2019年7月16日 更新

ウェルテル効果の意味や実例は?心理学的見方や自殺との関連性

「ウェルテル効果」という言葉をご存知でしょうか?ウェルテル効果とは、自殺や犯罪の後に起こる影響についての心理学用語です。日本でもこのウェルテル効果による事例もあります。この記事では、ウェルテル効果の意味や実例について紹介しています。

目次

Old Newspaper Retro - Free photo on Pixabay (479520)

自殺報道をする際は、大々的に取り上げてしまわないようにされています。大々的に取り上げてしまうと、多くの人の興味関心を集めてしまうことになる為、ウェルテル効果が発生しやすくなってしまいます。

また、大々的に取り上げられることで、「自殺をすれば注目されるかもしれない」という誤った認識が生まれてしまう危険性も考えられます。その為、自殺報道はテレビや新聞などで原則として大々的に扱わないようになっています。

詳細な自殺方法を報道しない

Pink Rose On Empty Swing Stop - Free photo on Pixabay (479522)

ウェルテル効果では、自殺者を模倣することが多いとされています。自殺報道でもし詳細な方法が報道されてしまうと、それを模倣してしまう人が増え、ウェルテル効果が発生することになります。

その為、自殺報道では自殺した方法などを詳細に報道しないことで、自殺者を模倣してしまうことを防止するようにしています。

現在ではテレビなどで自殺報道がされても、どのように自殺をしたのかなど手段に関する情報は報道されません。

現場の写真や自殺者の個人情報を報道しない

Camera Photos Photograph Polaroid - Free photo on Pixabay (479524)

自殺報道では、自殺の現場などの写真は使用しないことになっています。現場の写真など、視聴者や読者にショッキングなイメージを植え付けてしまうことは、ウェルテル効果を発生させてしまう原因になります。

また、自殺者の個人情報なども報道されません。自殺者のプライバシーの保護だけでなく、自殺者と共通点を見つけてしまわないようにすることで、ウェルテル効果を防止しています。

その為、現在現場の写真や自殺者の個人情報は報道されません。

自殺を正当化するような報道にしない

Daisy Bouquet On Railway Stop - Free photo on Pixabay (479530)

自殺を正当化するような報道をすることも、ウェルテル効果を引き起こしてしまう原因になります。「自殺も1つの選択である」など、自殺を肯定的に捉えるようなコメントを報道することは非常に危険となります。

自殺を正当化するような報道をすると、視聴者が「自殺しても構わないのだ」と考えるようになる為、ウェルテル効果が発生しやすくなります。その為、自殺報道では自殺に関して肯定するような報道はしないようになっています。

有名人の自殺報道には特に注意が必要

Spring Tulips Pretty Woman Young - Free photo on Pixabay (479531)

自殺報道を極力しないようにしていても、有名人の自殺に関しては報道せざるを得なくなります。しかし、有名人の自殺報道は、ファンが後追い自殺をするなど、ウェルテル効果の影響を受けやすくなります。

有名人であるからと言って、自殺報道を大々的に扱ってしまうと、多くの人がウェルテル効果の影響を受けてしまうことになります。有名人の自殺報道は一般人よりも影響力が高い為、慎重に取り扱うことが必要であるとされています。

【SNS編】ウェルテル効果を防止する為には

Social Network Facebook - Free image on Pixabay (479535)

テレビや新聞などのメディアが、ウェルテル効果を防止する為に行っている対策について紹介しました。メディアでは、ウェルテル効果を防止する為に、報道にルールを設けています。

しかし、近年はSNSの発達により、テレビなどのメディア以外から情報を得る機会が増えています。その為、SNSを通じてウェルテル効果の影響を受けることもあります。

では、SNSでウェルテル効果を防止するには、どうすればよいのでしょうか?

自殺者や自殺現場の写真や動画を撮らない

Iphone Business Email - Free photo on Pixabay (479539)

何か事件に遭遇した際に、現場で写真や動画を撮っている人を見かけたことがある、という人は多いのではないでしょうか?これらの写真や動画をSNSにアップする人が、近年増加傾向にあります。

その為、自殺現場の写真や動画を撮り、SNSにアップすることで拡散され、ウェルテル効果が発生してしまうこともあります。もし自殺現場に居合わせてしまった場合は、自殺者の為にも絶対に写真や動画などは撮らないようにしましょう。

自殺の目撃談や写真などをSNSに投稿しない

Cell Phone Mobile - Free photo on Pixabay (479542)

自殺した人を見た人の目撃談や、その時の写真などをSNSに投稿することも、ウェルテル効果を発生させる原因になります。投稿すれば多くの人に拡散される為、承認欲求は満たされるかもしれません。

しかし、それによって自殺者のプライバシーを侵害し、ウェルテル効果によって多くの命が犠牲になる可能性もあります。目撃談であっても、自殺現場を想像出来るような内容はウェルテル効果となる為、投稿はしないようにしましょう。

SNS上の自殺に関する情報を拡散しない

Twitter Social Media - Free photo on Pixabay (479546)

自分で自殺に関する投稿を行っていない人でも、自殺に関する投稿を拡散することでウェルテル効果を引き起こすことに加担してしまうことになります。ウェルテル効果は、多くの人の目に留まることで多くの連鎖を引き起こします。

その為、自殺に関する投稿を拡散してしまうと、ウェルテル効果が発生しやすくなります。もしそのような投稿を見かけた場合は、その投稿を通報するようにし、拡散など何かしら反応することは絶対にしないようにしましょう。

SNSの設定で他者の投稿を閲覧する範囲を制限する

Twitter Screen Social - Free photo on Pixabay (479547)

ウェルテル効果を防止する方法を紹介しましたが、自分自身が自殺に関する投稿を見ることで、ウェルテル効果の影響を受ける可能性もあります。その為、設定などからそのような投稿を表示しないようにする設定を行うことがおすすめです。

Twitterでは、設定から「センシティブな内容を含むものを表示しない」という設定にすると、自殺現場の画像や動画などのショッキングな内容のものを表示しないようにすることが出来ます。

報道やSNSが原因で連鎖するのは自殺だけか?

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