2019年8月20日 更新

裸ローンとは?中国で社会問題化する裸ローンの仕組みと問題点

あなたは、裸ローンという言葉を聞いたことがありますか?実は今、中国で社会問題になっている裸ローンですが、今初めて聞いたという方も少なくないでしょう。今回は、そんな裸ローンの仕組みや内容と問題点、社会問題化した理由や背景を含めてご紹介します!

目次

そこで、今度は別の業者が彼女に他の消費者金融からお金を借りて、借金に充てればいいと助言したのだそうです。彼女はその言葉にまんまと載せられ、借金地獄の泥沼にはまって行きました。

少額だと、「いつでも返せる」「このくらいの金額なら大丈夫」と思ってお金を借りることへの抵抗感が薄れてしまいやすいのですが、そもそもその考えが危険だということを自覚していないというのが問題なのです。

週30%の高金利のリスクを知らない若者たち

Railroad Tracks Sitting Woman - Free photo on Pixabay (567983)

2017年4月北京紙の「新京報」に掲載された「大学生のネット金融調査報告」によれば、なんと大学生の66%は裸ローンなどのキャンパスローンの危険性を認識しておらず、年利36%以上が高利貸しになることを知っていたのは、わずか1.75%だったそうです。

裸ローンの被害にあった女子大生のほとんどは「少額だからすぐに返せる」と判断してしまい、高金利のリスクを理解していなかったため、借りた後にどれだけ借金が膨らんでしまうのか、その危険性を把握していないケースがほとんどでした。

マッチングサイトは場の提供だけ

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そもそも、お金を借りたい人と貸したいし人を結び付ける役割をしているマッチングサイトに問題はないのでしょうか?このようなサイトが無ければ、悪質な業者の被害に会う人たちを減らせそうな気もしますよね。

そこで、あるメディアの記者がマッチングサイト「借貸宝」の運営会社に連絡をしたところ「借貸宝は消費者金融の仲介をしているだけで、お金の貸し借りなどは借入人と貸付人が個人で行う方式(P2P)であるため、私たちは双方の貸し借りには介入していません。また、裸ローンを行うような悪質業者とは全く関係ありません。」と担当者が答えています。

恥ずかしくて泣き寝入り

Desperate Sad Depressed - Free photo on Pixabay (567989)

「中国では命よりもメンツ(面子)が大切」と言われます。実はこの考え方は、中国人の人生観や恋愛観、消費行動すべてに色濃く反映されているのだそうです。

そもそも、彼らの大切にしている面子とは何かというと、自身の能力や財力にたいする世間からの評判をより良く保ち、それを傷つけないこととされています。そして、子供のころから「人前で恥をかくな」と教育されているため、面子を保つことを最も重視しているのです。

ですから、女子大学生が裸ローンでお金を借りてまで、周りの子たちが持っている物を買おうとするのは、自分の持ち物や自身の見栄えを良くするため、面子を保つためでもあったのです。ですが、面子を保つために利用した裸ローンによって逆に面子を保てなくなり、恥ずかしくて泣き寝入りしてしまう女性が多いのです。

社会からの「同情するに値しない」との声も

Woman Model Street Beijing - Free photo on Pixabay (568000)

裸ローンを利用した女子大生などに対して、中国社会はどんな反応を示しているのでしょうか?もちろん「大人の監督責任や教育の落ち度」などを指摘する声もありますが、それに対して「女子大生はそこまで無辜(罪がないもの)ではない、彼女たちの過ちを周囲のせいにすべきではない」と言う反論の声もあります。

また、被害に会った女性達に対して「我々に同情心はひつようだが、同情の乱用があってはならない。ヌード写真が売られる彼女たちが可哀そうだからといって、その無知と虚栄心を無視することはできない」

「一時的な快楽のために金を借りた彼女たちが、悪徳業者に生存の道を与えている。そういう意味ではヌード写真を提供した女子大生も悪事に手を貸したと言える。」という意見もあるようです。また、中国メディアは「裸ローントラブルに陥った女子大生など同情に値しない」という厳しいコメントも出しています。

プロの詐欺集団が担っていた

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中国には様々な特殊詐欺集団が存在し、裸ローンにも関与していたと言われています。それを受けて、国もインターネット上で貸し手と借り手を結び付けるP2P金融市場の閉鎖を進めていく方針だそうです。

中国におけるP2P市場は1760億ドル(日本円で約20兆)という規模を誇りますが、市場に詳しい人や複数の関係者によると、債務不履行の急増や詐欺などの横行により、投資家たちから不満が出ているということでした。

中国でも日本と同様、貸金業に規制を設けていますが、こうしたプロの詐欺集団による被害は水面下で起こっているため、ハッキリとした素性を掴むことが難しいというのが問題になっています。

裸ローンは日本にも?被害を防ぐ方法

Pedestrians People Busy - Free photo on Pixabay (568007)

中国で2015年頃から横行し大きな社会問題にもなった裸ローンですが、実は日本でも同じような被害の事例があると言われています。いわゆる闇金と呼ばれる非合法の業者が、お金を融資する際に借入人に裸の自撮り写真を撮らせて、その写真を担保にするという悪質な手口が実際に使われたことがあったそうです。

闇金は中国の裸ローンと同様、違法な高金利を債務者に課しますので、途中で返済が滞ってしまうケースがほとんどです。ですが、日本の場合中国以上に闇金に対する取り締まりが厳しいですので、中国ほど横行することはないと言われています。

とはいえ、写真はアダルトサイトや掲示板などに流出する可能性がありますので、こうした業者には注意しなければなりません。

まずはお金を借りないようお金の管理をしっかりする

Piggy Bank Money Finance - Free image on Pixabay (568009)

お金の管理が出来ないと、必要な時にお金がなくて困ったり、旅行に行きたいのに行けないなんてこともありますよね。そんな時、「お金がないからまぁいいや。」「旅行は我慢して、近場に行こう」そんな風に妥協できれば良いですが、そうはいかないこともありますよね。

そうすると、人によっては銀行のカードローンやクレジットカードのキャッシングなどを利用する人もいるでしょう。もちろん、返す目途がきちんと立っていれば良いのですが、やはりお金を借りることに変わりはありません。

今はスマホで管理出来る家計簿やお金を管理できるアプリなどもありますから、まずはお金を借りなくてすむようお金の管理をしっかりすることが大切です。

お金を借りるなら適切なところから

Wallet Money Credit Card - Free photo on Pixabay (568017)

やむおえずお金を借りる必要がある場合には、適切なところから借りるようにしましょう。闇金と言われる違法な業者は、通常の金融機関とは違い非常に簡単な審査でお金を貸してくれます。

これはある意味違法なのですが、法律で定められた基準を守らないでお金を貸すということは、逆に借主からお金を請求する際も、違法な取り立てをする可能性が高いということです。

お金を借りる際は、銀行のカードローンやクレジットカードのキャッシング枠、生命保険をかけているなら「契約者貸付制度」、公的融資制度など検討して見ると良いでしょう。

裸の写真は渡さない

Girl Model Photo - Free photo on Pixabay (568025)

裸ローンの被害を防ぐためには、裸の写真は渡さないことが大切です。闇金に写真を渡してしまえば、例えお金を全額返済していたとしても、「写真を流出させるか」「させないか」という采配を悪徳業者に握らせてしまうことになります。

写真を渡すよう要求されたり、スマホで自撮り写真を撮って送るように言われても、決して応じないようにしましょう。また、もし裸の写真が流出してしまった場合は、Googleやサイトの運営者に削除申請をすることで流出の拡大を防ぐことが出来ます。費用がかかっても良いなら、業者に依頼して削除してもらう手もあります。

問題があればすぐに弁護士や警察に相談する

Office Attorney Reading - Free photo on Pixabay (568035)

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