸運の象徴として尊ばれていたヤギが、キリスト教では悪魔とされたという点から見ても、それぞれの動物が持つイメージは、人の勝手な価値観から生まれていることが分かります。

他にもある!ヤギのおもしろポイント

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ヤギの特徴は貯金箱のようなふしぎな目ですが、他にもおもしろかわいいポイントはたくさんあります。知れば知るほどユーモラスで不思議でちょっぴり不気味なヤギ。そんなヤギの魅力をご紹介しましょう。

上の前歯がない

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ヤギは地面に生える背の低い硬い草を食べますが、なんと上の前歯がありません。スタジオジブリの長編アニメ映画「となりのトトロ」で、メイの持つとうもろこしに惹かれたのか近づいてきたヤギが、上の歯も下の歯もしっかり描かれていましたが、それは間違いです。

上の歯茎には歯と同じくらい硬い「歯床板」という組織があり、下の歯を包丁、歯床板をまな板のように使って、草をちぎって食べます。草を長い舌で巻き取って食べる牛とは違い、背の低い草も上手に食べることができます。

下の前歯は人間とものと似ており、口を開けると歯の一部ないおじいさんのように見え、なんともかわいらしくてユーモラスです。

肉ぜんがある

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品種によっては、ヤギはあごの下にあごひげに加え、細長いかたまりをぶらぶらとぶら下げています。これは「肉ぜん」といい、皮膚が垂れ下がったものです。羊には肉ぜんがありませんから、あるものは間違いなくヤギだと判断して良いでしょう。

肉ぜんは主にあごの下にありますが、まれに耳にあるものもいます。しかし、何のためにあるのかは分かっていません。おそらく何の役にも立っていないだろうという説が有力です。何の役にも立っていないものを堂々とぶら下げていると思うと、なんだかこっけいでかわいらしく感じられます。

お尻の穴が大きい

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ハムスターのお尻「ハムケツ」や、コーギーや柴犬のふわふわお尻が人気ですが、ヤギのお尻もまた良いものです。ヤギのしっぽは短く、元気良く立っています。しっぽの下には毛が生えていないため、肛門や生殖器など、大事なところが全部丸見えで、なんだかイケナイものを見てしまったかのような気持ちになります。

中でも目に付くのは立派な肛門。排便の時にはしっぽを思いきり持ち上げ、ぽっかりと大きく開いた肛門から丸いフンがぽろぽろこぼれます。その様子はパチンコで大フィーバーしたかのようで、見ていると胸がすっとします。

ヤギは身体能力もすごい

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牧場でのんびりと草を食べているヤギからは想像できませんが、ヤギはもともと山岳地帯に住む動物で、驚きの身体能力を持っています。ヤギの持つ素晴らしい力をご紹介しましょう。

崖を登ってしまう

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ヤギの足はとても丈夫で、崖を駆け上がることができます。また、ひづめも崖を上るのに適した形になっています。ヤギは偶蹄目に属し、ひづめは4つあります。ひづめは外側は固くなっており、内側はゴムのように柔らかくなっています。この部分が滑り止めの役割を果たしているのです。

また、普段は前側の2つのひづめ(人間でいう中指と薬指)で立っていますが、崖を歩く時には後ろ側の2つのひづめ(人差し指と小指)も使います。4つのひづめを上手に岩場に引っ掛けることで、険しい崖も難なく進めるのです。

「ヤギ 崖」で検索すると、狭い崖に沿って進むヤギたちの画像を見ることができます。人間からすると崖どころか絶壁にしか見えないような場所も涼しい顔をして渡っています。その様子はまるで壁画のようで、きっと驚くことでしょう。

バランス感覚が優れている

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