2019年5月25日 更新

水戸事件の詳細と加害者赤須正夫のその後!真相と聖者の行進との関係

水戸事件は、助成金着服事件の捜査過程で明るみになった、知的障碍者への虐待が問題になった事件です。その事件をモデルとしたドラマ「聖者の行進」が放送されたことでも話題になりました。水戸事件の詳細とその後について紹介していきたいと思います。

目次

裁判の判決は懲役3年執行猶予4年

Hammer Money Euro - Free photo on Pixabay (308415)

被害者が望んでいたことは、従業員を人間扱いをせずに、毎日毎日暴行を行い、散々嘘をついてきた赤須正夫本人が服役することでした。メディアもその点に注目して、赤須正夫の人間性とともに警察・検察の差別的捜査や行政の不作為を報道していました。
日常的な暴行や女性従業員への強姦などについての訴えを、赤須正夫は全面的に否定し続け、裁判の判決は「懲役3年、執行猶予4年」というもので、これは、世間の注目の高さや同様の事件と比べても、あまりにも軽い判決でした。

水戸事件の戦いを支える会の人々が裁判中の様子と詳細を記録したものの中には、「食事を与えていない・食事を抜いたなどの行為があったか」という質問をされても、平然と「ありません」ときっぱり答えていたことが記されています。水戸事件の裁判や判決を通して、赤須正夫が反省することは一切なかったと言われても仕方がありません。

執行猶予がついた理由は障碍者雇用をしたため

Desperate Sad Depressed - Free photo on Pixabay (308429)

裏では暴力・強姦など卑劣な行為をしていたにも関わらず、長年に渡り障害者支援を積極的に取り組んでいたという理由から、執行猶予付きの判決が下されました。

卑劣な行為をしていたのも関わらず、障害者支援をしていたと言えるのでしょうか。健常者、しかも地元の名士の言葉が重く、障碍者の言葉が軽く流され信憑性がないと切り捨てていることがわかる結果となっています。

女性従業員による民事裁判が行われる

Hand Woman Female - Free photo on Pixabay (308431)

裁判で性的虐待が罪に問われなかったことで、その後、1992~1996年にかけて知的障碍者の女性従業員3名を虐待していたとして女性従業員たちは民事で裁判を起こしました。当時のTVでは、性的虐待を受けた女性被害者が出演し、その事実を証言することもありました。

赤須正夫は、常習的に性的暴行を行っていたこと・他の従業員や友人までもが加害者となっていたことなど、その実態は卑劣なものでした。

被害者3名に1500万円の賠償金の支払いを命じられた

Dollar Currency Money - Free photo on Pixabay (308432)

この裁判は、原告側の訴えを認め、民事勝訴となります。2004年3月31日に、被害者一人当たり500万円、計500万円の賠償金の支払いを命じました。赤須正夫は、容疑を全面的に否認・控訴しましたが、棄却されています。裁判中、原告側の供述を裏付けるものは無いとしていましたが、裁判所はその反論も却下し原告の内容を認めた形となりました。

判決では、赤須正夫による被害者3名に対する性的暴行などの一連の虐待について「原告らの供述は直接的に裏付ける証拠はない」としながらも、「中心的な部分においての供述は終始一貫している」として、虐待の事実そのものを認めています。また従業員に安全な労働環境を整える義務があるとした上で、暴行を受けた従業員の精神的苦痛を賠償する責任があるとしたのです。さらには、知的障碍者の原告が赤須正夫の会社以外に雇用先を見つけるのは困難だとして「自己の優位的立場を利用する形で不法行為を行った」と指摘しました。
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これにより、1996年の提訴から8年にも及んだ闘いで勝利を勝ち取りました。しかし、民事裁判では勝訴したとはいえ赤須正夫は未だに被害者に対しての謝罪はしていません。原告の一人は、「裁判には勝ったけれども、赤須に謝ってもらっていない。ちゃんと謝って欲しい」と語っています。

水戸事件は赤須正夫以外にも逮捕者が出た

Handcuffs Law Enforcement Cuffs - Free vector graphic on Pixabay (308438)

この水戸事件では、実刑判決とはならず軽いものであったため、被害者や支援団体などからは呆れと激しい抗議の声が上がりました。この裁判にはあらゆる箇所に赤須紙器や赤須正夫を擁護するような部分もあり、不信感が大きく残りました。

赤須正夫や、弁護をした元参議院の種田誠に対して、すぐさま謝罪を要求しましたが当然ながら謝罪はありません。活動を続けてきた支援団体は悔しい思いから、怒りとともに激しい抗議行動へと発展していくのです。

判決に納得できない被害者家族や支援者が器物損壊で現行犯逮捕

Protest Action Group Of - Free photo on Pixabay (308441)

判決に納得が出来ない被害者家族や支援者は、赤須正夫が乗っている車のフロントガラスを破損させるあんど、激しく怒りを爆発させました。そのため、支援者は器物損壊罪で現行犯逮捕されます。

支援者の一人は、器物損壊と暴行の容疑で1年4カ月・執行猶予3年の判決が下されました。

支援者女性が暴行容疑で逮捕

Protest Demonstration Communism - Free vector graphic on Pixabay (308465)

被害者の支援団体の人たちは、裁判所から出てきた赤須正夫と弁護士の種田誠のネクタイを掴んだため、代表を務める女性支援者が、暴行容疑にて後日逮捕されました。女性支援者は、釈放請求が却下され2年間の拘留ののち、1年4カ月の実刑判決が下されました。

支援団体の事務局長が監禁容疑で逮捕

Riot Violence Anarchy - Free vector graphic on Pixabay (308467)

判決結果に納得がいかず、激しい怒りを見せる被害者やその家族・支援団体は、さっさと足早に裁判所から去ろうとした赤須正夫の乗る車を囲み、1時間半に渡り遮ったそうです。そのことで支援者や支援団体の事務局長などが、監禁罪で逮捕される事態になりました。

監禁容疑で逮捕・起訴され、1年4カ月の実刑判決が下されました。

赤須正夫より重い刑を処された

Prison Slammer Caught - Free image on Pixabay (308473)

現行犯逮捕であった支援者への判決は、1人が執行猶予付きではあったものの、2人には実刑判決が下され、2003年に1年4カ月から1年8カ月の懲役が確定しました。これは、卑劣な行為をしてきた赤須正夫よりも、厳しく重い判決です。

抗議するために暴力・監禁・器物損壊などをしていいわけではありません。しかし、知的障碍者という被害者に対して卑劣な行為を繰り返していた赤須正夫よりも、重い判決になる明確な理由があるのでしょうか。支援運動潰しの「不当逮捕・不当判決」といった声が関係者からも挙がっています。

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