2019年7月13日 更新

平安時代の美人の条件とは?現代の平安美人や再現する方法も

おしろいを塗った真っ白な顔に長い黒髪、十二単…もしも平安美人が再現できたら、どのように見えるでしょうか。美の基準は国や時代で大きく違いますが、平安美人の条件やその理由の中には現代にも通じる美の姿があります。永久不変の美の本質を、平安美人に教えてもらいましょう。

現代でも色白で肌がキレイなのは美人の条件の一つですが、平安時代とは違い、色白に加えてナチュラルメイクの健康的な美しさが求められます。不自然なまでに白過ぎるファンデーションを塗りたくると白浮きし、首の色との違いも強調されお面をつけたような不気味な見た目になってしまいます。

自然な白さを出すためには、まず化粧下地やコンシーラーで肌の色を整えた上に、フェイスパウダーでツヤと軽やかさを出します。その上から肌色に合ったファンデーションを乗せ、ふんわりとチークを入れると透明感のある色白美人ができあがります。

また、メイクだけではなく地肌を白く美しくすることも大切です。日焼け対策をしっかりすると共に、睡眠を充分にとり、ビタミンCやEが含まれた食べ物を食べるなど食事にも気を配って、平安美人も羨むクリアな白い肌を手に入れましょう。

赤い口紅を塗る

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平安美人の口はおちょぼ口が鉄則です。これをメイクで表現するには、濃い赤の口紅を使います。濃い色の口紅は唇を縮め、小さく見せます。ただ、濃いだけの口紅だと口だけが目立ったり、重たく見えたりしてしまいます。濃くても透明感のある口紅だと、軽やかな雰囲気を出すことができます。

唇が大きいのがコンプレックスで小さく見せたい場合は、コンシーラーやファンデーションで唇の色みをぼかした上から、リップライナーで本当のリップラインより小さめに輪郭を描き、外側から内側に向かって濃くなるようグラデーションをつけて口紅を塗るとおちょぼ口に見えます。

今はぽってり厚いセクシーな唇が流行っていますが、だからこそおちょぼ口は逆に新鮮に感じられるかもしれません。流行に乗るだけではなく、口紅の色や塗り方など、自分の魅力を活かせるよう色々工夫してみましょう。

チークは薄く

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平安時代、女性たちは白粉の上に頬紅を差していました。これは紅花から作られた紅と白粉を混ぜて薄桃色にして使っていたそうです。ベースメイクに色を足してベースの色に馴染みやすいポイントメイクを作っていたということで、なかなか合理的です。

また、口紅も紅を水で溶いたものを使っていましたから、現代でもメイクの鉄則と言われている「口紅とチークの色を合わせる」ことを、当時の女性たちもしていたということになります。
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平安美人に倣うなら、肌色に合わせたチークをごく薄く入れると良いでしょう。イエローベースの肌ならコーラルやオレンジ、ブルーベースの肌ならピンクやローズがお勧めです。口紅も同系色にすると統一感が出ます。

間違っても頬も唇も真っ赤なおかめ顔にしてはいけません。あくまでほんのりと「匂う」ような色遣いをするよう心がけましょう。

目をアイラインでキリっと見せる

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平安美人らしい切れ長の涼やかな目を作るなら、アイラインの引き方にちょっとしたテクニックが必要です。ブラックのペンシルアイライナーを使い、まずは目頭から黒目の始まり部分までラインを引きます。そして黒目の上はラインを引かず、黒目の終わり部分から目尻までラインを描き、目尻から5ミリほど長くラインを伸ばします。

黒目の上に線を引かないことで横の長さが強調され、「まなじり」が長い引目の美女の出来上がりです。また、アイシャドウも目尻から目の中央に向かってなじませ、次に目頭から中央に向かってなじませます。
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目尻と目頭が濃く、中央が薄くなりグラデーションがつくことで、目尻と目頭が強調され目が長く見えます。下まぶたの目尻にもアイシャドウを乗せ、ハイライトを目頭から目の中央に入れることで、より切れ長感を演出できます。

逆に黒目の部分を太く、目の端は薄くなるようアイラインを引くと縦の方向に目が強調され、今はやりのデカ目になります。アイシャドウも黒目の上が一番濃くなるように濃淡をつけるとOKです。ちょっとした工夫で目の表情は変わります。服装や気分に合わせて変えてみるのも楽しいでしょう。

ストレートパーマをあてる

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黒くまっすぐな美しい髪は、平安美人の命です。髪は染めず、癖毛の場合はストレートパーマをあてます。トリートメントでつやを出すとよりGoodです。

平安美人たちは鬢(顔の横側の髪)をそいで整えていました。現代に取り入れるなら、顔の横にレイヤーを入れてみましょう。黒髪ロングの重たさが和らげられ、小顔効果もあります。

それにしても、ストレートパーマやヘアアイロン、トリートメント、現代は便利なものがいっぱいです。平安美人たちが知ったら、歯がみして羨ましがることでしょう。

額や眉の周りの産毛を整える

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先ほどご紹介したとおり、平安時代では額の美しさが大切にされていました。適度な広さがあることはもちろん、生え際が美しく上品であることも重要ポイントです。

これを現在に取り入れるなら、前髪を上げるかセンターで分けて額を出し、生え際や眉の周りの産毛をきれいに剃って整えると良いでしょう。自分で剃ると肌を痛めそうで心配なら、プロに剃ってもらいましょう。顔のトーンが明るくなり、色白に見えるという嬉しい効果もあります。

前髪を上げた時に生え際に見えるぽやぽやした産毛も可愛らしいですが、すっきり整えた形のいい額にはすがすがしい気品が感じられます。平安美人を目指すなら、このような細かい所にも気を配りましょう。

平安美人と言われていた平安時代の美女

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小野小町、紫式部、清少納言…平安朝の華やかな時代を生きた女性たち。残念ながら彼女たちの正確な肖像画は残されていません。当時は肖像画は死者を対象に描くものでした。絵に描くとそれに魂が宿ってしまうため、不吉であるとされていたのです。

しかし、彼女たちは男性にも負けない深い知識と教養を持ち、その知性は内側から光り輝くような魅力となって、その顔すら美しく見せていたに違いありません。1000年の時を超えて私たちにもその存在を知られている平安美人たちについて詳しくご紹介しましょう。

小野小町

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小野小町は平安時代の女流歌人として、また絶世の美女としても名高く、世界三代美女に数えられています。しかし残念ながら、どのような容貌をしていたのかは分かっていません。

肖像画は残っていますが、これは後世に想像で描かれたもので、本当の小野小町の顔ではありません。しかし、実在していたことは確かで、紀貫之は「衣を通して輝くような美しさ」と称えています。

若い頃は宮廷の歌会で華やかに過ごしていた小野小町ですが、晩年は一人寂しく洛北の市原野で過ごしました。
「花のいろは 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」
彼女の最も代表作とも言えるこの歌は、輝くほど美しかったからこその光を失うことの哀しさが感じられます。

紫式部

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紫式部は平安時代中期、中流貴族の藤原為時の娘として生まれたと言われています。夫・藤原宣孝を短い結婚生活の後に亡くし、一条天皇の中宮である彰子のもとへ宮仕えし、彼女のために書いたと言われているのが源氏物語です。

華やかな貴族の生活とそこで繰り広げられる複雑な人間ドラマ「源氏物語」を女性ならではの優美な筆致で書ききった才能あふれる女性ですが、実は美しさの点ではさほど恵まれていなかったのではないかという説もあります。
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