2019年5月10日 更新

バーナム効果と恋愛や血液型占いの関係を心理学で解説!具体的な例も

バーナム効果とは、恋愛や血液型占いで使われている心理テクニックです。心理学で証明されている現象であり、うまく使えば人間関係の構築に役立ちます。一方で悪用されることもあるので、注意が必要です。今回は、バーナム効果について具体的な例を挙げながら詳しく解説します。

コピーライティングやブログの執筆など、文書作成のテクニックとしてもバーナム効果が使えます。文章を読ませるためには、読む人に興味をもってもらう必要があり、そのためにバーナム効果を利用するのです。

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どちらの例も当たり前のことを書いているにすぎませんが、バーナム効果で自分のことだと思い込まされてしまいます。文章の前置きにバーナム効果を意識した一文を入れておくと、相手に文章を読んでみようという気を起こさせることができます。

占いでも使えてしまう

Fairy Predictions Ghosts St - Free photo on Pixabay (260204)

バーナム効果が最も使われているのは占いです。一歩間違うとバーナム効果による占いにだまされてしまう危険もあります。バーナム効果と占いの関係について解説します。

占いにおけるバーナム効果の怖さ

Tarot Cards Magic - Free photo on Pixabay (260200)

先に解説した通り、占い師にとってバーナム効果は基本テクニックであり、ほとんどの占い師が何らかの形でバーナム効果を使っています。そのことを理解していないと、占い師にコロリとだまされてしまいます。

占いのテクニックには事前に周到な準備が必要なものもありますが、バーナム効果は事前準備がほとんど必要なく、万人に共通する性格を記述できればよいので、占い師にとって都合がよいのです。

ここまでの説明で分かる通り、バーナム効果は心理作用にすぎません。占い師は相手のことなどほとんど理解せずにテクニックで相手のことを見透かしているように見せているだけです。

なぜ人は信じてしまうのか

Oracle Girl Photomontage Witch - Free photo on Pixabay (260206)

なぜ人は占いを信じてしまうのでしょうか?大きな理由は、占いを信じてしまう人が心理テクニックを知らないことです。しかし、占いは心理テクニックにすぎないと言われても占いを信じる人が一定数いることも事実です。

これは先に解説した確証バイアスが大きく関係しています。人間は、自分が信じたいものを信じようとします。占いを信じたい人は、いくら占いが非科学的だと否定されようとも、自分は実際に当てられている(ように見える)という肯定的な事実しか目に入らず、否定的な事実が目に入らないのです。

星座占いなどでもバーナム効果は使われている

Nature Sky Night - Free photo on Pixabay (260207)

日本でポピュラーな星座占いにもバーナム効果が使われています。星座占いにはさまざまな種類があり、占いを行っているサイトによって微妙に内容が違っていますが、だいたい以下のような占いになっています。

「おひつじ座のあなたは直感的で感情的です。恋愛面でも情熱的ですが、冷めやすいところもあります。自信家ですが、責任感が強いです」

血液型占いと比べると具体的な記述に見えますが、実は人間の二面性に着目した記述が多く、バーナム効果の影響が出やすくなっています。さらに確証バイアスなどの他の心理作用の影響もあり、占いを信じる人が出てきてしまうのです。

バーナム効果は心理学用語

Mental Health Psychology - Free image on Pixabay (260208)

バーナム効果は心理学用語であり、アカデミズムの世界で盛んに研究されています。バーナム効果を心理学的な知見から解説します。

心理学者ポール・ミールが名付けた

Academia Academic Board - Free vector graphic on Pixabay (260211)

バーナム効果という名前は、心理学者ポール・ミール(P.E.Meehl)によって名付けられました。アメリカの著名な興行師P・T・バーナム(Phineas Taylor Barnum)の名に由来しています。

バーナムが言ったとされる「We’ve got something for everyone(誰にでも当てはまるものがある)」という言葉から、バーナム効果と名付けられました。

ポール・ミールがバーナム効果を発見したわけではなく、心理学者バートラム・フォア(Bertram Forer)によってそのような現象はすでに知られていました。フォアの名にちなんでバーナム効果をフォアラー効果とも呼びます。

フォアの実験って?

People Girls Women - Free photo on Pixabay (260214)

フォアはある実験を行ってバーナム効果の存在を立証しました。フォアは学生たちに心理検査を実施しました。その後、学生たちに心理検査の結果を見せて当たっているかどうかを答えさせました。その結果は次のような内容です。

「あなたは弱みを持っていてもそれを克服できる」「あなたには生かしきれていない才能がある」「あなたには外向的な面もあるが、内向的な面もある」
Brain Inflammation Stroke - Free image on Pixabay (260218)

他にもさまざまな結果がありますが、実はフォアが学生に見せた結果は全くのデタラメです。星座占いの文章を組み合わせてそれらしく見せているだけのものでした。

しかし、多くの学生がデタラメな内容の結果をほとんど疑うことなく、それどころか当たっているとすら感じました。この実験によってバーナム効果の存在が知られるようになりました。

バーナム効果の影響が増す条件

Woman Face Bullying - Free photo on Pixabay (260220)

フォアの実験から現在はさらに研究が進んでおり、バーナム効果は次のような条件がそろったときに、より効果を増すことが分かっています。

「バーナム効果を与える側を信じている(バーナム効果を与える側が研究者や占い師など、何らかの権威を持っていると効果が大きくなる)」
Woman Face Head - Free image on Pixabay (260223)

「自分にだけその項目が当てはまると信じている(曖昧で中身がない記述を具体的で中身がある記述のように見せられるかどうかが重要)」

「分析がポジティブなものである(ネガティブな分析結果だと反発を覚えていしまい安易に信じないが、ポジティブな分析結果だと信じてしまう)」

バーナム効果の悪用には気をつけよう!

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