オッカムの剃刀とは?例を交えながらメリット・デメリットを解説!

「オッカムの剃刀」は、事柄の説明をする場合はできるだけ単純でシンプルな方がよいという指針や原則のことです。今回の記事ではその例や、これを適用すると誰にどのようなメリットがあるのか、生活をする中で応用をするには実際にどうすればよいかなどもお教えていきます!!

目次

オッカムの剃刀とは

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「オッカムの剃刀」とは、ある事柄を説明するにおいて、単純な理論によってより多くが伝わるような、できる限りシンプルな説明の方がよいという指針や原則のことで、14世紀にイングランド出身の哲学者で神学者のオッカムのウィリアムが多用したことで、その名が付けられました。

一つの説明をするのに必要以上の仮定や条件を用いるのは無駄であるため、そのような無駄は一切排除して最低限の説明に止めるほうがよい…という『シンプル・イズ・ベスト』な思考とも言えるこの「オッカムの剃刀」は、後の20世紀の科学界において、その適切さを問う議論を招く事態へと発展します。

提唱者

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「オッカムの剃刀」は1285年にイングランドにあるオッカム村で生まれたウィリアムが多用したことでそう名付けられていますが、彼が『オッカム』として言及されているのは、その出身地により「オッカムのウィリアム」と呼んだことによります。

カトリック教会のフランシスコ会士であったオッカムは、スコラ哲学(神学)の普遍論争では言葉を示す物質自体が実在しているという『実在論』に対し、言葉の類の概念は形として存在しないという『唯名論』側に立っています。

この中で彼は、『人間は神の光がなくとも科学に基づいた思考を持つことができる…』と、神学などの言葉なしに論理学や知識の研究が可能なことを主張しており、オッカムは科学的な思考に大きな影響を及ぼした人物とも言えるものの、1326年には異端を理由に教皇庁に破門を宣告されてしまいます。

なぜ「剃刀」なのか?

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「オッカムの剃刀」はアリストテレスの意見を用いた思考でもありますが、オッカムはスコラ哲学(神学)においての理論にあった沢山の要素をみるみると切り捨てていき、唯名論の立場から独自の思考による主張を繰り広げ、異端を理由に教皇庁から訴えられてしまいます。

このように、唯名論の主張をする上で理論に元々あった要素をみるみると切り捨てていった彼の思考方法は、説明をするのに不必要な事柄を排除すること、つまり切り落とすことを『剃刀』に比喩をして、「オッカムの剃刀」と呼ばれるようになったのです。

同様の意味で使われている表現

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「オッカムの剃刀」は同じ意味合いで、『科学的単純性の原則』・『ケチの原理』・『思考経済の法則』・『思考節約の原理(法則)』・『倹約の法則』などとも表現されます。

お金持ちな人ほどケチだ…というように、成功をしている起業家や投資家たちには、価値がある!!と見極めた際にはここぞとばかりの大金を投資するものの、普段の食事や衣服に無駄なお金をかけて贅沢をしたりはせずわりと地味な生活スタイルを貫いている方も多いものです。

そして、金銭の出費に限らずビジネスやプライベートにおいても、なるべく多くに手を出さず、『シンプリスト』のように思考や行動などを単純化することで、時間や体力の消耗を節約して効率よく事が進むため、このような理に叶った様々なパターンでの表現をもされるのです。

オッカムの剃刀の例

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より単純な理論によってシンプルな説明をする方がよいという指針や原則が「オッカムの剃刀」だという説明をしましたが、『より単純に』とは言っても、具体的にどのように仮説を省いて単純化させればよいのかは、なかなかイメージし難いものでしょう。

ここでは二つの例を用いて、ある結論の説明をするためには仮説のどの部分を省いてシンプルにすればより相手に伝わりやすくなるのかや、仮説を省略する上でその意味の理解に注意をしていただきたい点などについても説明をさせていただきます。

りんごを買ってきたのは誰か?

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まず、一つ目の例として、「りんごを買ってきたのは誰か?」という結論を説明する場合に、①Aさん、Bさん、Cさんがいる②Aさん、Bさん、Cさんのうち1人が外出し、りんごを買ってきた③Aさん、Cさんは自宅から一歩も出なかった④BさんとCさんはりんごが好きだ、という4つの仮定があるとしましょう。

しかし、仮定は4つ用いられているものの、「りんごを買ってきたのはBさんである」という結論は、①・②・③の仮定だけで導き出せるものであり、④はどちらかというと必要のない情報ですよね。

このような場合、④の仮定は無駄な情報であるため最初から仮定に持ち出さない方が、説明をする側にも無駄がなく、聞く相手にも多くの情報による混乱がないため理解をしやすいというわけです。

装置の仕組みを表すには?

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もう一つ別で、「この装置は電池により動いている」という事実を説明することを例に挙げると、この場合、『神が』という主語を入れて「この装置は神が電池を使って動かしている」という説明をしなくとも、電池の力によって作動していることは充分伝わるため、『神が』という主語を省くとよりシンプルで理解しやすい説明ができます。

しかしこの場合、『神が』という主語を省くことにより「神」の存在を否定しているというわけではなく、「神」の存在がこの事実に物理的な影響を与えることはなく、「神」という仮定がなくとも装置が電池により作動しているという事実の説明ができる…という意味に、誤解がないよう注意が必要です。

オッカムの剃刀のメリット

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単純化するだけの「オッカムの剃刀」に従うことが、何故それほどにもよいとされるのか…と疑問を感じている方も多いでしょうが、「オッカムの剃刀」のメリットは、説明をシンプルにすることで事実がわかりやすくなるということだけではありません。

「オッカムの剃刀」にはそれ以外にも、不要な仮定や条件を含んだがために生まれる誤答やそれによるトラブルなどを防ぐ他、多くの情報を伝え処理をすることでかかる時間を短縮でき、更には書面よりも難しい口頭での説明の理解を容易くするという、たっぷりのメリットがあるのです。

単純化することで事実がわかりやすくなる

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先ほどの一つ目の例からは特によく理解できるでしょうが、仮定として相手に伝える事柄は4つよりも3つという具合に、できるだけ少ない量である方がスムーズに結論や事実が伝わります。

説明をする側が伝える情報量が多ければ多いほどに、情報を受け取る相手側はその分頭を回転させなければならないため混乱してしまう可能性が高く、そのいくつもの情報を整理して結論を導き出すまでに多くの余力や時間を使うことになります。

よって、仮定が少なくよりシンプルな説明である方が受け手を混乱をさせる可能性も少なく、スムーズに本当に重要な『結論や事実』の部分を伝えやすいということなのです。

不要な仮定や条件から誤答が生まれるのを防止できる

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