2021年5月28日 更新

スペインの漢字表記とその由来は?その他の国の珍しい漢字表記も

スペインを漢字でどう書くか、知っていますか?スペインに限らず、世界中のさまざまな国には、日本独自の漢字表記がありますが、意外と知られていません。今回は、スペインを始めとした世界のさまざまな国の漢字表記や由来について、詳しく解説します。

インド

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インドの漢字表記は「印度」で略称は「印」です。日本での一般的な呼称「インド」に漢字を当てたものです。「印度」という表記の由来はかなり古く、最初にこの表記を用いたのは「三蔵法師」として有名な中国の僧、玄奘(げんじょう)だと言われています。

ヒンディー語によるインドの正式名称は「バーラト」で英語の正式名称は「India(インディア)」です。インドは多民族国家であるため、国の公用語であるヒンディー語と英語の他に州ごとに公用語が定められており、方言も含めると数百種類もの言語が話されています。

「印」という略称はそれほど一般的ではありませんが、「印パ戦争(いんぱせんそう)」「日印関係(にちいんかんけい)」など、現在でも略称が使われることがあります。

ブラジル

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ブラジルの漢字表記は「伯剌西爾」で略称は「伯(はく)」です。「西班牙」と同じく、中国語由来の漢字表記なので、「ブラジル」とはとても読めず、難読漢字としてしばしば話題になります。現在の中国でのブラジルの漢字表記は「巴西(パーシー)」です。

日本で一般的な呼称「ブラジル」の由来は、英語の「Brazil」です。ブラジルの公用語であるポルトガル語(ブラジルポルトガル語)での呼称は英語とほぼ同じで「ブラジル」ですが、スペルが違います。英語では「Brazil」でポルトガル語では「Brasil」です。

イタリア

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イタリアの漢字表記は「伊太利亜」で略称は「伊(い)」です。日本での一般的な呼称「イタリア」に漢字を当てたものです。他に「伊太利」「以太利」などの表記も用いられています。

イタリア語での呼称は「Italia(イターリア)」、英語での呼称は「Italy(イタリー)」です。昔の日本では「イタリ」「イタリヤ」などと表記していましたが、現在ではイタリア語の発音に近い「イタリア」という表記がほとんどです。

イタリア語は日本ではそれほどメジャーな言語ではありませんが、発音が日本語に近いため、日本人でも勉強しやすいと言われています。

フランス

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フランスの漢字表記は「仏蘭西」で略称は「仏(ふつ)」です。日本での一般的な呼称「フランス」に漢字を当てたものです。「仏」を旧漢字の「佛」とする場合もありますが、現在では新漢字の「仏」が一般的です。

フランス語での通称は「France(フラーンス)」で英語でもほぼ同じです。「仏」という略称はアメリカの「米」やイギリスの「英」と並んで広く用いられています。

世界的な観光都市である首都のパリの漢字表記「巴里」も有名です。フランスを代表する詩人、ボードレールの詩集「Le Spleen de Paris」の邦題の表記は「パリの憂鬱」ですが、「巴里の憂鬱」という表記も広く用いられています。

ドイツ

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ドイツの漢字表記は「独逸」で略称は「独(どく)」です。英語では「Germany(ジャーマニー)」なのに、なぜ日本では「ドイツ」と呼ぶのか疑問に思った人も多いのではないでしょうか。

実はドイツは、ドイツ語では「Deutschland(ドイチュラント)」と呼ばれます。また、ドイツの隣にあるオランダでは、ドイツのことを「Duitsland(ドイツラント)」と呼びます。日本が江戸時代に鎖国していた時、唯一交易があったのはオランダです。このオランダの発音が残っているため、日本では「ジャーマニー」ではなく「ドイツ」と呼ぶのです。独逸は、「ドイツ」に漢字を当てたものですね。

フィリピン

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フィリピンの漢字表記は「比律賓」で、略称は「比」と書かれます。フランスやドイツと同じく、最初に「フィリピン」という発音があり、そこに「比律賓」という漢字を当てたものだと言われています。

「ピン」という漢字はなかなか日常生活では使う機会はありませんが「来賓(らいひん)」などの言葉で卒業式などで見たことがある人も多いでしょう。かしこまった場で使われることが多い漢字ですので、覚えておいて損はないかもしれません。

意外と知らない!?読みづらい国の漢字は?

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先ほど解説した国々は比較的有名な漢字表記が多く、日常的に用いられていますが、一般的にはほとんど知られていない国の漢字表記もあります。

以下で日本人にもあまり知られていない国の漢字表記について、詳しく解説します。

エジプト

Sphinx Egypt Hieroglyphs - Free photo on Pixabay (161243)

エジプトの漢字表記は「埃及」で略称は「埃(あい)」です。スペインの漢字表記「西班牙」やブラジルの漢字表記「伯剌西爾」と同じく、中国語由来の表記なので、日本語の発音とかけ離れています。

エジプトの公用語であるアラビア語での通称は「Misr(ミスル)」です。日本での通称「エジプト」は英語の「Egypt(イージェプト)」に由来しています。英語の「Egypt」はギリシャ神話に登場するエジプトの王「アイギュプトス」に由来しています。

カナダ

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カナダの漢字表記は「加奈陀」で略称は「加(か)」です。日本での呼称「カナダ」に漢字を当てたものです。カナダという国名の由来は先住民であるイロコイの言葉で「村落」を意味する「Kanata(カナタ)」に由来しています。

カナダの公用語は英語とフランス語であり、どちらの言語でも国の公式表記は「Canada」ですが、発音が微妙に違います。英語での発音は「キャナダ」なのに対し、フランス語での発音は「カナダ」です。

英連邦加盟国であることから英語が公用語という印象が強い国ですが、前述の通りフランス語も話されています。特に東部のケベック州では、フランス語話者が多数派です。

ハワイ

Water Wave Sea - Free photo on Pixabay (161249)

国ではありませんが、日本で人気が高い観光地であるアメリカのハワイ州の漢字表記は「布哇」です。略称はあまり使われませんが、「布(ふ、ほ)」です。「布」の漢音「ホ」と哇の漢音「ワイ」を日本での一般的な呼称「ハワイ」に当てたものです。

ハワイ語での通称は「Hwaii(ハワイイ)」であり、「Aloha Staate(アロハステート)」の愛称でも知られています。日本でも有名な挨拶「アロハ」は「こんにちは」という意味だと思われていますが、実際には「ありがとう」「さようなら」「愛しています」など、さまざまな意味が含まれた言葉です。

あまり一般的ではありませんが、州都である「ホノルル」にも漢字表記があり、「花瑠瑠」と書きます。

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