目次
- エリサ・ラム事件とは
- エリサ・ラム事件の不可解な謎
- エレベーターでの奇妙な行動は何を意味するのか?
- なぜエレベーターの扉が閉まらなかったのか?
- どうやって貯水タンクのある屋上に行ったのか
- エリサ・ラムとはどんな人物だったのか
- セシル・ホテルで起きた事件
- ブラック・ダリア事件
- ゴールディー・オズグッド殺人事件
- 「ナイトストーカー」リチャード・ラミレス
- 「ウィーンの絞殺魔」ジャック・ウンターヴェーゲル
- 「自殺ホテル」という悪名
- 事件がポップカルチャーに与えた影響
- ドラマ「キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き」
- ドラマ「殺人を無罪にする方法」
- 映画「仄暗い水の底から」との奇妙な一致
- エリサ・ラム事件と映画「仄暗い水の底から」の共通点
- 精神疾患を持っている
- エレベーターで起こる怪奇現象
- マンション・ホテルという建物の貯水槽
- そもそも霊は実在するのか?
- 心霊ブームの端緒となったフォックス姉妹の「ハイズヴィル事件」
- 心霊写真のトリック
- 幽霊は脳が見せる錯覚?
- なぜ人々は心霊現象に魅せられるのか?
- エリサ・ラム事件には他にも色々な考察がある
- 自殺説
- 他殺説
- 本当に奇妙なのは「事件」にしたがる人々?
ブラック・ダリア事件とは、1947年1月にロサンゼルスでエリザベス・ショート(Elizabeth Short)という女性が惨殺された未解決事件です。当時22歳だった女優志望のショートがロサンゼルスを旅行中に何者かに殺害されました。
ショートの遺体は上半身と下半身が分断され、唇の両端から耳までが切り裂かれて口裂け女のような状態になっているという無残なものであり、マスコミで大きく報道されました。
ショートの遺体は上半身と下半身が分断され、唇の両端から耳までが切り裂かれて口裂け女のような状態になっているという無残なものであり、マスコミで大きく報道されました。
via pixabay.com
当時、アメリカのマスコミでは注目を集めた犯罪にニックネームを付けることが通例であり、ショートはマスコミから「ブラック・ダリア(Black Dahlia、映画「ブルー・ダリア」のもじりでショートの生前のニックネームだと言われているが、記者の創作説もある)」と名付けられました。
警察による事件の捜査は困難を極め、実に150人以上もの被疑者が捜査の対象となりましたが、現在に至るまで犯人は不明です。被害者のブラック・ダリアことエリザベス・ショートが生前最後に滞在したと推測されているホテルが、他ならぬセシル・ホテルです。
警察による事件の捜査は困難を極め、実に150人以上もの被疑者が捜査の対象となりましたが、現在に至るまで犯人は不明です。被害者のブラック・ダリアことエリザベス・ショートが生前最後に滞在したと推測されているホテルが、他ならぬセシル・ホテルです。
ゴールディー・オズグッド殺人事件
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ゴールディー・オズグッド殺人事件とは、1964年6月にセシル・ホテルに宿泊していた女性、ゴールディー・オズグッド(Goldie Osgood)が殺害された事件です。オズグッドは一緒に宿泊していた友人たちと会話をしてから数分後に何者かに襲われ、強姦されて殺されたと見られています。
オズグッドは近所の公園で鳩にエサをやる姿から「パーシング広場の鳩女(Pigeon Lady of Pershing Square、パーシング広場はダウンタウンロサンゼルスにある広場)」と呼ばれており、ちょっとした有名人でした。
ブラック・ダリア事件と同じく、オズグッドの事件も未解決であり、現在に至るまで犯人は捕まっていません。
オズグッドは近所の公園で鳩にエサをやる姿から「パーシング広場の鳩女(Pigeon Lady of Pershing Square、パーシング広場はダウンタウンロサンゼルスにある広場)」と呼ばれており、ちょっとした有名人でした。
ブラック・ダリア事件と同じく、オズグッドの事件も未解決であり、現在に至るまで犯人は捕まっていません。
「ナイトストーカー」リチャード・ラミレス
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1984年から85年にかけて13人もの人間を殺害し、「ナイトストーカー(Night Stalker)」と呼ばれて恐れられた犯罪者、リチャード・ラミレス(Richard Ramirez)はセシル・ホテルに滞在して多くの犯行を行いました。
テキサス州生まれのラミレスは、10代の頃から万引きなどの犯罪に手を染めるようになり、さらに悪魔崇拝者を自称していました。24歳になった1984年に最初の殺人を犯してから1985年に逮捕されるまでの約1年の間に数々の殺人や暴行、強姦を犯しています。
特に1985年の7月20日には、一晩の間に5人の人間を殺害、3人の人間を強姦して金品を奪うという凶悪さでした。1985年に逮捕されて死刑判決を受け、カリフォルニア州のサン・クエンティン州立刑務所に収監されていましたが、2013年に病死しています。
テキサス州生まれのラミレスは、10代の頃から万引きなどの犯罪に手を染めるようになり、さらに悪魔崇拝者を自称していました。24歳になった1984年に最初の殺人を犯してから1985年に逮捕されるまでの約1年の間に数々の殺人や暴行、強姦を犯しています。
特に1985年の7月20日には、一晩の間に5人の人間を殺害、3人の人間を強姦して金品を奪うという凶悪さでした。1985年に逮捕されて死刑判決を受け、カリフォルニア州のサン・クエンティン州立刑務所に収監されていましたが、2013年に病死しています。
「ウィーンの絞殺魔」ジャック・ウンターヴェーゲル
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「ウィーンの絞殺魔」として知られるオーストリア出身の殺人犯、ジャック・ウンターヴェーゲル(Jack Unterweger)は、晩年の1991年にセシル・ホテルに滞在し、3人の人間を殺害しています。
1974年にウィーンで売春婦を殺害した容疑で有罪となり投獄されますが、獄中で本を読み漁って教養を身に付け、獄中出版した自伝がオーストリアの文学賞を受賞して注目を集めます。
1974年にウィーンで売春婦を殺害した容疑で有罪となり投獄されますが、獄中で本を読み漁って教養を身に付け、獄中出版した自伝がオーストリアの文学賞を受賞して注目を集めます。
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支持者の請願によって仮釈放が実現し、更生した犯罪者としてメディアから注目を集めました。しかし、実は殺人への欲望は収まっておらず、1990年に犯行を再開、最初の事件と同じように売春婦を次々と殺害していきます。
1991年にアメリカの売春婦を取材する、という名目でロサンゼルスに渡り、セシル・ホテルに滞在しながら3人の売春婦を殺害しました。後にオーストリアでの犯行が露見して逮捕され、拘置所で首吊り自殺をして生涯を閉じています。
1991年にアメリカの売春婦を取材する、という名目でロサンゼルスに渡り、セシル・ホテルに滞在しながら3人の売春婦を殺害しました。後にオーストリアでの犯行が露見して逮捕され、拘置所で首吊り自殺をして生涯を閉じています。
「自殺ホテル」という悪名
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セシル・ホテルでは未解決事件だけでなく、多くの自殺が起こっていることでも有名です。1931年にW.K.ノートンという宿泊客が毒入りのカプセルを飲んで自殺したことが最初の公式な記録であり、それ以降ホテルで自殺が多発するようになりました。
特に1930年代から50年代にかけて多くの自殺が起こっており、近隣住民から「自殺ホテル」と呼ばれてしまうほどでした。セシル・ホテルで自殺が多発した原因は、近隣の地域が経済的に衰退したことだと言われています。
セシル・ホテルがあるロサンゼルスの地域は、1927年にホテルが開業した頃は栄えていましたが、その後は衰退し、一時期は1万人ものホームレスが居住していました。
特に1930年代から50年代にかけて多くの自殺が起こっており、近隣住民から「自殺ホテル」と呼ばれてしまうほどでした。セシル・ホテルで自殺が多発した原因は、近隣の地域が経済的に衰退したことだと言われています。
セシル・ホテルがあるロサンゼルスの地域は、1927年にホテルが開業した頃は栄えていましたが、その後は衰退し、一時期は1万人ものホームレスが居住していました。
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ホテルはホームレスの一時的な居住地として利用されることもあり、そのような人たちが生活苦を理由に自殺したのではないかと考えられています。
1975年以降、自殺はほとんど起きていませんが、2015年にホテルで若い男性の遺体が発見されています。ただし、遺族の要望により警察が情報を公開していないため、詳しいことはは分かっていません。
1975年以降、自殺はほとんど起きていませんが、2015年にホテルで若い男性の遺体が発見されています。ただし、遺族の要望により警察が情報を公開していないため、詳しいことはは分かっていません。
事件がポップカルチャーに与えた影響
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エリサ・ラム事件はインターネットを中心に大きく話題となったことから、テレビドラマなどのポップカルチャーにも影響を与えました。以下でエリサ・ラム事件から影響を受けたと思われるドラマを取り上げ、事件との関係を考察します。
ドラマ「キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き」
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「キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き」とは、アメリカで放送されている人気テレビドラマシリーズです。人気推理作家の主人公が自身の小説を模した殺人事件が起こったことをきっかけに事件に関わり、事件解決後も警察の捜査に強引に介入するというコメディタッチのミステリーです。
日本でもFOXジャパンやNHKBSで放送されており、DVDも発売されています。「キャッスル」の第5期の最終回「決断」はエリサ・ラム事件から着想したと思われるエピソードです。
日本でもFOXジャパンやNHKBSで放送されており、DVDも発売されています。「キャッスル」の第5期の最終回「決断」はエリサ・ラム事件から着想したと思われるエピソードです。
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マンハッタンにあるホテル「セドリック・ホテル」の屋上の貯水槽で女性の遺体が発見されるという点は、エリサ・ラム事件と全く同じです。
さらに事件解決の糸口となったのが、女性がエレベーターに入る際の監視カメラの映像である点も酷似しており、明らかにエリサ・ラム事件の影響を受けています。
さらに事件解決の糸口となったのが、女性がエレベーターに入る際の監視カメラの映像である点も酷似しており、明らかにエリサ・ラム事件の影響を受けています。
ドラマ「殺人を無罪にする方法」
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「殺人を無罪にする方法(How to Get Away with Murder)」とは、アメリカで放送されている法廷を舞台にしたテレビドラマシリーズです。
ロースクールの教授で現役の弁護士でもある主人公が教え子と共に担当した殺人事件で無罪を勝ち取るべく戦いますが、自分たちも殺人事件に巻き込まれてしまうというストーリーです。
ロースクールの教授で現役の弁護士でもある主人公が教え子と共に担当した殺人事件で無罪を勝ち取るべく戦いますが、自分たちも殺人事件に巻き込まれてしまうというストーリーです。
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