2019年7月26日 更新

カラスがかわいいと人気に?カラスの飼い方や注意点も

屋根の上に、電線に、ごみ置き場に、いつも見ているカラス。しかし、カラスの姿はそれだけではありません。カラスは良く知るととてもかわいい一面があり、静かに人気急上昇中なのです。カラスの魅力や、もし飼いたいと思ったらどうすれば良いかをご紹介します。

カラスファン増殖中!

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カラスは真っ黒な羽にしゃがれ声、ゴミ捨て場を荒したり人の食べ物を盗んだりといった迷惑な行動から、嫌われがちな鳥です。しかし、最近カラス人気が上がり、かわいいからとファンになる人も増えているようです。

そう、カラスはとてもかわいく、賢く、時に憎たらしい生き物です。そんなカラスの魅力を徹底的にご紹介していきましょう。

日本にいる主なカラス

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「カラス」は誰でも知っていますが、実はカラスと言う鳥はいません。カラスとは「〇〇ガラス」という種の略称もしくは総称に過ぎないのです。

日本には7種のカラスが観察されていますが、「ハシブトガラス」、「ハシボソガラス」が大半を占めます。カラスファンなら「ブト」と「ボソ」の区別くらいはつくようになっておきたいもの。この2種のカラスの特徴をご紹介しましょう。

ハシブトガラス

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ハシブトガラスはその名前通りくちばしが太く、バナナのようなアーチ状に曲がっています。体もハシボソガラスより一回り大きいです。澄んだ張りのある声で「カァー、カァー」と泣きます。

何といっても特徴は「でこっぱち」であること。おでこが絶妙なカーブを描いて出っ張っているのが、遠目でも意外と目立ちます。しかしこのでこっぱちは人間でいうリーゼントのように羽が立っているだけで、骨まで張り出しているわけではありません。

どちらかと言うと都市部で良く見られ、電線や木の上などから食べ物を探し、ぱっと舞い降りてきます。地上ではスズメのように両足を揃えて跳ねるように移動しますが、体が重いのでドサッ、ドサッとなんだか大儀そうな動きに見えます。食べ物を横目で見つつ、斜め方向からドスドスと近づく様子はとてもユーモラスです。

ハシボソガラス

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ハシボソガラスはくちばしが細く、体もハシブトガラスより小さくてきゃしゃな感じがします。そのかわいい見た目に似合わず、声はハシブトガラスよりしゃがれていて、「ガァー、ガァー」と聞こえます。

鳴くときの姿勢も特徴的で、うつむいた姿勢からぐっと頭を上げて力いっぱい鳴きます。ちなみにハシブトガラスは体を水平にし、頭を前に突き出して鳴くので、姿勢からも区別をつけることができます。

どちらかと言うと郊外の農村部に多く住んでいます。大きな公園や河川敷の芝を歩いているのもこのカラスで、人間のように足を伸ばしてスタスタ歩きながら虫などをついばむ姿が良く見られます。

カラスがかわいい理由とは

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カラスがかわいい理由、それは花が美しいのと同じことで、理由などないのかもしれません。カラスはカラスだからかわいいのです。しかし、それではカラスが苦手な人に、カラスの魅力を伝えることはできません。カラスのかわいいポイントをいくつかご紹介しましょう。

つぶらな目をしている

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カラスは漢字で「烏」と書きます。「鳥」から四画目を抜いた形になっていますが、この四画目の横線は鳥の目を表しています。カラスは黒くて目がないように見えるため、「烏」という字があてられるようになったと言われています。

しかし、カラスの目は意外と印象的です。アーモンドアイの鳥も多いのですが、カラスは比較的丸くつぶらで、かわいい目をしています。その周りを取り囲むアイリング(鳥の目の周りにある輪。囲眼輪)が、まるでアイライナーのようなアクセントを添えてくれます。

(蛇足ですが、この写真を見ると分かる通り、カラスにはとても立派な「鼻毛」があります。これによって鼻の穴が覆われ全く見えなくなっているのも面白い特徴です)
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カラスのヒナは虹彩が青く、独特の目をしています。猫も子猫のうちは目がブルーグレーで、「キトンブルー」と言われているように、カラスの青い目はヒナの象徴です。それを覚えておくと、青い目のカラスがよりかわいく見えることでしょう。

ちなみに、カラスの視力はそれほど良くなく、人間と同程度だと考えられています。しかしながら色に対する感覚は鋭く、人間以上に区別がつく上に紫外線まで見ることができるようです。それを利用して、人には半透明に見え、カラスには不透明に見えるゴミ袋の開発もされています。それは後程ご紹介しましょう。

知能が高い

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「鳥頭」、「Birdbrain」これはいずれも「すぐ忘れる」、「ばか、まぬけ」など、頭の悪さを揶揄する言葉です。このように鳥の頭が悪いと思われていたのは、哺乳類と鳥類の脳の構造が異なっていたからです。

哺乳類の構造に照らし合わせると、鳥の脳の作りは知能の低い生き物のようになっていたのですが、実は鳥は鳥独特の進化により、また違った方法で脳の知能行動を司る部分を発達させていることが分かりました。

ハトの記憶力の実験では、様々な図形や写真が写ったスライドを見せ、あるスライドのときにはスクリーンをつつけば餌がもらえ、あるスライドの時はもらえない、という方法でスライドを記憶させたところ、なんと160枚のスライドを2年近くも覚えていたそうです。人間でも難しいテストを、「鳥頭」のハトがクリアしたというのですから驚きです。
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そんな鳥の中でもカラスはとても知能が高く、人間でも思いつかないような様々な知恵を絞り出します。最も賢いと言われているニューカレドニアガラスは、棘のある葉で「かえし」のついた釣り道具を作ります。

くわえる方は太く、釣る側は細くなるよう慎重に葉を切り取り、それを使って朽木の中にいるカミキリムシの幼虫を釣り上げます。さらに、質の良い道具は使い捨てにせず大切にとっておくそうです。このように、道具を使うだけではなく「作り出す」動物は、世界に42種しかいません。

もちろん、日本に住むカラスたちも驚きの知能を持っています。そんなカラスの賢さについては後ほど詳しくご紹介しましょう。

懐いた時のギャップ

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カラスは知能が高く、人に良く懐きます。電線の上から「カアー、カアー」と人を小馬鹿にしたような鳴き声を出しながら見下ろしてくる野生のカラスのふてぶてしさからは想像もできないですが、懐いたカラスはおどけた仕草や愛らしい態度で人の心を和ませてくれます。

アメリカ人のロレーン・ジョンソンという女性は、親友を亡くし悲しみに沈んでいた頃、1羽のカラスの雛と出会いました。彼女はカラスに「アイリアラ」という名前を付け、一緒に楽しい時間を過ごしました。その時の様子を、彼女はこのように語っています。
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