目次
- 安住の地である自宅で起こった長い地獄
- フリッツル事件の概要
- オーストリアで発生した長期監禁虐待事件
- 実の父親に肉体的暴力を受けた
- 19回の妊娠と7人の子ども
- 逮捕された父親は「怪物」と呼ばれた
- 「オーストリアの実娘監禁事件」「恐怖の家事件」とも呼ばれる
- フリッツル事件の詳細
- 1966年ヨーゼフフリッツルとロゼマリアの間に誕生する
- 1977年に虐待が始まる
- 1983年自宅から逃げだす
- 3週間後警察によって自宅に連れ戻される
- 地下室の改造を始める
- 1984年自宅に監禁される
- ロゼマリアは失踪届を提出
- ヨーゼフは嘘の手紙を警察に提出
- 当初は脱出を試みた
- ヨーゼフは3日に1回食糧等を運び入れた
- 子どもが増えたため監禁部屋を拡張した
- 2008年娘が意識を失い病院に連れて行った
- ヨーゼフに不信感を持った病院側が通報
- 警察はエリーザベトの捜索を再開
- 監禁部屋に備え付けられたテレビで世間の様子を知る
- エリーザベトは病院で保護される
- 2008年ヨーゼフは様々な罪で逮捕される
- 子どもと共にロゼマリアも保護された
- 実の父親との間に誕生した7人の子供
- 1989年誕生ケルスティン（長女）
- 1990年誕生シュテファン（長男）
- 1992年誕生リザ（次女）
- 1994年誕生モニカ（三女）
- 1996年誕生アレクサンダー・ミヒャエル（双子）
- 2002年誕生フェリックス（三男）
- ヨーゼフフリッツルの生い立ち
- 1935年4月9日誕生
- 幼少期に父親は家を出る
- 母親に厳しく育てられる
- 21歳でロゼマリアと結婚
- 母親を約20年間監禁
- 強姦及び未遂事件を起こしている
- フリッツル事件の動機
- エリーザベトのことを思って
- ナチス党の教育
- 長い間発覚しなかった理由
- 行方不明者の多さ
- 犯罪歴公開制度
- ヨーゼフの嘘
- 地下室の構造
- エリーザベトへの脅し
- ロゼマリアは本当に知らなかったのか
- 地下室には近づけなかった
- 失踪届や警察への対応に不審な箇所は見られなかった
- 孫を養子として迎え育て方に不審点がなかった
- エリーザベトが性的虐待を受けていたことを知っていた
- ヨーゼフ逮捕のその後
- 2009年3月から4日間裁判が行われた
- モンスターではないという弁明
- 反省の色は見られなかった
- 傍聴席に娘エリーザベトの姿
- 終身刑の判決が下される
- エリーザベトと子供たちの現在
- エリーザベトと子どもたちは一緒に暮らしている
- ロゼマリアとは時々合っている
- トーマスと交際し同棲
- 性的暴行加害者の共通点
- 若い頃にレイプ経験がある
- 「レイプ」を否定する
- 女性への偏見や思い込み
- ナルシシズム
- 自身に問題があると考えない
- 家族間の問題は露見しにくく長期間続いてしまう
2009年3月19日、裁判官により、ヨーゼフに「15年間の仮釈放を認めない終身刑」の判決が下されました。ヨーゼフは判決を受け入れ、控訴しない意向を示しました。もし15年後に仮釈放されたとしても年齢的に性犯罪は起こせないであろうということです。
ヨーゼフは現在、オーバーエスターライヒ州にある、かつて修道院だった『ガルステン刑務所』の精神疾患犯罪者のための特別な区画に収監されています。
2009年3月19日、ヨーゼフを終身刑に処した。15年間は仮釈放が認められないという条件もついているが、
ヨーゼフは現在、オーバーエスターライヒ州にある、かつて修道院だった『ガルステン刑務所』の精神疾患犯罪者のための特別な区画に収監されています。
2009年3月19日、ヨーゼフを終身刑に処した。15年間は仮釈放が認められないという条件もついているが、
エリーザベトと子供たちの現在
via pixabay.com
「父親から娘への24年間の監禁強姦からなる家族」という、この痛ましすぎる事件から世間の興味がなくなることはなく、それどころかますます加熱していきました。そして、ついにイギリスのパパラッチが、エリーザベトと子供たちが暮らしている隠れ家から台所に侵入し写真を撮り始めました。
エリーザベトは非常に取り乱し、2009年3月、エリーザベトと子供達は家族の隠れ家から追いやられるように精神病院に戻ることになり、治療が再開されました。
エリーザベトは非常に取り乱し、2009年3月、エリーザベトと子供達は家族の隠れ家から追いやられるように精神病院に戻ることになり、治療が再開されました。
エリーザベトと子どもたちは一緒に暮らしている
via pixabay.com
エリーザベトと彼女の6人の子供たちは、オーストリア北部の無名の村に移住し、そこで砦で囲まれた家に住んでいます。6人の子供たちには、それぞれ通院での治療が必要でした。
階上でロゼマリアに育てられたエリーザベトの子供たちは「自分たちが捨て子だったというのは作り話だった」「子供の頃に父であるはずの祖父ヨーゼフから虐待を受けていた」ことを説明され話し合い、自分たちの兄弟が自宅の地下に監禁されていたこと等を初めて知りました。
エリーザベトの子供達全員が、近親相姦で産まれた子供に共通する遺伝的な問題を抱えていたので、治療する必要がありました。
階上でロゼマリアに育てられたエリーザベトの子供たちは「自分たちが捨て子だったというのは作り話だった」「子供の頃に父であるはずの祖父ヨーゼフから虐待を受けていた」ことを説明され話し合い、自分たちの兄弟が自宅の地下に監禁されていたこと等を初めて知りました。
エリーザベトの子供達全員が、近親相姦で産まれた子供に共通する遺伝的な問題を抱えていたので、治療する必要がありました。
ロゼマリアとは時々合っている
via pixabay.com
ロゼマリアは、ありったけの愛情を持ち育ててきた孫たちは、娘のエリーザベトが捨てた子供ではなく、夫から強姦され続けてできた子供だと知らされることにより、エリーザベトやその6人の子供たちと一緒に暮らすことはできず、小さなアパートに1人で住んでいました。
エリーザベト自身は「父のヨーゼフからの溺愛が過ぎたことなどから、母のロゼマリアから疎遠にされていた」と語りましたが、階上でロゼマリアに育てられていた自分の3人の子供たちがロゼマリアの家を定期的に訪れることは認めていました。
エリーザベト自身は「父のヨーゼフからの溺愛が過ぎたことなどから、母のロゼマリアから疎遠にされていた」と語りましたが、階上でロゼマリアに育てられていた自分の3人の子供たちがロゼマリアの家を定期的に訪れることは認めていました。
トーマスと交際し同棲
via pixabay.com
どんな人でも時間を巻き戻せることはできません。鬼畜ヨーゼフに人生を奪われた家族たちは、どんな癒やしがなされたとしても、完全に癒える日が来ることはないはずです。
エリーザベトが失った24年が戻ることは決してない。エリーザベトはその後『トーマス・W』とのみ呼ばれるボディガードの1人と恋仲になり交際を開始し、一緒に暮らし普通の女性として生きようと頑張っていると報道されました。
子ども達もロゼマリアも一つの家族として、なるべく普通に生活しようと努力していると伝えられています。
エリーザベトが失った24年が戻ることは決してない。エリーザベトはその後『トーマス・W』とのみ呼ばれるボディガードの1人と恋仲になり交際を開始し、一緒に暮らし普通の女性として生きようと頑張っていると報道されました。
子ども達もロゼマリアも一つの家族として、なるべく普通に生活しようと努力していると伝えられています。
性的暴行加害者の共通点
via pixabay.com
性的暴行加害者には共通点があると言われています。そして、かなりの確率で再犯してしまうので「性犯罪者」は、周りの人に知らせておき注意して置かなければならないほど甘くない犯罪です。
体の力で圧倒的に強いものから弱いものへ行われる性的暴行と、『#Mee too』運動などの精神的に立場的に絶対的に強いものから弱いものへと行われる性的暴行などがあります。
最近では、性別問わず性的暴行を加えられる場合も多くみられます。
体の力で圧倒的に強いものから弱いものへ行われる性的暴行と、『#Mee too』運動などの精神的に立場的に絶対的に強いものから弱いものへと行われる性的暴行などがあります。
最近では、性別問わず性的暴行を加えられる場合も多くみられます。
若い頃にレイプ経験がある
via pixabay.com
性的暴行の犯罪者は、高校生のときや、大学に進学して数年目という若い時期に、顔見知りを相手に反抗を始めることが多いと言われています。
こんなにスリリングに「圧倒的に自分が強い」と感じられて心身ともに気分が良くなる経験はないということでしょう。日頃、親や先生などのいうことを聞かされて我慢させられいるような「自分はだめな人間だ」と認知させられている者に限り、経験したことのない自分の勝利感のようなものを味わえるのです。
自分の娘を監禁強姦し続けた父ヨーゼフも、生まれた時からずっと暴力を振るうような厳しい母の監視下に置かれていました。
こんなにスリリングに「圧倒的に自分が強い」と感じられて心身ともに気分が良くなる経験はないということでしょう。日頃、親や先生などのいうことを聞かされて我慢させられいるような「自分はだめな人間だ」と認知させられている者に限り、経験したことのない自分の勝利感のようなものを味わえるのです。
自分の娘を監禁強姦し続けた父ヨーゼフも、生まれた時からずっと暴力を振るうような厳しい母の監視下に置かれていました。
「レイプ」を否定する
via pixabay.com
『デートレイプ』という言葉の生みの親メアリー・コスによると、レイプの被験者たちは「相手の意思に反して性交に及んだのか」と聞かれると「はい」と答えるが「レイプのような行為をしたのか」と聞かれると、決まって「いいえ」と答えるそうです。
性的暴行に関する研究の被験者の大半は「セックスが合意によるものでなかったことを隠し立てせずに認める」が「自分の行為が真のレイプだと考えてはいない」のです。
自分の娘を監禁強姦し続けた父ヨーゼフも、同じことを主張していました。
性的暴行に関する研究の被験者の大半は「セックスが合意によるものでなかったことを隠し立てせずに認める」が「自分の行為が真のレイプだと考えてはいない」のです。
自分の娘を監禁強姦し続けた父ヨーゼフも、同じことを主張していました。
女性への偏見や思い込み
via pixabay.com
日本でも「嫌よ嫌よも好きのうち」とされるような助成に対する偏見からの誤解がありますが、海外でも「女性の『NO』=『YES』の意味だ」などと、レイプにまつわる誤った通念を信じ過ぎてしまうことなどが、性的暴行を犯すリスク要因になっています。
特に、日本女性は海外の男性から「なまめかしい」「非常にエロい」「性的にも男性に尽くしてくれるのが日本人女性」などと、後で聞いて「そういう意味だったのか」と驚くほど性的な意味で誤解されていることが多いです。
特に、日本女性は海外の男性から「なまめかしい」「非常にエロい」「性的にも男性に尽くしてくれるのが日本人女性」などと、後で聞いて「そういう意味だったのか」と驚くほど性的な意味で誤解されていることが多いです。
ナルシシズム
via pixabay.com
ナルシシズム(narcissism)は、自己愛、自己陶、うぬぼれという意味で使われ、ナルシシズムを呈する人を『ナルシシスト(英: narcissist)と言いますが、日本ではナルシスト(蘭: narcist)という言葉で浸透しています。
一次性のナルシシズムは、人格形成期の6ヶ月～6歳でみられる「避けられない痛みや恐怖から自己を守るための働き」という自己防衛のために生まれます。二次性のナルシシズムは病的な状態で、思春期～成年にみられる、自己への陶酔と執着が他者を排除する思考パターンで、自己愛性パーソナリティ障害の核となります。
「自分さえ良ければ他の人が同感じようが関係ない」という、父ヨーゼフのような人です。
一次性のナルシシズムは、人格形成期の6ヶ月～6歳でみられる「避けられない痛みや恐怖から自己を守るための働き」という自己防衛のために生まれます。二次性のナルシシズムは病的な状態で、思春期～成年にみられる、自己への陶酔と執着が他者を排除する思考パターンで、自己愛性パーソナリティ障害の核となります。
「自分さえ良ければ他の人が同感じようが関係ない」という、父ヨーゼフのような人です。
自身に問題があると考えない
via pixabay.com
7 / 8
