2019年4月16日 更新

ノータリンの意味とは?放送禁止や差別用語と指定される理由も

Mr.Childrenの有名曲の歌詞にも出てくる、今や死語となった「ノータリン」は差別用語であり、当時は放送禁止用語ともされていたために様々な問題を生んだようです。この言葉の意味を正しく理解して、差別に対して責任をもった行動を心掛けましょう。

この曲の歌詞にも同時放送禁止用語だった『ノータリン』が含まれているため、Mr.Childrenが所属するレコード会社のトイズファクトリーは、この問題の部分に、市販のものとは違う歌詞に差し替えて収めた、PR 275という品番のCDを作成、配布をして様々な放送に対応をしたようです。

「僕はノータリンと」いう部分は「言葉では足りん」という響きの似た歌詞に差し替えられていたのですが、1996年にミュージックステーションでこの歌を披露した際には、 「僕はノータリン」とテロップを無視して歌い上げたというエピソードも有名です。

主題歌に起用された「ピュア」というドラマのヒロインが知的障害者という設定だったというのも重なり、の歌詞の中の「ノータリン」は『知的障害者への侮辱』というイメージを持たれてしまったということもあるようです。

笑点やジャポニカロゴスで放送されてしまっていた?

Secret Hands Over Mouth Covered - Free photo on Pixabay (182868)

す1966年5月15日から毎週日曜日夕方に放送されており、日本テレビの番組で2016年地点で放送期間の長さで歴代3位を誇る、『笑点』でも、どうやら何度かこの「ノータリン」とう言葉を普通に放送していたようで、数年前の放送のバックナンバーとして、この言葉をオチにしたコーナーの様子が確認できます。


フジテレビ系列にて2006年10月11日から2008年9月9日ので来週火曜日の23時~23時半に放送されていた、『タモリのジャポニカロゴス』でもこの言葉を放送されたことがあるようで、「言いまつがい」という、うっかり言い間違いをしてしまった面白い言葉にスポットを当てた人気コーナーにて、「仕事の出先にてノーリターンをノータリンと言い間違えてしまった」というネタがピックアップされるという放送内容だったようです。



差別用語なのに何故?放送禁止用語ではないの?と思われる方も多いでしょうが、これには放送禁止用語に対する考え方の変化が大きく関係しているようです。1970年代以前に『低俗な放送内容』が問題となったことにより「七大卑語」が一律な放送禁止用語とされるなど、当時は放送やメディアでの言葉に対してかなり厳しい傾向にあったようです。 

しかしそれも2008年以降から、放送での言動は、主に視聴者からのクレームによって宜定にされるもの、といいう風潮になっていきます。これは言論や表現の自由を尊重するという概念が元々国民に定着していることによるもののようで、発言者自身に責任を問うという傾向に形を変えていったといえるようです。しかし数少なく司法により、放送禁止用語として公にされている言葉もあり、「めくら」や「ちんば」です。

放送禁止の歌詞は他にも?

Girl Music Fashion - Free photo on Pixabay (182874)

放送禁止の歌詞と一言でいいましても、差別用語だからという理由の他にも、びっくりしてしまう理由での「放送し難い」楽曲があるようです。

差別用語から外れた視点での放送禁止の楽曲を一部集めてみたところ、こうなりました。

ガッツたぜ/ウルフルズ

Microphone Mixer Cable - Free photo on Pixabay (183195)

「惚れたい ハメたい ナンパされたい」というAメロディー部分の歌詞が性的情事を意味していて卑猥、という意味で問題になり当時の放送禁止項目に引っ掛かったようです。

NHKの紅白歌合戦に出演した際には一部歌詞を変更して歌唱、放送されたようです。

S.O.S/ピンクレディー

Pink Roses Background - Free photo on Pixabay (183201)

レコードで話題作りのため冒頭に使用した、S.O.Sのモールス信号音が当時の電波法に触れてしまい、放送禁止用語によって問題になったというよりも 、法に触れる 音響だったためといえるようです。

こちらは問題の部分を カットして放送するという対応をされたようです。

たべちゃうぞ/ガチャピン

Pumpkin Halloween Frankenweenie - Free photo on Pixabay (185656)

1975年のひらけポンキッキの挿入歌だったこの曲は、子供番組の歌としては脅迫的すぎるというような理由で世間をさわがせたようです。

『いたずらするこはたべちゃうぞ』という内容の歌詞が怖いという視聴者からの抗議が相次いだため、放送が自粛になったという事情での「放送禁止用語」とのことです。

加爾基 精液 栗ノ花/椎名林檎

Couple Romance Love - Free photo on Pixabay (183208)

こちらは2003年に発売されたCDアルバムのタイトルでなのですが、当て字の漢字ので書かれた三つの単語のその読み方は、どれも極めてアダルトな意味やそれを彷彿させるものです。

アーティスト自身の出産後初めてのアルバムということから生命を意味して付けたタイトルのようですが、「カルキ ザーメン クリノハナ」という読み方が、性的情事や卑猥なイメージをさせるという面での放送禁止用語、というところなのでしょう。

使い道のない言葉は死語へ

Beach Sea Sky - Free photo on Pixabay (182889)

ノータリンという言葉は精神状態の異常や知的障害者をを見下す言葉であったため、世間はこの言葉自体を廃止して、差別による被害者の拡大を防ごうと動きました。

この言葉に限らず悪い意味の使われ方をしたり事実の誤認を招く言葉というものは、メディアや教育分野などを介して『ダメなこと』だという知識を拡大させ、禁止を呼びかけます。

やがて人々の心に『使ってはダメな言葉』だという認識が広く根付くと、常識を考えて自ら言葉を口に出す人も減っていき、やがて時を経て元々なかったかのような意味の通じない言葉、死語となるようです。

ノータリンは普段使いできる言葉ではない

Two Girls Good Friends Meadow A - Free photo on Pixabay (182895)

今や死語となったノータリンという言葉は、一見ただの茶化しの言葉に思われがちであったり、世代によっては意味を知らずにうっかりつかってしまいかねい、それどころか今も意味を知らない故に何気ない感じで軽くつかわれているのかもしれません。

しかし この言葉の元々の意味や由来、その背景にあった人々の現状、当時この言葉によって酷く傷付いた被害者の方々の思いを想像すると、とてもでなく普段軽いノリで口にできる言葉などではないことを、今回少しでもご理解いただけたのであれば幸いなものです。

意味のわからない言葉は軽く使わない、差別用語とは何かを考える、このような意識や心掛けが、時代や世の中を作り上げていくことをもう一度考えてみましょう。


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