2019年9月12日 更新

アカマタクロマタとは?タブーや過去に起こった事件についても

『アカマタクロマタ』と聞いて「お祭りだ!」とわかる人は少ないのではないでしょうか?一見かわいらしく聞こえるこのお祭りは、とてもシリアスなお祭りで、行方不明者や暴行事件などまで起きてしまうという沖縄の『秘祭』と言われるお祭りなのです。

目次

Drum Music Musical Instrument - Free photo on Pixabay (614010)

挨拶が終わると、暗闇の中どこからともなく「ドンドンドン」という太鼓の音が聞こえてきて、鳥肌が立つほど生き生きとした男性たちの歌声も聞こえてきます。

みんなでソワソワしながら待っていると、アカマタクロマタが登場するのです。アカマタは男、クロマタは女の神様なので、アカマタは激しく踊り、クロマタは優雅に踊ります。

神様にも喜怒哀楽があるそうで、お祝い事があった家の前では、喜びを表すようにピョンピョン跳ねて踊り、不幸があった家の前では静かに踊ります。

アカマタクロマタは踊り島民が歌う

Singing Kids Child - Free vector graphic on Pixabay (614011)

約100人ほどの人々が、法被のような姿で太鼓を叩きながら、トリップ状態に入るのが目的のような短いフレーズのループのアカペラの唄を歌いながら舞い踊ります。アカマタ・クロマタは、人々の中心で両手に2本の棒を持ち、体を揺らして踊ります。

歌詞は聴き取りづらいですが、オボヨモチィオールン(大世持が来臨になった)ピィロヨモチィ オールン(広世持が来臨になった)トゥトゥシユオーラバ(毎年お迎えして)ウガミシィディラ(拝みましょう)というものです。

満月に近い月が煌々と広場を照らしていますが、周囲が暗くなる頃には30分ほどの踊りが終わり、アカマタ・クロマタの姿は闇に消えていきます。ここで「これで豊年祭は終わりです、このあとは集落の行事になるので、部外者は帰ってください」というアナウンスが流れます。

アカマタクロマタに関するタブー

No Symbol Prohibition Sign - Free vector graphic on Pixabay (614012)

アカマタ・クロマタは、八重山諸島の他の地域の神々とは全く異なる、南太平洋のパプアニューギニア周辺の仮面神と共通する特徴があるため「南太平洋から伝わった」と言われています。

そのため、琉球王朝の政策により信仰行事などが抑圧されましたが、島民たちは「夜間なら役人の目を逃れられる」と、神の恵みを信じ、豊穣を祈願して生産に励み、偏見や差別をうけながら秘祭にすることにしたようです。

ここではアカマタクロマタに関するタブーをご紹介していきます。

島民以外の参加は禁止

Boat The Beach Sea - Free photo on Pixabay (614013)

各家でアカマタ組かクロマタ組が決められ、アカマタ組は赤い鉢巻き、クロマタ組は白い鉢巻きで、待ちに待った『アカマタ・クロマタ』が姿を表し踊り闇に消えた後「これで豊年祭は終わりなので、部外者は帰ってください」というアナウンスが流れた後の祭りは、集落の者以外は追いかけたり見たりさえできません。

21世紀になった現在では、一切の撮影を禁止にして「年に1度だけ、その場にいる人だけが神の姿を見ることができる」という祭りにすることで、集落の存続を計れることも狙っていると言われています。

写真・動画・録音撮影禁止

Photographer Photo Camera - Free photo on Pixabay (614014)

島民たちは「アカマタ・クロマタ・シロマタの聖なる姿を撮るということは、神を汚すことになる」と言います。

年に一度しか現れない神さまがいつでもどこでも見られるような祭りになると、わざわざ祭りをする意味が薄まる。そして、祭りをしに帰ってきた人たちも村のことを忘れてしまう

島民や島から出ていった者たちによると「村を存続させるためには、この祭りを『秘祭』にしておかなければならない」のだと言っているそうです。

写生禁止

Watercolors Paint Painting Tools - Free photo on Pixabay (614015)

このテクノロジーの世の中でも、「アカマタ・クロマタ」の豊饒祭では、治外法権状態で「島民以外の参加は禁止」「一切の写真撮影、写生、録音の禁止」「祭りの内容を口外する事禁止」とされ、祭りの内容はTwitter・Facebook・Instagram・ネット掲示板などどこを探しても見当たりません。

それどころか!それに関する話題をもちかけただけで「消される」「ヤバイ」などと都市伝説のように噂され、まるで危険なもののように取り扱われています。

祭りの内容の口外は禁止

Whisper Secret Mystery - Free photo on Pixabay (614016)

関係者以外に「アカマタ・クロマタ」の豊年祭の内容を口外すると「原因不明の体調不良で苦しみ命を落とす」「災いがふりかかる」「盗撮したカメラマンが謎の死を遂げた」などと「後がどうなっても知りません」と言われています。

噂によると「島民ではない学生らが島民に変装して祭りに潜入し、島民らにリンチを受けた」「人魚が祀られている」「人魚のモチーフでもあるジュゴンが生贄にされて祀られている」などとも言われています。

新城島には撮影録音禁止の看板が立てられている

Sign Designation Of The No - Free vector graphic on Pixabay (614017)

新城島には、そもそも島自体が撮影禁止のエリアが多く、いつでもありとあらゆる箇所に「撮影録音禁止」の看板があります。アカマタ・クロマタ祭以外の時期は、カメラやスマートフォンを持っていても何か言われるということはありません。

が!祭りの時期には、いかなる『撮影・録音機器』の所持も一切の許可がされず、見つかれば没収されたり壊されたりするそうです。カメラやスマホを壊されるのも痛手ですが「島民とのトラブルで事件に発展する危険を避けること」が理由だそうです。

タブーを守らないとどうなるのか

Surprised Blue Eyes Freckles - Free photo on Pixabay (614018)

どの地域の祭りでも、地元意識の強い「地元愛」を持つ住民と、しきたりを知らなかったり無視したりする観光客との間でトラブルが発生してしまうことはあります。

他の地域の祭りとは一線を画すほどの様々なタブーやしきたりを持つ「アカマタ・クロマタ」ですが、タブーやしきたりを無視した者には「不幸なことが降りかかった」「何らかのトラブルが発生した」などという噂があります。

この噂に尾ひれが付き「神の怒りに触れると危険」「タブーを破ると命の危険がある」など、逆に人々の興味を惹くような危険な秘祭になっているようです。

不幸なことが降りかかる

Portrait Grim Girl - Free photo on Pixabay (614019)

どのような神様や、神様をともなう祭り事でも、ルールを守らないものには「不幸なことが降りかかる」と言われることは珍しいことではありません。

沖縄の地元意識は半端なものではなく、島に残る者も島を出た者でも、強烈な「地元愛」を持つ人が多い地域です。アカマタ・クロマタの豊年祭は、さらに「地元愛」を持つ島民により200年以上も大切に行われてきている祭り事なので、様々な怖い噂が流れることで「ルールを守らせよう」とするのでしょう。

命の危険

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