2019年4月23日 更新

あやめの花言葉を色と種類別で紹介!怖い意味の花言葉も?

あやめの花言葉を知っていますか?怖い意味があるというのは本当なのでしょうか?マンガ「スパイラル」でも使われたあやめの花言葉を、花の色や種類別で見てみましょう。よく似ている花が咲くカキツバタや、混同されるショウブとの違いもお伝えします。

あやめの花の概要

Iris Pseudacorus Purple - Free photo on Pixabay (193330)

あやめはアヤメ科アヤメ属の多年草です。アヤメ属には150以上の種類があって、似ている花も多いので自信を持って「この花はあやめです」と言える人は少ないのではないでしょうか?

日本には元々7種類のアヤメ属の花が自生していたようですが、中国やヨーロッパなどからもアヤメ属の花がたくさん入ってきたので、それぞれの花をきちんと見分けるのは至難の技です。

また、あやめの和名は『文目』・『綾目』と書きますが、『菖蒲』と書いて『あやめ』とも読み、ショウブ(菖蒲)という名前の別の植物もあることから更に混乱してしまいます。ここではなるべくわかりやすく、『あやめ』について説明していきたいと思います。

あやめの特徴

Iris Pseudacorus Purple - Free photo on Pixabay (193439)

『あやめ』という花がカキツバタやショウブなど、他の花と混同されてしまうのにはいろんな理由がありますが、ひとつはアヤメ属の花を総称して『あやめ』と呼ぶことも多いからで、それは決して間違いではありません。

現在、限定的に『あやめ』と言われる花は、草地などの乾いた場所に生え、高さは30~60cm程度で、花びら(花弁)の付け根に黄色と紫の網目状の模様があるものを指します。同じアヤメ属のカキツバタやハナショウブのように湿地に生えることはほとんどありません。

細い葉と茎ががまっすぐに伸び、この葉がきれいに並んでいる様子から『文目』(文目は『すじ』や『模様』のこと)や、花びらの網目模様から『綾目』などの漢字が当てられたと言われています。

Irises Kosaćce Garden - Free photo on Pixabay (193989)

更にあやめの花の見分けをややこしくする原因のひとつとして、1700年頃まではショウブ科(古くはサトイモ科と言われていた)の菖蒲(ショウブ)を『あやめ』と呼び、現在のあやめは『はなあやめ』と呼ばれていたことです。

菖蒲(ショウブ)の葉とあやめの葉は似ていますが、菖蒲(ショウブ)の花は地味で目立ちません。ですが『ハナショウブ』というアヤメ科の花があやめに似ているため、『あやめ』『ショウブ』『ハナショウブ』は混同されてきました。

『菖蒲』と書いて『アヤメ』とも『ショウブ』と読むため、昔から混同されてきたようですが、植物は似ているものもたくさんあるので、間違えてしまってもしかたがないですね。

あやめが見頃の季節

Iris Flower Purple - Free photo on Pixabay (193987)

あやめは北海道から九州までの広い範囲で、4月下旬から5月中旬に紫色か白色の花を咲かせますが、あやめ色とも言われるように、あやめといえばきれいな青みがかった紫色をイメージする人が多いでしょう。

似た花が咲くカキツバタは5月中旬から下旬に、ハナショウブは6月頃に開花します。花が咲く時期は微妙に違いますが、場所やその年の天候にもよるので同時期に咲いていることもあります。

春から夏にかけてはあやめのほかにもたくさんの花が見頃を迎えます。花の名前や種類に詳しくなると、この季節のお出かけがますます楽しくなるかもしれませんね。

あやめの花言葉

Iris Pseudacorus Purple - Free photo on Pixabay (193328)

花言葉とは、花の特徴などに基づいてそれぞれの花に意味を持たせた言葉です。古くから花には数々の言い伝えがあり、ギリシャ神話の中にも花にまつわる物語がたくさん登場します。

またキリスト教において、花が宗教的なシンボルとして使われることも加わって、それらを短い言葉で表す花言葉は次第に世界中に広まりました。

日本では、主に西洋を起源とするものを核として様々な花言葉がつけられました。
あやめに与えられた花言葉にはどんな意味があるのでしょう?

希望

Rainbow Weather Nature - Free photo on Pixabay (194461)

アヤメ属の花は英語圏では『Iris(アイリス)』と呼ばれます。『Iris(アイリス)』の語源となったギリシャ語の『Iris(イリス)』は虹を表します。

「希望(hope)」という花言葉は西洋でつけられたもので、この「虹」のイメージから「希望」という花言葉が生まれたようです。

あやめのまっすぐに伸びる姿や、枯れた山地でも力強く自生するところなども、「希望」という言葉のイメージにぴったりです。これから新しいことを始める人へ、花言葉の由来と共に贈ると、きっと喜ばれることでしょう。

良い便り

Pen Handwriting Writing - Free photo on Pixabay (195682)

この花言葉はあるギリシャ神話がもとになっているようです。アイリスの語源、虹を表すイリスは、元々はギリシャ神話の女神の名前で、女神イリスは神々の大切な意思を地上の人間に伝える使者の役を果たしていました。

そのことから「良い便り」「メッセージ」といった花言葉になりました。神様からの言葉は地上の人々にとってとてもありがたいもので、それを伝える女神イリスも大切な存在だったのでしょう。

遠く離れていてなかなか会えない大切な人へ、心を込めた手紙と一緒に渡してみていかがでしょうか?

情熱

Iris Flower Lily - Free photo on Pixabay (194743)

アヤメ属の一種、ヨーロッパ原産の『ジャーマンアイリス』には「情熱」という花言葉があります。日本古来のあやめに比べ、園芸用に品種改良をされてきたジャーマンアイリスは色も多彩で、レインボーフラワーとも呼ばれます。

大人っぽい色合いが多く、きらびやかなジャーマンアイリスには「情熱」という花言葉がよく似合います。
また花持ちも良く、いろんな色の花が咲くので花束にするとかなりゴージャスになります。

恋人へのプレゼントに真っ赤な薔薇も素敵ですが、花言葉をのせてアイリスの花々を渡してみるのはいかがですか?

あやめの花言葉の由来

Iris Iridaceae Purple Spring - Free photo on Pixabay (194740)

そもそも、なぜ西洋ではあやめ属を“アイリス”と呼ぶようになったのでしょうか?それはあるギリシャ神話がもとになっていますので、その神話を少しお話したいと思います。

はるか昔、全知全能の神ゼウスとその妻のヘラに仕えていた、イリスという神様がおりました。イリスは大変忠実で美しく、気難しいヘラもイリスのことは大変気に入っていて、イリスもまたヘラを心から敬服していました。

しかしある日、浮気者のゼウスは妻がいるにもかかわらず、イリスに恋をしてしまいました。ゼウスの求愛を断ることも、かといって妻ヘラを裏切ることもできない真面目なイリスは、困り果てヘラに「どこか遠くに連れていってほしい」と頼みました。


Sculpture Statue Art - Free photo on Pixabay (194888)

イリスの話を聞いたヘラは、御神酒で彼女を清め、虹色に輝くネックレスを彼女に授けました。するとイリスは虹の神となり、行きたい場所に現れ、そしてすぐに消えることができるようになりました。

この時ヘラがイリスにかけた御神酒がこぼれた場所から、あやめの花が咲いたとされています。『Iris(イリス)』がギリシャ語で『虹』を意味し『アイリス』の語源にもなったのはこのギリシャ神話がもとになっているのです。

この話が「希望」「良い便り」など、いろいろな花言葉につながっていったのですね。


あやめの花言葉とマンガ「スパイラル」

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