2019年7月13日 更新

平安時代の美人の条件とは?現代の平安美人や再現する方法も

おしろいを塗った真っ白な顔に長い黒髪、十二単…もしも平安美人が再現できたら、どのように見えるでしょうか。美の基準は国や時代で大きく違いますが、平安美人の条件やその理由の中には現代にも通じる美の姿があります。永久不変の美の本質を、平安美人に教えてもらいましょう。

源氏物語に登場する女性「空蝉」は、その容貌を「目がいくらか腫れている感じがして、鼻なども際立って美しい所がなく年寄りじみて、つややかな箇所も見えない」 と描かれており、そのリアルな描写から空蝉は紫式部本人がモデルなのではと考えられています。

真偽のほどは定かではありませんが、紫式部は顔の美醜に関わらず、あれだけの物語を書ける才女として男性のみならず女性からも賛美の目を向けられていたことでしょう。

清少納言

 (457654)

その紫式部のライバルとして名高いのが清少納言です。清少納言は四季折々の風物や人の感性を鋭い観察眼でとらえ、随筆「枕草子」をしたためました。

清少納言は2度の結婚を経て、一条天皇の中宮である定子に仕えました。定子の元で宮廷生活を過ごした時代を描いたのが「枕草子」です。
 (457650)

清少納言も美しかったかどうかは記録に残っていません。ただ、「枕草子」を読み解くと、清少納言はどうも癖毛で自分の髪に自信がなく、かもじ(ウィッグ)をつけていたようです。真っ直ぐな黒髪は平安美人の第一条件ですから、清少納言が絶世の美女とは言えません。

しかし、男性に口説かれている描写が枕草子で見られたり、誘われてやんわり断る歌が残っていたりすることから、決して目も当てられないような不美人ではなかったようです。

「枕草子」は、美しさだけではなく醜いもの、うるさいもの、腹立たしいものにまで鋭い観察眼を向け、生き生きと描いています。清少納言はその筆致と同じく、型にはまらない溌溂とした美しさを持っていたのではないでしょうか。

現代の平安美人を紹介!

 (457747)

色白黒髪、おしとやかな性格の内に秘めた知性と情熱…令和に突入した現代にも、そんな平安美人たちはひっそりと息づいています。映画やドラマで大活躍の平安美人たちをご紹介しましょう。

多部未華子

 (465623)

多部未華子は東京都出身の女優です。NHK連続テレビ小説「つばさ」、ドラマ「デカワンコ」、「ドS刑事」、「ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語〜」など、様々なドラマで主役を演じ、2019年7月にはドラマ「これは経費で落ちません!」に主演が予定されています。人気、実力ともに申し分なく、「多部未華子が出るドラマにハズレはない」と言われています。

柔らかな印象を受ける卵型の顔に広めの額、決して派手ではないけれどこぢんまりとまとまっていて清潔感がある目鼻立ちはやや古風な印象を受けます。

また、女優業の傍ら大学進学を自ら決め、心理学を学ぶ努力家でもあります。見た目の柔らかさや可愛らしさの中に、教養と芯の強さを隠し持ったその姿は、平安美人を彷彿とさせます。

蒼井優

 (465627)

蒼井優は福岡出身の女優・モデルです。映画やドラマに数多く出演し、2006年度には映画「フラガール」などに出演し、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞をはじめ多くの映画賞を授賞、さらに2017年には映画「彼女がその名を知らない鳥たち」でヒロイン・北原十和子を演じ、日本アカデミー賞やキネマ旬報ベスト・テンなど主演女優賞を多くの主演女優賞を獲得しました。

舞台女優としての評価も高く、2018年には紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞最優秀女優賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞しています。

色白の肌に広い額、ちょっと野暮ったくも見える太く丸い眉、小さめの瞳で、平安顔と言われています。また、映画のトークイベントで自分の顔を「ほどほど」と評価したり、役作りのために過酷な減量をしたことを「減量すると熱演とか言われがちなんですけど、役者なら当たり前にみんながやること」と謙遜するなど、平安美人にふさわしい奥ゆかしさを持ち合わせています。

吉高由里子

 (468426)

吉高由里子は東京都出身の女優です。映画「蛇にピアス」でヒロイン・ルイ役を演じ、日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞新人賞などを受賞、一気に有名女優となりました。

「美丘-君がいた日々-」や「横道世之介」でヒロイン役を演じ、「花子とアン」でNHK連続テレビ小説の主役を果たすなど、ブレイク後も着々と人気と実力を積み重ねています。
 (471316)

やはり平安美人にふさわしい色白で広い額が特徴的で、ちょっと舌足らずの特徴的な話し方と愛らしい笑顔が可愛く見えたと思ったら、次の瞬間にはそれが凛とした大人の女性の迫力に変わる…という不思議な魅力を持っています。

また、恋多き女優としても有名で、様々な男性と噂になっています。それもまた複数の男性に想われ誘われている平安美人のよう。愛らしくもセクシーにも変わるその自然で不思議な雰囲気に、皆夢中になってしまうのかもしれません。

平安時代では不美人でも現代の外国なら美人かも

 (457618)

美しさの定義というのは不変のものではなく、時代や文化によって大きく変わります。もしも平安時代の絶世の美女が現代に来たら、小柄でややぽっちゃり、不自然なまでに白く塗りたくった顔、地味目な目鼻立ちで、人目を引くような美人とは思われないでしょう。

それと同じように、現代の日本ではぱっとしない…と悩んでいる方も、時代や国が違えば輝くような美しさで憧れの的となる可能性もあります。国や文化によってどれだけ美的感覚が違うのかを検証した2つの実験をご紹介しましょう。

一人のモデルの体型をその国の美に合うように編集した実験

 (457608)

イギリスのネット医療サービス「Superdrug Online Doctor」は国ごとに美的感覚はどう違うのかを調べるため、次のような調査をおこないました。一人の女性モデルの写真を18か国に送り、「彼女をフォトショップで加工し、あなたの国の国民にとってより魅力的になるようにしてください」と依頼したのです。女性モデルは茶色の髪に健康的な肌、ややぽっちゃりした体形で、白い下着を身につけていました。

各国から返ってきた写真は、本当に同じ女性なのだろうかと驚くくらい違っていました。イタリアや中国では、あのたくましい肢体だったモデルが、病的にも見えるほどにすっかりやせ細った写真となって返ってきました。
 (472442)

エジプトに行った写真は色黒になり、ウエストは細くなったものの、太ももは元の状態に近いパンパンに張った状態で返ってきました。スペインやコロンビア、ルーマニアでは少し細くなり、髪や肌の色も変わったものの、元とほぼ同じ姿でした。

同社は集まった写真をもとに、各国の写真から女性のBMIを割り出しました。その結果、最も痩せている中国やイタリアのBMIは17~18で、拒食症レベルの細さでした。最も肥っているスペインのBMIは25.5で、WHO(世界保健機構)の基準でも「過体重」と判断されるレベルです。
 (472446)

このように、理想的な体型は国によって違います。日本は実験対象に選ばれていませんが、日本人女性が理想とするBMIは20前後というデータもあり、18か国の中ではウクライナが最も近いようです。

実際、細過ぎないスリムさで魅力的に見えますが、18か国中中国、イタリアに次いで第3位の細さであることから、日本は世界的に見ると「痩せ願望」が強い国だと解釈できます。

5 / 6

関連する記事 こんな記事も人気です♪