2019年5月10日 更新

バーナム効果と恋愛や血液型占いの関係を心理学で解説!具体的な例も

バーナム効果とは、恋愛や血液型占いで使われている心理テクニックです。心理学で証明されている現象であり、うまく使えば人間関係の構築に役立ちます。一方で悪用されることもあるので、注意が必要です。今回は、バーナム効果について具体的な例を挙げながら詳しく解説します。

Masks Persona Duality - Free image on Pixabay (260152)

血液型占いに科学的根拠がないことは間違いありませんが、広く信じられている理由をバーナム効果だけで説明できるわけではありません。バーナム効果を踏まえて改めて血液型占いを見てみましょう。

筆者の血液型はA型です。A型は「几帳面」「きれい好き」「神経質」などとされています。A型の正反対の性格がO型です。O型は「いい加減」「マイペース」「短気」とされています。
Man Portrait Gloomy - Free photo on Pixabay (260156)

この2つの血液型を比べたとき、確かに筆者の性格はA型に近いという自覚があります。それはバーナム効果にすぎないと言われてもいまいちピンとこないのも事実です。

実は血液型占いには、別の心理作用である「予言の自己成就」や「確証バイアス」の影響もあります。以下でこの2つの心理作用について解説します。

予言の自己成就とは

Sad Man Depressed - Free photo on Pixabay (260179)

予言の自己成就とは、アメリカの社会学者ロバート・K・マートンが提唱した概念で「根拠のない予言を人が信じて行動することでその予言が実際に実現してしまう」という現象のことです。

例えば「Aという会社がつぶれそうだ」という根拠のない噂が流れたとします。その噂を信じた人々が株を売り払ったり会社との取引をやめたりした結果、本当に会社がつぶれてしまうという現象が予言の自己成就です。

予言の自己成就を血液型占いに当てはめてみましょう。筆者は血液型占いを子どものころから知っており、自分の性格はA型の「几帳面」なのだと無意識のうちに思い込んでしまっています。その結果、実際に几帳面な性格に見える言動を取ってしまっているのです。

確証バイアスとは

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確証バイアスとは、ある仮説を証明する際に仮説を証明する証拠ばかりが目に入り、仮説を否定する証拠を無意識のうちに排除してしまう心理作用のことです。

科学の世界では古くから知られており、科学実験を行う際には確証バイアスによる思い込みを避けて客観的な検証ができるようにさまざまな工夫がされています。

確証バイアスを血液型占いに当てはめてみましょう。血液型占いを信じたい人は、本来は多面的な自分の性格から血液型によって示された性格(A型は几帳面)のみを見てしまい、自分の性格の他の面(いい加減、マイペースなど)を無意識のうちに切り捨てているのです。

血液型占いを信じているのは日本だけ

Pedestrians People Busy - Free photo on Pixabay (260170)

実は、血液型占いは日本と一部のアジアの国のみで信じられており、世界的にはほとんど知られていません。海外のメディアで日本の血液型占いが奇妙なものとして取り上げられたこともあります。

日本で血液型占いが注目されるようになったきっかけは、1970年代に文筆家の能見正比古が戦前の教育学者の研究を取り上げて紹介したことです。その後、テレビなどが大々的に取り上げたことで国民に広く浸透していきました。

現在は科学的根拠がないことを指摘されてテレビで取り上げられることは少なくなりましたが、いまだに強い影響力を持つ俗説です。

バーナム効果の例

Workplace Team Business Meeting - Free photo on Pixabay (260174)

バーナム効果は日常生活のさまざまな場面に応用されています。バーナム効果の応用例を見ていきましょう。

営業で使える例

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高いコミュニケーション能力が要求される営業や接客に携わる人は、バーナム効果を使いこせるようになると仕事の役に立ちます。あなたが住宅のセールスマンだとしたら、次のようなセールストークが役に立つでしょう。

「いつまでも賃貸で暮らすのはいやだ、自分の家が欲しい、とあなたが一度でも考えたことがあるのなら、当社の商品をおすすめします!」

ありがちな営業トークですが、冷静に考えると「自分の家が欲しいと一度でも考えたことがある人」などいくらでもいます。しかし、バーナム効果であたかも自分の考えを言い当てられてかのような気になってしまいます。

恋愛で使える例

Couple Man Woman - Free photo on Pixabay (260187)

先に解説した通り、恋愛はバーナム効果が発揮される典型的な例の1つです。モテる人は自然とバーナム効果を使いこなしています。

「あなたは一見おとなしそうだけど、実は積極的で人と深い付き合いができる人じゃないかな」「みんなは君のことを無愛想だと言っているけど、実は人が見ていないところで気配りができる優しい人に見える」

「~だけど、~」という感じで二面性を指摘しながら褒められと、心を見透かされているような気分になります。しかし、これもバーナム効果がもたらす幻想にすぎないのです。

占いで使える例

Ball Glass Round - Free photo on Pixabay (260191)

占い師にとってバーナム効果は必須テクニックです。占い師は、さまざまな話術を駆使して相手に自分の言っていることを信じ込ませようとします。バーナム効果は最も基本的なテクニックの1つです。

「あなたには理想的なところがありますが、一方でひどく現実的に物事に対処するところもあります」「物事にすぐ飽きてしまいますが、1つのことに集中できる一面もあります」

「~なところがある」「~な一面がある」など、断言せずに曖昧な表現でぼかして指摘することで相手の心理にバーナム効果をもたらそうとしているのです。

対人関係で使える例

People Girls Women - Free photo on Pixabay (260194)

バーナム効果は占いなどで悪用されることもありますが、対人関係を円滑にするために必要なテクニックでもあります。うまく応用できれば、話し上手な人間として人気を集めることができます。特に相手を褒める際にバーナム効果を意識して話すとよいでしょう。

「君の長所は行動力があるところだね」「君は責任感があっていいね」など、相手を褒めていることは分かるが、具体的な記述は避けることで相手がそう思い込んでくれることを狙います。ただし、後から突っ込まれる可能性もあるので、乱用はしない方がよいでしょう。

文章で使える例

Letters Envelope Post - Free photo on Pixabay (260196)

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