2019年9月8日 更新

【シリアルキラー】ヘンリー・リー・ルーカスの犯行と生い立ちの関係

自称3000人以上を殺したというシリアルキラー、ヘンリー・リー・ルーカスは2001年に獄中死しました。残忍な犯行を繰り返したルーカスの壮絶な生い立ちとそれに深く関わる母親、また彼が残した背筋の凍る名言まで、ヘンリー・リー・ルーカスについて詳しく紹介します!

目次

ルーカスは仲の良い兄が海軍に入ったことで自分も入隊したいと思うようになりましたが、義眼が理由で入隊できませんでした。しかし兄だけでなく他の兄弟も家を出たことで、家に居たく無い気持ちが強まりましたが、10代の半ばから学校に行かなくなったルーカスは特にすることもなかったため、街をうろつき窃盗を繰り返しました。

そんなルーカスの最初の逮捕は19歳の時、窃盗の罪でした。その後は更正施設に入ったり出所したりと、23歳まで出所と服役を繰り返しました。

初めての恋人

Hands Love Couple - Free photo on Pixabay (601144)

出所・入所を繰り返したルーカスでしたが、23歳で出所した後はミシガン州の義姉の家に滞在していました。そこで出会った女性とルーカスは交際を始めました。ルーカスにとって初めての女性との交際でした。婚約を願うほど2人の仲は良好で、ルーカスは一時は真面目に働こうと決心しました。

しかしクリスマスということで義姉の家を訪れたヴィオラは2人の交際に猛反対し、ルーカスに故郷に戻るよう罵倒しました。これはルーカスに老後の自分の面倒を看させるためでした。そしてヴィオラはルーカスの恋人のことも汚い言葉で罵り、恐怖で圧倒された女性はルーカスの元を去りました。

この一件でルーカスの母親への憎悪はかつて無いほど膨れ上がりました。

母親からの虐待

Hand Woman Female - Free photo on Pixabay (601145)

母親ヴィオラのルーカスへの虐待は常軌を逸していました。ルーカスを暴力で支配し、彼を全否定することでしかコミュニケーションを取れなかったのかもしれません。

ヴィオラが行なったルーカスに対する虐待を紹介します。

角材で頭を殴る

Batch Dry Firewood - Free photo on Pixabay (601147)

ヴィオラが行なった肉体的虐待の中で特に酷かったのが、ルーカスの頭を木の角材で殴ったことです。日常的にルーカスを意味もなく殴っていたヴィオラでしたが、この日はそんなもんではありませんでした。

ある日ヴィオラは「薪を取りに行くよ!」と怒鳴ってルーカスを呼びました。ルーカスは急いで支度をしましたが、もたつくルーカスに腹が立ったヴィオラは角材で思い切り殴りました。あまりの衝撃に失神したルーカスでしたが母親の手が止まることはありませんでした。

昏倒状態のルーカスを殴り続けたヴィオラは、意識のない彼を屋外へ放り出しました。その後酒を飲んで寝てしまったヴィオラに代わって、ルーカスはヴィオラのヒモの男に発見されました。警察沙汰になることを恐れたヒモの男はルーカスを病院に連れて行きましたが、その時すでにヴィオラに殴られ昏倒してから二日が経過していました。

女の子の格好をさせる

Worried Girl Woman Waiting - Free photo on Pixabay (601148)

一緒に売春の仕事をするために娘を欲しがっていたヴィオラはルーカスの誕生に失望しましたが、女の子として育て、男を喜ばせる方法を教えようと方針転換しました。そのためルーカスを「ヘンリエッタ」と呼び、髪にはクルクルのパーマをかけ、女の子の格好をさせました。

女の子の服を着て、女の子のヘアスタイルをしたルーカスは、靴も履かせてもらうこともなく3年間学校に通いました。

多くのシリアルキラーの共通した過去の一つに「女の子の格好をさせられていた」というものがあります。肉体的に暴力を与えなくても、性別に関して本人の意思に反した精神的苦痛を与えることは、子供にとって大人が考えるよりも大きなダメージとなるのです。

奴隷や悪魔と罵倒される日々

Handcuffs Caught Crime - Free photo on Pixabay (601150)

身体的な虐待に加え、ヴィイオラによる言葉の暴力も酷いものでした。ルーカスは日常的に「お前は死ぬまで私の奴隷なんだよ!」「お前は悪魔から生まれたんだ。だからお前も悪魔だ!腐ったろくでなしめ!」「お前はこの世に地獄をもたらすために生まれたんだよ!」といった言葉を浴びせていました。

またヴィオラは、ルーカスが誰かに気にかけられる、優しくされるといった状態をほとんど憎んでいると言っていいほど嫌がり、そして怒りました。ヴィオラがルーカスに対して持つ感情は、異常なまでに複雑で、自分勝手なものだったのです。

性交を見るように強要

Eye Iris Pupil - Free photo on Pixabay (601185)

また売春婦のヴィオラは、客とのセックスをルーカス含む家族に見せていました。もちろんそれは強制で、ヴィオラは客から特別料金を取っていました。狭い寝室で行われる客と母親の性行為を見ることは、とてつもない苦痛であることに違いありません。

これは完全に性的虐待ですが、このような虐待を受け続けてきた子供は、自分や他者を思いやる気持ちを知らずに育つと言われています。また自分をうまく表現できず、人と関わる手段が暴力になってしまうのも、性的虐待を受けた人に多く見られる特徴なのです。

可愛がっていたラバ

Agriculture Wheat Field - Free photo on Pixabay (601152)

ルーカスは小学校高学年になると、近所のラバ(ウマ科の動物)を可愛がるようになりました。いつもルーカスを虐待している鬼のようなヴィオラですが、時折優しくなる時があり、ルーカスにラバを飼いたいか尋ねました。

晴れてラバを飼うことになりましたが、ある日ヴィオラはわざわざルーカスの前にラバを連れてきて射殺したのです。ラバが嫌いなら飼わなければ良かったわけで、ヴィオラがしたことはルーカスを喜ばせた上で、より深い悲しみを与えるという手の込んだものでした。

ルーカスは後に「ママは完全に狂っていた」「僕が何かを好きになることが、そうゆう感情を持つことが許せなかったんだ」と語っています。

母親殺害後も虐待が続く

Woman Desperate Sad - Free photo on Pixabay (601153)

幼い頃から続いた虐待は、母親ヴィオラが死んでもルーカスの中では終わりませんでした。今ではそれがトラウマでありPTSDであることは明らかで、適切な治療でルーカスの心を癒やすことが出来たかもしれません。

しかしそれら適切な処置がされることなく蝕まれたままの心を持ち続けたルーカスは、確実にシリアルキラーへの道を歩み始めました。

母親ヴィオラの死と、死してもなお続いた虐待の残影について紹介します。

母親を殺害し逮捕

Handcuffs Black Criminal - Free photo on Pixabay (601154)

ルーカスが人生で初めて出来た恋人との破局は、母親ヴィオラのルーカスへの支配欲によって終わりを迎えました。ヴィオラに対してとてつもない憎悪の感情を抱いたルーカスは、義姉の住むミシガン州で母親と口論になります。

故郷に戻るよう罵るヴィオラに対し反抗するルーカス。ヴィオラは逆上し、ルーカスを箒で殴りつけました。そして耐えきれなくなったルーカスは、ヴィオラの喉をナイフで切り裂いたのです。精神耗弱状態のルーカスは大量出血している母親を見て、車で逃走しました。

義姉に発見されたヴィオラは実際にはまだ死んでおらず、その後病院に搬送されている時に息を引き取りました。車で逃げたルーカスはその後逮捕され、第2級謀殺罪の罪で約40年の刑を言い渡されます。

幻聴で精神分裂病

Swirl Black White And - Free image on Pixabay (601155)

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