2019年10月11日 更新

オッカムの剃刀とは?例を交えながらメリット・デメリットを解説!

「オッカムの剃刀」は、事柄の説明をする場合はできるだけ単純でシンプルな方がよいという指針や原則のことです。今回の記事ではその例や、これを適用すると誰にどのようなメリットがあるのか、生活をする中で応用をするには実際にどうすればよいかなどもお教えていきます!!

目次

説明の中に仮定や条件が多ければ、受け手が結論を導くのには不要な仮定や条件を考慮するがために辿り着いてしまいかねない誤答を生む可能性は高くなるものです。

本来伝えるべき『結論』から脱線をした誤答の原因は、受け手が本当に必要な仮定や条件をそっちのけにしてしまい、不要な仮定や条件の方に気を取られてしまうことでもあるため、初めから説明をする側が不要な情報を与えなければ生まれる確率は減ります。

不要な仮定や条件を省いてシンプルな説明をすることは、このように生まれる『結論』とは的外れな誤答を防いで、それによるトラブルや手間が発生することをも避けることになるのです。

結論を出すまでにかかる時間を短縮できる

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条件や仮定が増えると、伝える側はその一つ一つの詳細の説明やそこに生じた疑問などにも回答しなければならず、条件や仮定の数の分だけ時間を要すことになります。

そして、説明を受ける側も、その条件や仮定の数だけ一つ一つの情報の処理に思考を費やし、疑問などを解決してから答えを導き出す…という具合に、結論に辿り着くまでに遠回りをして時間をかけることになります。

よって、伝える側がシンプルに短く不要な仮定や条件を含まない説明をすることで、受け手側もより短い時間でスムーズに結論を導き出すことができ、効率がよく事が進むのです。

口頭で説明する場合でも理解が容易い

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人が口頭のみで何らかの説明をするとなると、視覚的に一つずの事柄の確認ができない分、メールなどの文書上のやり取りや何らかの資料に沿っての説明をする場合よりも、『伝えること』においての難易度はどうしても上がります。

そんな難易度の高い口頭での説明でも、より受け手が理解するのを容易くするためには、説明の内容をすっきりと整理して情報量をできるだけ減らすことです。

なので、伝え手は、書面上では読み返しながら何とか理解ができる盛り沢山な内容の説明でも口頭ではそれが難しくなることを理解した上で、受け取る相手がいかに容易く理解をできるかに考慮をした、できるだけさくっとシンプルな説明をするよう心がける必要があります。

オッカムの剃刀のデメリット

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「オッカムの剃刀」は仮定や条件の不要か否かを見極めて省略をしていく考え方である故に、『不要』・『必要』の意味に対する誤解や、単純化のため仮定や条件を省略してしまったがためのトラブルが起こるというデメリットがあるため、注意をして適用をしなければなりません。

『不要な仮定として省略をした事柄=誤った仮定』、『省略や追加によって仮定の正当性が決まる』などの誤解に加え、状況に応じて臨機応変に伝える情報を選んだり省略をし過ぎたあまり逆に混乱を招くようなこともないよう、情報の選択だけでなく言葉や伝え方にも充分に気を遣う必要があるのです。

「不要な仮定=誤った仮定」と誤解されやすい

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二つ目に出した例で、「この装置は電池により動いている」という事実を伝えるためには『神が』という主語を用いた説明しなくてもよいけれど、『不要な仮定=誤った仮定』との誤解をされやすい…と説明をしましたが、このような誤解を生まないためにも、省略をする場合には言葉選びや伝え方に気を配り慎重になりましょう。

この場合には、『神が』という仮定の内容自体を否定しているわけではなく、電池により作動していることはその仮定を説明しなくとも可能…という意味であり、省略をした仮定の存在や信仰を否定しているわけではないことが相手に伝わるよう、工夫を凝らした丁寧な説明を心がけることが大切です。

仮定の追加・削除は結論の正当性とは関係がない

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また、「オッカムの剃刀」で不要な仮定や条件として省略された事柄は、その仮定自体が『間違い』だというわけではなく、逆に追加された仮定や条件もそれにより『正しい』というわけではありません。

「オッカムの剃刀」はあくまでも、理論を説明する上で何が必要な情報かどうかを選択してシンプルにする…というものであり、仮定や条件の内容の正当性によって省略されたり追加されたりするわけではないということを理解をした上で、受け手にも誤解がないように伝えることが大切です。

受け取り手の知識量や立場によって必要な仮定が異なる場合も

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「オッカムの剃刀」を適用して、無駄を省いたよりシンプルな説明をする方が相手には理解が容易くなる…とは言え、ここでどの仮定や条件の部分が『不要』となり省略をするべきかは、それを受け取る相手によってそれぞれ違うものです。

自分と同じ知識を持つ同じような職種や立場の相手に説明をする場合には『知っている前提』として省くことができる専門的な条件でも、その専門的な知識が全くない相手に説明をする場合には、勿論それに必要な条件を加えたより深い話をする必要があります。

このように、ある仮定や条件を『不要』だから省略をすべきか否かや、『必要な条件』として付け加えるべきかは、受け取る相手の知識量や立場によって臨機応変に選択をしなければならないことを覚えておきましょう。

単純化にこだわり過ぎると必要な仮定まで削ってしまうことも

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説明の単純化をすることにばかりこだわり過ぎていると、本当に必要な仮定までも削ってしまう…という危険性があるため、仮定や条件の省略をする場合には気を付けて判断をしなければなりません。

無くても何ら変わらないように見える条件や仮定でも、説明の中のある一部を理解する上で実は必要不可欠な情報であったり、複数の様々な人を相手に説明をする場合には、『知っている前提』として一部の人は知らない情報までも省略をしてしまうことで、かえって混乱やトラブルを招きかねません。
 
「オッカムの剃刀」を適用する場合には、むやみやたらに仮定や条件を削って単純化することばかりにこだわらず、説明の細部・相手・状況…などを充分に考慮した上で、慎重に伝えるべき情報を選ぶ必要があるのです。

オッカムの剃刀の応用で説明をシンプルに!

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「オッカムの剃刀」を適用しての説明をすると沢山のメリットがあるとは理解できても、日常生活の中でどう応用すればよいかを知らないことには、実用ができないためあまり意味がありませんよね。

ここからは、「オッカムの剃刀」がビジネスの場においてだけでも、目を通しやすく理解しやすい文書やマニュアルを作成したり、プレゼンテーションをより有効にする他、発言に適用することで会議の難航や長引きを防いだり…と、様々なメリットをもたらしてくれることを説明していきますね。

ビジネス文書作成

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ビジネス文書を作る場合には、だらだらと伝えたいことが見えてこない文章で説明を書き綴るよりも、無駄な要素や項目は排除してしまった見た目にもすっきりした文書に仕上げる方が理想的で、「オッカムの剃刀」の応用は最適と言えます。

口頭の説明ではなく文書の場合にも、見た目がすっきりとしている方が読み手としては『目を通したい』と気が進むものですし、よく結論が理解できない説明をやたらと長文で書かれていては、途中で嫌になって読むこと自体を放棄したくもなってしまうものです。

説明書やマニュアルの作成

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