2019年8月20日 更新

裸ローンとは?中国で社会問題化する裸ローンの仕組みと問題点

あなたは、裸ローンという言葉を聞いたことがありますか?実は今、中国で社会問題になっている裸ローンですが、今初めて聞いたという方も少なくないでしょう。今回は、そんな裸ローンの仕組みや内容と問題点、社会問題化した理由や背景を含めてご紹介します!

目次

裸ローンが中国女性に流行して社会問題に

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中国と言えば広大な土地に人口13億人を抱える国で、現在急速な経済成長を遂げています。超高層ビルが林立する都市上海は、国際的な金融センターとしても有名ですね。

しかし、そんな急速な経済発展の裏で、「裸ローン」と言われるものが、若い中国人女性たちの間に流行し社会問題になっています。

お金が無い若い女性や学生の間ではローンが流行っており、安易な気持ちでお金を借りてしまう若者が後を絶たないようですが、その中でも「裸ローン」は特に危険なものだと言われていますので、今回はそんな「裸ローン」について詳しく見ていきましょう。

中国で流行する裸ローンとは?

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中国で流行する裸ローンとは一体どんなものなのでしょうか?ローン(loan)とは本来「何かを貸す」という意味の言葉なのだそうですが、銀行では個人のお客さんにお金を貸す(融資する)場合の商品のことをローンと言うのだそうです。マイカーローンや住宅ローンなどは良く耳にする言葉ですよね。

ですが裸ローンは、日本ではあまり馴染みのない言葉ですので、「一体何のことを言っているの?」とピンとこない方も多くいることでしょう。ここでは、裸ローンの流行と問題化についてご紹介します。

担保がなくても借りられるローン

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ローンには担保を必要とするローンと担保を必要としないローンがあります。そもそも担保とは、お金を借りた側が将来返済出来なくなった場合、借金を補い保証するもののことを言いますので、簡単に言うと借金返済が不可能になった場合、担保にしていた土地やお金になる物品などが、貸主の物になるということです。

しかし、一方で個人向けのローンには担保を必要としないものがあります。無担保ローンと聞くと不安に感じる人もいるでしょうが、無担保ローンの場合は借主がお金を返せなくなった時のリスクが大きいため、借主の審査を非常に厳しく行うという特徴があります。

ですが、中国で社会問題になっている裸ローンには、不動産や物品などの担保を必要としないケースがほとんどで、しかも借主側の審査も無いに等しいというのが実情です。果たして、そんな美味しい話が本当にあるのでしょうか?

お金のない20代女性に大流行

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無担保で審査もなくお金を借りられるという気軽さから、お金の無い20代女性の間で大流行した裸ローンですが、なぜ社会問題に発展するほどに流行してしまったのでしょうか?

その大きな要因として、スマホで簡単に手続きが出来て借りられるということが挙げられます。裸ローンでお金を借りた女性たちの多くは、「ちょっと懐が寂しいな」「お小遣いが欲しいな」と思っていたところに、たまたま目にした広告が目にとまり、あまり深く考えることもなくチャットで借金の申し込みをしていたようです。

対面でやり取りするわけでもなく、店舗が存在するわけでもないので、SNS上で業者側から指定されたものを提出すれば、あとはお金を借りたい女性個人の銀行口座にお金が振り込まれるというシステムです。その手軽さゆえに、後先考えずお金を借りてしまう若い女性が後を絶たないのでしょう。

被害者は1万人?社会問題になり自殺者も

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主に18歳から20歳前後の女子学生を狙って、気軽にお金が借りられると勧誘を行い、その担保に女性達から身分証明書と自撮りの裸写真を預かる裸ローンですが、その被害者は約1万人にも及ぶと言われています。

しかも、返済が不可能になったところで、親や親族、学校関係者や友人などに、借金の返済を催促する書面と写真を送り付けるという悪質な手口に、精神的に追い詰められた女性達の間では、自殺者が相次ぐという痛ましい事態が起こっており、裸ローンは中国で大きな社会問題になっています。

裸ローンの仕組み

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担保がなくても借りられる気軽さゆえ、お金のない中国人の20代女性に大流行した裸ローンですが、自殺者が出ているということからも、問題のある金融システムだということは分かりますね。

ですが、それにも関わらず裸ローンが無くならない背景には一体何があるのでしょうか?今や中国では社会問題に発展している裸ローンが、なぜこんなにも横行しているのか?裸ローンの仕組みについて、まずは解説します。早速、見て行きましょう。

P2P金融サイトで貸し手を探す

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裸ローンの母体になっているとされるのが、P2P金融サイトと呼ばれるものです。P2P金融のP2Pとは「peer to peer」のことで、peerとは仲間や同僚、同輩を意味し、個人間でお金を貸したり、借りたりする金融システムのことを意味しています。

個人同士で直接お金を貸し借りすることもあれば、間に仲介業者のような会社が存在することもあり、銀行などでお金を借りる事に比べると、担保がほとんどいらないというメリットが有る代わりに、利息が高いのが特徴と言われています。

日本でいう闇金や街金の類で、こうした非公認の金貸し業者が集まるサイトというものが存在し、お金を借りたい人と貸したい人の出会いの場になっているのです。

「今借到」や「借貸宝」等のマッチングサイト

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先ほど、P2Pについてお話しましたが、中国で実際にP2P金融サービスを提供しているサイトには「今借到」や「借貸宝」といったものが存在します。

これらのサイトでは、お金を借りたい人とお金を貸したい人との間を取り持つマッチングサービスを提供していますが、企業の審査が一切入っていないので、保証金や利子などの名目で、お金を借りたい人に先に少額を振り込ませ、そのまま逃げてしまうなんてケースが多いそうです。

このようにマッチングサイトは様々なトラブルの温床になっていると言われています。

ヌード写真や個人情報を担保に入れる

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個人間のお金の貸し借りで、ある種の信頼を前提としていると言われるP2P金融ですが、一般の金融機関を頼れないようなお金の無い人が多く利用するシステムということもあり、貸し倒れのリスクが高いため、当然ですがお金を貸す側は確実に貸したお金とその利子を回収しようとしてきます。

ですが、普通の金融機関でお金を貸すのとは違い、担保に出来るような金融資産を一切持たない人達にお金を貸すことになりますから、借りた相手が絶対に逃げられないようにするための、担保の代わりが必要になります。

そこで、マッチングサービスを利用した街金や闇金が考え出したのが、若い女性にヌード写真や個人情報を提出させ逃げられないようにするという手法でした。

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