2019年7月26日 更新

カラスがかわいいと人気に?カラスの飼い方や注意点も

屋根の上に、電線に、ごみ置き場に、いつも見ているカラス。しかし、カラスの姿はそれだけではありません。カラスは良く知るととてもかわいい一面があり、静かに人気急上昇中なのです。カラスの魅力や、もし飼いたいと思ったらどうすれば良いかをご紹介します。

ペットショップ

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極まれに、カラスを売っているペットショップはあります。日本のカラスではなくアフリカ産のムナジロガラスで、胸に白い模様があるため、パイドクローとも呼ばれています。値段は25~30万円程度となかなかの高価格です。性格は温和で賢く、2週間くらいで手乗りに訓練できるそうです。

高価な上アフリカ産と言うことで、加温、加湿にかなり気を配らないと飼えないでしょう。もし家に迎え入れたいと思うなら、相当な出費と手間を覚悟しなくてはなりません。

保護

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カラスの繁殖時期はかなり幅がありますが、平均的な繁殖時期はハシブトガラス、ハシボソガラスともに4~7月頃です。その頃、地上をバタバタと飛ぶカラスのヒナに出会うことがあります。

だからと言って、安易に拾ってはいけません。カラスのヒナは生まれてから一か月半程度で巣を出ますが、完全に自立しているわけではなく、巣の周辺にいて親から保護されています。一見迷子のように見えても、親がそばで見守っている場合があります。うかつにヒナに触れると、親鳥の怒りを買ったり、育児放棄につながったりする恐れがあります。

また、明らかに巣立ち前の幼いヒナだったり、怪我をしていた場合も、本来は保護してはいけません。環境庁の指針では、野鳥の保護について「生態系は野生生物の生と死によって成り立っており、自然の傷病による鳥獣の死も生態系の重要な一要素である」とし、「自然に任せるべき」という考え方をしています。
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しかしその反面、「人には鳥獣を敬い命を大切に思う気持ちがある。傷病鳥獣救護は、もともと人道的な行為として行われてきており、鳥獣保護思想上も生きものを大切に思う気持ちからなされてきた側面もある」と、ヒナを保護する人の心を尊重する考え方も持っています。野鳥の保護問題は、人と自然がどう関わるべきかという問題にもつながっているのです。

まとめると、基本的には野鳥を保護してはいけません。明らかに怪我をしていたり体が不自由だったりと即時保護が必要だと判断した場合は、必ず役所に相談するようにしましょう。

里親募集

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ネットでカラスの里親を募集しているサイトを探すと、たくさんの募集が見つかります。ヒナの内に巣を撤去されて殺処分されそうなところを保護したもの、翼や足を負傷して自然に返せないものなど、事情は様々です。例え自然に戻れないカラスでも、飼う場合は役所に相談しなくてはいけません。簡単に手に入るからと安易に飛びつかず、野鳥を飼うことの責任についてよく考えましょう。

保護するにせよ、里親になるにせよ、「かわいそう」、「かわいいから飼いたい」という気持ちだけではカラスは飼えません。最後まで責任を持ってカラスに接する覚悟がないのなら、先ほどご紹介したかわいいカラスの動画を見て楽しむだけにとどめておいた方が良いでしょう。

カラスを飼うときの注意点

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幾多の問題を承知しつつ、それでもカラスが飼いたい、という方のために、カラスを飼う時の注意点を簡単にご紹介します。カラスは体が大きく賢いため、飼うにはかなりのスペースと予算と手間と愛情がかかります。生活の第一基準をカラスに設定する覚悟を持って飼うようにしましょう。

鳥獣保護管理法の捕獲等の特別許可を取得する

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野鳥を飼うためには役所に飼育許可を得なくてはなりません。許可する基準は自治体によって違うので、まずは相談しましょう。

スズメやヒヨドリなど保護した野鳥を届け出せずそのまま飼っている人がいますが、違法です。先ほどご紹介した通り、かわいそうな鳥を保護したいという人の良心は尊重されており、「お目こぼし」になることもありますが、やはり法律違反ですからお勧めはしません。

例外として、ハシブトガラスとハシボソガラスは狩猟鳥獣に位置付けられており、狩猟免許を取得・登録した上で、狩猟期間・方法・区域を守れば許可を得なくても捕獲ができます。捕獲したカラスはどうしようと捕獲者の勝手ですから、許可なしに飼育しても問題はありません。

飼育方法に気をつける

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カラスは飼う前から大変ですが、飼った後も大変です。体が大きく、運動量も多いため、かなり広いスペースをカラスのために割かなくてはなりません。室内で飼う時には大型のケージや小屋が必要です。

換気ができ、直射日光が当たり過ぎない場所を選びましょう。また、屋外で飼う場合はイタチや猫などが侵入できないようしっかりした作りにしましょう。見落としがちなのが床です。犬などは地面を掘って小屋に潜り込むことがありますので、床をコンクリート打ちにするなどして侵入できないようにしないといけません。また、床にペットシーツを敷いておくと掃除が楽になるようです。
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カラスはとても良く食べ、良く飲みますので、新鮮な餌と水を欠かさないようにします。水浴びも好きなので、たらいに水を入れて置いてあげると喜びます。しかし、かなり水を跳ね散らかすので、特に室内で飼う場合は注意が必要です。

まずは住む場所・食べ物・清潔で適温適湿な環境を整えてあげ、カラスの体の状態や性格によって、カラスが快適に過ごせるよう工夫しましょう。カラス飼育者が交流するサイトもありますので、勉強するのも良いでしょう。

しつけをきちんとする

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鳥のしつけは難しい、もしくは不可能とも思われていましたが、最近では鳥のしつけに関する研究も進められています。特に挙げられるのはオウムの「噛み癖の矯正」、「鳴き癖の矯正」、「トイレのしつけ」です。カラスは賢い鳥ですから、このオウムのしつけ方法を応用して、ある程度しつけができる可能性はあります。

しかし、噛み癖はともかく、鳥は本能で鳴きます。また、常に体を軽く保てるよういつでもどこでも糞をするようになっています。どのあたりまでしつけをするべきか、カラスにとって適切なしつけとはどのようなものか、カラスを飼っている人の中でも議論がなされているところです。
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一緒に生活する以上、ある程度のルールは守ってもらうことも必要になるでしょうから、それぞれの考えによってしつけるかしつけないかは考えていくと良いでしょう。

ただし、絶対に体罰はしないようにしてください。基本は、望まない行動をしたら無視、良い行動をしたら大げさに褒め、ご褒美をあげるようにすることです。辛抱強く教えれば、カラスは大好きな飼い主の意図を理解し、褒めてもらえるよう頑張ることでしょう。

カラス好きにおすすめの黒い鳥

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「カラスは可愛いけど、飼うのが大変そう…」という場合は、すでにペット化されている黒い鳥を飼ってみてはいかがでしょうか。インコやオウムなど、鳥は色彩豊かな羽が魅力ではありますが、その中で黒や灰色の羽を持つ鳥と言うのもシックで良いものです。ペットとして飼育できる黒い鳥たちをご紹介します。

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