目次
- 「足るを知る」の意味と語源
- 足るを知るの語源
- 足るを知るの意味①~世間一般でとらえられている意味~
- 足るを知るの意味②~老子が「足るを知る」でいいたかったこと~
- 「足るを知る」の使い方
- 「足るを知る」を使った例文①
- 「足るを知る」を使った例文②
- 老子について
- 老子について
- 知足者富
- 知足不辱、知止不殆
- 自知者明
- 善勝敵者不與
- 仏教における「足るを知る」
- 仏教は中国が始まり
- お釈迦様の説いた「小欲知足」
- 竜安寺について
- 竜安寺について
- つくばいに刻まれた文字
- 徳川光圀について
- 竜安寺を観光するならオススメの時期
- ■足るを知るミニマリストの生活
- 今ある幸せを噛みしめる
- 不幸なことは考えない
- 楽しかったことを再びやる
- 達成感があることをする
- 本当の自分を知る
- 心穏やかに生きている
- 足るを知るをモットーに心穏やかな自分へ
「足るを知る」の意味と語源
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「足るを知る」は、道教の祖、老子がいった言葉といわれています。「足ることを知る」と表現されることも多々ありますが、今回は、この「足るを知る」について、老子は本当は何を伝えたかったのか、この言葉に込められた意味や、世間ではどういったとらえ方をされているのかなどについて、いろいろな視点から考察していきます。
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足るを知るの語源
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では、まず、「足るを知る」の語源から紹介しましょう。この「足るを知る」という言葉は、「老子」という書籍の33章に登場している「知足者富」の「知足」を語源とする言葉です。漢文なのでちょっと難しいのですが、この「知足」が「足るを知る」と解釈されています。
この言葉が使われている33章の原文をここに引用してみましょう。「知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。知足者富、強行者有志。不失其所者久。死而不亡者壽。」
これを書き下すと、「人を知る者は智、自ら知る者は明なり。人に勝つ者は力あり、自ら勝つ者は強し。足るを知る者は富み、強を行う者は志あり。その所を失わざる者は久し、死して而も滅びざる者は寿。」となります。
この言葉が使われている33章の原文をここに引用してみましょう。「知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。知足者富、強行者有志。不失其所者久。死而不亡者壽。」
これを書き下すと、「人を知る者は智、自ら知る者は明なり。人に勝つ者は力あり、自ら勝つ者は強し。足るを知る者は富み、強を行う者は志あり。その所を失わざる者は久し、死して而も滅びざる者は寿。」となります。
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この原文と書き下し文とを照らし合わせてみましょう。「知足」は、書き下し文の中の「足るを知る者」に該当していますね。これからも、「足るを知る」の語源が老子33章の「知足」であることがわかります。
なお、この33章の個々の解釈については、後で詳しく説明します。
なお、この33章の個々の解釈については、後で詳しく説明します。
足るを知るの意味①~世間一般でとらえられている意味~
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「足るを知る」=「知足(ちそく)」を広辞苑第6版で調べてみました。そこには2つの意味が記載されていました。老子33章における意味と、仏教における意味の2つです。
まず老子における意味として、「現状を満ち足りたものと理解し、不満を持たないこと」と書かれています。もう一方の仏教における意味は、「現在の境遇を自分に見合ったものとして不満を抱かないこと」と書かれています。表現はちょっと違いますが、結局は、どちらも現状を受け入れて不満を持つな、といっています。
デジタル大辞泉では「身分相応に満足することを知る」、大辞林第3版では「身の程をわきまえて、むやみに不満を持たない」と、それぞれにこの「足るを知る」の意味を説明しています。これが現在世間一般で解釈されている「足るを知る」の意味のようです。
まず老子における意味として、「現状を満ち足りたものと理解し、不満を持たないこと」と書かれています。もう一方の仏教における意味は、「現在の境遇を自分に見合ったものとして不満を抱かないこと」と書かれています。表現はちょっと違いますが、結局は、どちらも現状を受け入れて不満を持つな、といっています。
デジタル大辞泉では「身分相応に満足することを知る」、大辞林第3版では「身の程をわきまえて、むやみに不満を持たない」と、それぞれにこの「足るを知る」の意味を説明しています。これが現在世間一般で解釈されている「足るを知る」の意味のようです。
足るを知るの意味②~老子が「足るを知る」でいいたかったこと~
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老子は、本当に「今の境遇に文句をいうな」とか「身の程を知れ」とかいった意味でこの「知足」を使ったのでしょうか?老子は、道教の経典となる「老子」という書を何のために書いたのかというと、人が本当に幸せを感じられるような生き方はどんなものか、ということを教えたくて書いたのだ、といわれています。
身の程を知って不満を持ってはならない、といわれたからといって、そのように生きることがわたしたちにとって果たして本当に幸せを感じられる生き方だといえるでしょうか。老子は、もっと根源的なことをこの言葉に込めていたのではないでしょうか。
身の程を知って不満を持ってはならない、といわれたからといって、そのように生きることがわたしたちにとって果たして本当に幸せを感じられる生き方だといえるでしょうか。老子は、もっと根源的なことをこの言葉に込めていたのではないでしょうか。
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老子33章の原文では、「知足者富」、つまり「足るを知る者は富む」といっています。これは、「足るを知る者、すなわちいつも満ち足りた思いでいる者は心豊かに生きることができる」といっているのですね。
ではその「満ち足りた思い」は、どこから生じるか。それは自然の一部としてわれわれが生かされていることへの感謝にほかありません。
つまり、老子は、「今ある環境や境遇を我慢せよ、受け入れよ」といっているのではなくて、「自分がこの世に存在していることも含めて、今あるものすべてに「感謝」すれば、いつも心は穏やかで豊かに生きることができますよ」といっているのですね。
ではその「満ち足りた思い」は、どこから生じるか。それは自然の一部としてわれわれが生かされていることへの感謝にほかありません。
つまり、老子は、「今ある環境や境遇を我慢せよ、受け入れよ」といっているのではなくて、「自分がこの世に存在していることも含めて、今あるものすべてに「感謝」すれば、いつも心は穏やかで豊かに生きることができますよ」といっているのですね。
「足るを知る」の使い方
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ここでは、「足るを知る」がどういう風に使われているかを見るために、いくつかの例文を挙げて、それぞれの使い方について考察していきます。
「足るを知る」を使った例文①
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「足るを知ることで真の自分が見えた」:老子的意味で解釈するとこの例文の意味がとてもよく理解できます。つまり、「今自分がいる環境や自分が持っているものはそれだけで十分だと知ると、感謝の気持ちが生じてきて、今の自分がとても恵まれていることに気づく」といった意味です。
「君の悩みは足るを知ることで解決できそうだ」:この例文は、「上ばかり見ているからもっと欲しい、と欲がでてしまうんだよ。その君の悩みは、今の境遇に感謝して満足をするという心を知ればなくなるだろう」といった意味を表しています。
「足ることを知ると、焦りが消えてすごく楽になったわ」:「今の自分がいろいろなものを与えられているんだ、ということを知ると、もっと手に入れなくてはいけないって焦る気持ちがなくなって楽になったわ」という意味が含まれている例文です。
「君の悩みは足るを知ることで解決できそうだ」:この例文は、「上ばかり見ているからもっと欲しい、と欲がでてしまうんだよ。その君の悩みは、今の境遇に感謝して満足をするという心を知ればなくなるだろう」といった意味を表しています。
「足ることを知ると、焦りが消えてすごく楽になったわ」:「今の自分がいろいろなものを与えられているんだ、ということを知ると、もっと手に入れなくてはいけないって焦る気持ちがなくなって楽になったわ」という意味が含まれている例文です。
「足るを知る」を使った例文②
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「足るものを知るは富を得る、っていわれているけど、彼女を見ているとなんとなく理解できるわ。だって、彼女、貧乏なのに心から満ち足りているみたいなんだもの」:この例文が表しているのは、「足るものを知って日々感謝の思いで生きると心豊かに過ごすことができるっていうけど、彼女を見ていると、貧しいにもかかわらず、何の不足もなく満ち足りた様子で生活をしていて、それがなんとなくわかるような気がするわ」、といったような意味です。
「最近、買い物に狂うことがなくなったの。これも足るを知る、の心境になったからかしら」:これは、「買い物に出かけてあれも欲しい、これも欲しい、と無駄なものを買いまくる癖がなくなったのは、今与えられているものに感謝する気持ちを知ったからかしら」といった意味の例文です。
「足るを知ると、身の周りがすっきりしてくるような気がする」:「今あるもので十分だと悟ると、余計なものが増えることがなくなる」といった意味で使われている例文です。
「最近、買い物に狂うことがなくなったの。これも足るを知る、の心境になったからかしら」:これは、「買い物に出かけてあれも欲しい、これも欲しい、と無駄なものを買いまくる癖がなくなったのは、今与えられているものに感謝する気持ちを知ったからかしら」といった意味の例文です。
「足るを知ると、身の周りがすっきりしてくるような気がする」:「今あるもので十分だと悟ると、余計なものが増えることがなくなる」といった意味で使われている例文です。
老子について
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ここでは、「知足」すなわち「足るを知る」を説いた老子について、その人物象や、彼の残した「老子」という書に中に残された名言などについて考察していきます。
老子について
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