2019年8月20日 更新

裸ローンとは?中国で社会問題化する裸ローンの仕組みと問題点

あなたは、裸ローンという言葉を聞いたことがありますか?実は今、中国で社会問題になっている裸ローンですが、今初めて聞いたという方も少なくないでしょう。今回は、そんな裸ローンの仕組みや内容と問題点、社会問題化した理由や背景を含めてご紹介します!

目次

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自分の裸や個人情報をローンにしてお金を借りた後は、返済地獄がまっていると言われています。なぜなら、裸ローンの被害にあった学生や若い女性たちは、「借りたお金が少額だからすぐに返せる」と判断してしまい、業者にとっては月20%が当たり前になっている金利のことをあまり深く考えず借りてしまうことがほとんどだからです。

そして、高金利がゆえにどんどん膨らんでいく借金に、多くの場合返済しても返しきれないというループに陥ってしまい、借金を返すための借金で気づいたらものすごい額になっているのだそうです。

督促状は親や学校に写真つきで

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業者側は担保として預かったヌード写真や個人情報は、あくまでも担保であって、もし万が一期日までに返済が出来なくても流出はしない、安心して欲しい、そんな甘言を囁いてお金を貸すようですが、実際には期日に間に合わなかった場合、督促状がメールで親や学校に送られてくるのだそうです。

しかも、担保として提出したヌード写真つきのメールが、親だけではなく親戚や学校関係者、友人の携帯にまで届いたというケースもありますから、本人にとっても家族にとっても、これほど屈辱的なことはありません。

裸ローンの問題点

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個人間でお金の貸し借りをする裸ローンには様々な問題がありますが、なぜ問題のある裸ローンが中国でここまで急速に拡大してしまったのでしょうか?

その背景には、中国で電子マネーが普及したことが関係しています。画像や動画のやり取りはもちろんのこと、お金を貸すのも借りるのも、全てスマートフォンの電子マネーの送金機能で完了するという便利なシステムを作り上げたことが裏目に出てしまったのが、裸ローンです。

貸主が裸ローンで女性達に提出させた写真や動画などもこのシステムを使用すれば簡単に売買が行え、受け取りはメール、支払いは電子マネーで行えるため、ここまで急速に普及したと言われています。便利さの裏には弊害もあるということですね。ここでは、裸ローンの問題点について見て行きましょう。

金利が高すぎる

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裸ローンは、銀行などのローンと比べると、担保がほとんどいらない代わりに、利息が高いのが特徴です。普通にお金が借りられる人であれば通常は銀行などの金融機関から借り入れしますが、裸ローンを頼ってくるのは、担保を持たない個人がほとんどです。

2018年1月25日中国で法外な利息で金を貸していた業者が摘発されていますが、この業者からお金を借りていた人の話によると、1万元(約17万円)借りる場合には、借用書に実際に借りる額の数倍の額を書かされたといいます。

しかも、期日通りに返済できなければ、元金の数十倍もの違約金を支払わされることになるという約束で、違約金欲しさに業者がわざと返済を遅らせるよう仕向けてくることもあったようです。
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業者によってローンの金利は月々8~15%とまちまちのようですが、月に20%という法外な額を請求する業者も存在しており、数万円借りたのものが数十万、数百万と膨らんでしまい、それを返すために他の業者から借りて返済に充てるという自転車操業に陥る借主が後を絶たないという問題があります。

預けた写真は消せない

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「リベンジポルノ」という言葉を耳にされたことのある方もいるでしょう。これは、別れた交際相手の裸の写真を、相手への腹いせにネット上で公開する行為のことですね。実は、一度写真や動画などがネット上に公開されてしまうと、本人の意思に関係なく、動画や写真がネット上で拡散され永久に残り続けてしまうという問題があります。

これは裸ローンでも同様で、スマホで撮った写真を一度相手に送ってしまうと、それを送信した本人の意思には関係なく、相手のスマホやパソコン、或いはネット上に拡散され、永久に消せない汚点として残ってしまう可能性があるということです。

借り手は実名だが貸し手は匿名

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お金を借りたい人と貸したい人が個人間でやり取りを行うきっかけとして利用されているのが「借貸宝」と呼ばれているサイトですが、このサイトでは借り手は実名で貸し手は匿名という特徴があります。

日本であれば、貸金業者というのは営業所や事務所を設置する場合は、都道府県知事に登録を受けなければならないとされており、無登録で営業を行っている業者は、貸付行為そのものが違法となり、処罰の対象となります。

もちろん中国でも違法な貸し付けは処罰の対象となるのですが、中国ではネットを通じたお金の貸し借りをするシステムが急速に成長していることから、行政や警察当局による取り締まりが追い付いていないのが現状なのだそうです。 

写真をネタに脅迫されるケースが増加

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契約する際、業者側は女性にヌード写真や動画を提出させますが、その動画はあくまでも担保であって、万一返済が期日に間に合わなくても、必ず流出するわけではないので心配はいらないと言ったり、ヌード写真を提出することで金利を優遇するなどと言って女性達に写真を提出させているようです。

しかし実際には、返済が滞ったり、返済出来なくなってしまうと、その写真をインターネットに流出させたり、親元や職場、友人などに送りつけるなどの脅迫行為が増加しています。

業者側はこの脅迫行為について「社会的・精神的制裁を金を借りた女性達に加えることが目的」と答えて、開き直っているようです。

返済できないと売春を求められることも

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高金利による貸し付けで、返済が不可能になってしまった女性に対して、業者側の対応はさらにエスカレートしており、最近では、返済が出来なくなってしまった女性に対して、お金を貸した業者や貸主が売春を強要するケースが増えてきているのだそうです。

しかも、売春を強要するだけではなく、裸ローンとセットにした新しいビジネスとして成立しつつあると言うのですから恐ろしいことです。

このビジネスモデルは、裸ローンで借金が返せなくなってしまった女性達を、ネットを介して売春を希望する男性たちにあっせんするというもので、売春で得た稼ぎを借金の返済に充てるというモデルなのだそうです。
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女性達の多くは、家族の連絡先を知られていることや自身のメンツもあり、誰かに相談することはなく、ほとんどの場合泣く泣くそれを受け入れているのだそうです。

完済しても請求され続ける脅迫事例

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裸ローンの業者は、若い女性達がお金を返すことが出来ないのが分かっていて、あえて高金利でお金を貸しつけます。そして、搾り取るだけ搾り取って払えなくなると、今度は親や兄弟にヌード写真と一緒にお金を返すよう脅迫文を送りつけるのです。

そもそも業者の狙いはこれで、実際に借金取りから連絡を受けた父親が、娘の代わりに約40万ほどの借金を完済し、娘も「借金はほとんど返し終わった」と話していたにもかかわらず、父親に娘のヌード写真が送り付けられ、さらに返済を迫られるというケースがありました。

一度ヌード写真と個人情報を握られてしまうと、完済しても請求される続けるというループに嵌って抜け出せなくなってしまうことがありますので、中国の警察当局では、借金を完済してもまた脅迫される可能性があるため、いざとなったら警察に通報するよう呼び掛けています。

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