2019年8月18日 更新

トリカブト事件の概要は?本庄保険金殺人事件やロス事件についても

トリカブト事件とはトリカブトの毒を使って神谷力が妻を殺害した事件です。無罪を主張していましたが毒殺のトリックが明らかとなり無期懲役が言い渡されました。八木茂が起こした本庄保険金殺人事件や三浦和義のロス事件についても見ていきましょう。

目次

保険金目的で妻を殺した神谷力

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トリカブト事件は神谷力が保険金目的で妻を殺害した事件です。妻の死亡時に傍にいなかったというアリバイがあり、無罪を主張していましたが裁判で毒殺のトリックが明らかとなりました。

無期懲役が言い渡された後も2012年に病死するまで無罪を主張し続けて本の出版まで行っています。同じように保険金を目的とした事件に本庄保険金殺人事件とロス事件があります。

それぞれの事件の概要を詳しく見ていきましょう。

トリカブト事件の概要

Question Mark Why Problem - Free photo on Pixabay (566718)

トリカブト事件は1986年に発生した殺人事件です。結婚したばかりの夫婦が友人を含め5人で沖縄旅行に出かけて、夫が途中で帰宅した後に妻が突然苦しみだし死亡しました。

友人たちが急な心臓発作を不審に思い、メディアに訴えたことで事件は発覚しました。後に、妻には多額の保険金が掛けられていたことや体内から毒物が検出されたことが判明します。

友人たちの訴えがなければ妻は心臓発作で片付けられてしまうところでした。トリカブト事件の概要を見ていきましょう。

神谷と妻、友人の5人で沖縄旅行へ

Okinawa Sea Japan - Free photo on Pixabay (566720)

神谷力と妻の利佐子さんは1986年5月19日に沖縄旅行へ出かけます。2人は那覇で一泊した後に妻の友人3人と合流して5人で石垣島に行く計画を立てていました。

妻は池袋でホステスをしており出会ってわずか6日後に神谷からプロポーズを受けていました。4か月後には入籍を済ませるというスピード婚です。

沖縄旅行に同行した3人はホステス時代の友人で「妻が寂しがるから」と言い神谷が誘いました。5月20日に那覇空港で待ち合わせをしていました。

神谷が途中で帰宅

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那覇空港から石垣空港へ向かおうとしていたところ、神谷は「急用を思い出した」と言い出して大阪の自宅へ帰ることになりました。

神谷を那覇空港に残して利佐子さんと友人3人は石垣島へ向かいました。飛行機に乗っている際は体に不調等はなく石垣空港へ正午過ぎに到着しました。

ホテルにチェックインするためにタクシーでホテルに向かっている最中に、利佐子さんが突然大量の発汗と嘔吐に襲われます。ホテルに到着後は手足の麻痺と呼吸困難に苦しみ出したため友人が救急車を呼びました。

妻が石垣島で急死

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救急車で八重山病院へ搬送される最中に心肺停止に陥り、病院に到着しましたが15時4分に死亡が確認されました。那覇空港から石垣島に到着した神谷の承諾を受けて解剖が行われ死因は急性心筋梗塞と診断されました。

しかし内臓に異変がなく急死につながるような異常がなかったことから、死因に疑問を抱いた解剖医は妻の心臓と血液を保存しておきました。

妻の友人たちは病死ではなく神谷が事件に関わっていると疑いマスコミや新聞社に向けて事件を訴え始めます。事件は徐々に大々的に報じられるようになっていきました。

妻に多額の保険金がかけられていた

Coins Currency Investment - Free photo on Pixabay (566728)

妻には4社で2億ほどの保険金が掛けられていたことが発覚しました。掛金は月々18万円にも上りましたが掛金の支払いが一度しか行われていないなど不審な点が見つかります。

保険会社は妻の利佐子さんが神経系の病気を通知せずに保険へ加入したことから保険の支払いを保留にしたところ、神谷に民事訴訟を起こされます。

一審では神谷が勝訴しましたが、解剖をした大野医師が妻の死因は毒物が原因の可能性があることを指摘したことで神谷は訴訟を取り下げました。

毒が検出されて事件が発覚

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死因は毒物によるものだとは考えられていましたが、毒物の特定には至らなかったため事件にはなりませんでした。しかし5年後の1991年に神谷が別の事件の横領で逮捕された過程で妻の死は保険金目当ての殺人だった可能性が浮上します。

大野医師が保存していた妻の心臓と血液を分析したところトリカブト毒のアコニチンが検出されました。トリカブト毒は即効性があるにも関わらず妻の死亡時には神谷が傍にいなかったことから立件は難しいとされました。

ところが血液を改めて調べた結果、フグ毒のテトロドトキシンが検出されたのです。事件は毒物を使ったトリックによるものだとして神谷は逮捕されました。

神谷力の怪しい行動

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神谷は事件前に怪しい行動を取っていました。妻の遺体から検出された毒の元であるトリカブトやフグを大量に購入していたのです。

また、神谷は妻に栄養剤だと言って自分自身で調合したサプリメントを飲ませていました。消費者金融に多額の借金を抱えていたこともあり妻の友人たちは当初から神谷が妻を殺したと疑っていました。

しかし神谷はメディアに出演して身の潔白を主張します。物腰が柔らかい雰囲気を醸し出して無罪を訴えたのです。

トリカブトの花を62株購入

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捜査の中で神谷が福島県の高山植物店からトリカブトの花を62株購入していたことが判明しました。神谷は取材陣に「観賞用に植えて近所の奥さんに見てもらっていた」と答えています。

高山植物店の店主は裁判にも出廷して証言しましたがトリカブト毒には即効性があるため、どのようにして効き始めを遅らせたのかがわかっていませんでした。

裁判の中で神谷は、妻が苦しみだしたのは自分と別れてから約2時間後でありアリバイがあると無罪を主張しました。

フグを1200匹購入

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