2019年10月23日 更新

永野 一男の最期とは?豊田商事事件の概要と殺害した犯人達のその後も

豊田商事による大規模な詐欺事件が起きたのは1980年代のことです。「金」を使ったペーパー商法で、高齢者を狙った詐欺でした。その豊田商事の会長である永野一男の死は非常に衝撃的で残酷なものでした。豊田商事の詐欺の内容、そして何故永野が死んだのかについて解説します。

目次

2人の男が永野一男を殺した動機についても謎が残ります。2人とも、豊田商事の詐欺被害者というわけでもなく、詐欺被害者と密接な関係にあったわけでもありません。両者が語る殺害の動機はどれも弱いものばかりで、とてもひとりの人間を数十か所も刺して殺すという残虐な行為をするに足る理由とはいえません。

では、本当の理由は何なのでしょうか。金で依頼されたために殺したという説があります。飯田は けいえいしていた鉄工所が潰れ、5億もの借金を抱えていたといいます。その飯田の口座に、事件後借金と同じ額のお金が振り込まれていたという報道もありました。

しかし飯田本人はそういったことを認めておらず、また証拠もないため明らかなことではありません。

判決の軽さ

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永野一男殺害の主犯である飯田篤郎には懲役10年、矢野正計には懲役8年の実刑が確定しました。しかしこのことは当時、判決が軽すぎるのではないかと話題になったのです。

一般的には、殺害されたのが大規模詐欺の首謀者であったため、詐欺の被害者のことを考慮して温情ともいえる判決が出たとされています。しかしここで気になるのは、やはり2人は誰かに指示されたのではないかということです。殺そうという気持ちを自分で起こして殺害したのではなく、お金をもらって依頼されて実行したのではないかと、この量刑からも推察されるのです。

警察の不審な行動

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もうひとつ、重要な謎があります。実は、永野が殺害された当日、永野の自宅を警察が見張っていたらしいというのです。しかしこれが本当であれば、みすみす永野を殺害させてしまったのはあまりにも大きな失態、公表されていないとしても納得がいきます。

あるいはもうひとつの可能性も考えられます。最初から、永野が殺されるかもしれないことをわかっている人間がどこかにいた。実行だけを2人の男に行わせ、指示していた人物がどこかにいた。永野をスケープゴートにした人間が、もしかしたらいたのかもしれません。

現在もマスコミへの批判は絶えない

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この事件が大きな話題になったのは、やはりマスコミがそこに大勢集まっていながら事件が起きてしまったという点が非常にセンセーショナルだったからです。

残虐な事件が起きているのに、見ているだけどころか放送してしまったマスコミへの批判はすごいものでした。しかし、見て見ぬふりやおかしな情報を報道する姿勢は今でもマスコミの中にあります。そういったマスコミのやり方には、豊田商事事件から30年以上が経過した今でも批判の声が上がっています。それだけ長い間、変わっていない部分があるのです。

ネガティブ情報の拡散

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マスコミというのは、ポジティブな情報よりもネガティブな情報によく食いつきます。人の幸せではなく、人の不幸の方を嬉々として報じる姿勢があるのです。

マスコミによる風評被害を受けて、事業が立ち行かなくなったり大事なものを失ってしまったりした人は多くいますし、フィクションの題材としてもよく取り上げられます。一度食いつくとなかなか放さないのも特徴的で、対象が完全に潰れてしまうまで叩くのはマスコミのお決まりの手法です。

嘘や噂を本当のように報道する姿勢

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最近では、SNSが発達したことによって、マスコミが報道したことを、報道された当事者がSNSで否定するということも多くなってきました。有名な人ほど、とんでもない嘘を報道されたりするもので、いちいち否定しなかった時代にはマスコミは今よりもっと書きたい放題でした。

現代ではフェイクニュースという言葉も使われるようになり、マスコミが報じることが必ずしも本当のことではないと受け手も理解していますが、マスコミの報道を全て鵜呑みにする視聴者や読者が大勢いた時代、嘘のニュースによって大きなものを失った人も多くいました。

「マスゴミ」という呼び名の定着

Garbage Waste Container - Free photo on Pixabay (708613)

有名人や犯罪被害者だからといって、プライバシーも何も関係ないと言わんばかりに図々しくつきまとうことを繰り返してきたからでしょう、いつしかマスコミは一部の人から「マスゴミ」と呼ばれるようになりました。

人を傷つけても知らんぷりで、重大な傷を負った人にも無神経な質問を放つマスコミはまさに「ゴミ」であるとする言い方ですが、最初はスラングだったものがいつの間にかポピュラーな言葉になってきました。この言葉の強烈な印象と、そう違いないマスコミの実態に多くの人が共感したからかもしれません。

権力者や組織への過剰な配慮

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傷ついた人や悲しんでいる人、弱者に対しては徹底的に追い回すマスコミですが、その姿勢は権力者や大組織に対しては発揮されません。権力者や大組織の悪事には目を瞑り、なぜか被害者のプライバシーを暴いてさらに傷つける行為に勤しんでいるのです。自分が安全な場所にいても傷つけられる相手だけを攻撃する、それでは一般のネットユーザーと同じです。

権力者や大きな組織にこそ楯突いて、歯向かってでも、真実を求める姿勢を持つことが本来の「報道」のあるべき姿ではないのでしょうか。

マスコミ批判はそのまま自分たちへ

Self-Knowledge Mask Anonymous - Free image on Pixabay (708618)

マスコミに対する様々な批判があることはよく知られたことです。しかし、マスコミを批判している人も、マスコミの行為が自分たちを喜ばせるためのものであるとまでは考えていないかもしれません。

何故マスコミは、嘘も報じるのでしょうか?傷ついた人に執拗につきまとうのでしょうか?人のプライバシーを勝手に暴くのでしょうか?この理由には、実は受け手である私たちの姿勢や考え方が深く関係しているのです。

マスコミの情報を鵜呑みにしているのは世間

Old Tv Records Vhs Tapes - Free photo on Pixabay (708621)

私たちは、マスコミが流す情報を一律に本当のことであるとして鵜呑みにしてはいないでしょうか。現在はインターネットが発達し、SNSを通じてひとりひとりが発信者ともなりうる時代です。嘘の情報を広められて傷つく人の範囲も広くなっています。それでもまだ、マスコミの情報を鵜呑みにする人は一定数いると考えられます。

ネットリテラシーがどれだけ叫ばれても、嘘が拡散されて炎上し、傷ついてしまう人は後を絶ちません。私たち自身が、自分で確かめもせずに、与えられた情報を鵜呑みにしてしまうところがあるからではないでしょうか。

マスコミの情報を求めているのは世間

Audience Crowd People - Free photo on Pixabay (708624)

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