2019年5月17日 更新

東大ポポロ事件の詳細と判決!大学の自治の重要性と類似した事件も

みなさんは、東大ポポロ事件という事件をご存知でしょうか?こちらの記事は、東大ポポロ事件について詳しく知りたい方に向けて、わかりやすく解説していく内容になっております。興味のある方は是非ご覧になってみてはいかがでしょうか。

東大ポポロ事件の概要

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東大ポポロ事件とは、東京大学の本郷キャンパス法文経25番教室にて松川事件をテーマとした演劇の上演をしていたところ、秘密裏に調査していた私服警察官の身柄を拘束し、警察手帳の呈示を求めた際に暴行を加えた事件とされています。

警察側の張り込みや尾行、盗聴といった調査活動が原因で、学生側が学問の自由や自治の侵害を正当性として反抗したという内容になります。大学の自治についての最高裁判例にまで及んだ非常に難しい問題とされています。

東大ポポロ事件の「ポポロ劇団」について

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ポポロ劇団とは、演劇を主体として活動していた東京大学の公認学生団体です。今回の事件の発端は、演劇のテーマが松川事件という政治的社会的な内容を含むものであったことです。このテーマから警察は危険性を察知して調査に乗り出してしまったのでしょう。

演劇といっても当時の事件の再現を目的としているので、内容が不適切なものであれば止める必要が出てきます。同時に多くの人に訴えかける行為とも受け取れますから、その内容が民衆に余計な感情を湧き起らせるものであれば、何らかの団体による反対運動に発展することも可能性として十分にあります。

東大ポポロ事件のポイント

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こちらの項目は東大ポポロ事件の発端となるポイントはどこにあるのか?といったような補足的な内容になります。主に大学側の管理、対策不足といった自治の怠りを指摘するものや、警察の権力が余計な火種となっていることなどを掲載しております。

事件とは些細なことが原因で起こります。しかし、それに気付くにはあまりにも情報が不明瞭で不足しています。当事者たちは、情報が不足しているのでその温床を正確に捉える事が出来ないと言えます。それでは、事件のポイントを押さえていきましょう。

大学の自治

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東大ポポロ事件は、大学側の自治がしっかりしていなかったことにも原因があると言えます。警察の介入があるかどうかといった上層部の理解ある人間の見張りや、学生団体が要求する内容をちゃんと理解して許可を出したかといったように、管理が行き届いていない可能性があるということです。

もちろん警察側も、混乱や誤解をまねくような不法な侵入から、大学の自治を侵害した事実があるので落ち度は十分にあります。このように事が勝手に進みはじめてしまうと、止める手段が難しくなっていきます。事件を未然に防ぐには、しっかりとした管理体制を敷くことが必要であることが言えます。

学問の自由

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学問の自由とは、研究や講義など学ぶことにおいて、外部からの介入や干渉を受けない自由があるといったことを指します。この思想が強いことから学生は、警察の独善的な捜査に対して過剰に反応してしまい、暴行に走ってしまったというのも話のひとつとしてあがります。

誰しも、自分が純粋に実行しようとしている物事に対して、いけない事だ!と疑いかけるような行動をされたら気を害します。しかし、自由という言葉を履き違えた学問の追求は、歯止めがきかなくなるという危険性をはらむので、行き過ぎないように注意する必要があるとも言えます。

松川事件

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松川事件とは、1949年に福島県の東北本線で起きた列車妨害事件のことを指します。集団的な組織により線路のレールを外すなどの妨害工作で脱線事故を誘発した事故になります。容疑者は逮捕されたが真犯人の特定がならず、全員無罪といった未解決の事件と言われています。

被害者は乗務員3名が死亡し、被告人は20人と大規模な犯行事件となっています。裁判は、一審では20人全員が有罪判決を言い渡され、二審では17人が有罪(3人が無罪)、とここから被告人たちの無罪が明らかになり始め、最高裁は二審の判決を破棄し差し戻しました。

差し戻し審では全員が無罪判決となり、死刑判決から5回の裁判を経て全員無罪が確定しました。捜査機関である検察側が証拠を隠していたことが大きな要因で無罪が確立されましたが、警察などが裏で協力していたという事実から謀略と捉える人が多いとされ疑問を多く残した事件のひとつと言われています。

私服警官

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私服警官は、一見しただけでは一般人と見分けがつかず、本当に警察なのか?といった疑問や、余計な異常性を喚起し逆に混乱を招くといったように、非常に紛らわしい存在と言えます。このことからポポロ劇団の学生の人たちは、必要以上に警戒の体制を強めていた可能性が高いと言えます。

東大ポポロ事件では、私服警官3名を拘束し警察手帳を取り上げた際に暴行を加えると言うものでした。これにはどんな調査をしていたかの確認といった意思が受け取れますが、暴行については認められる行為ではありません。警察側も記録の内容などが不適切なものであれば、告発されてもやむを得ないと言えます。

警察の権力

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人間は自分を肯定する生き物ですから、間違いを起こしたときに自分を守ろうとします。それが警察だとしても人間であることには変わらないので、自分の間違いを権力でねじ伏せるといった行為に及ぶこともあるでしょう。

これは突発的な人間性から発生するものなので対処しようがありません。東大ポポロ事件では、張り込みや尾行、盗聴なども行われていたため、警察の権力を遺憾なく振るっていたと言ってもいいでしょう。

正義のために振りかざすのではなく相手のことを考えた上で力を行使することが大事だと言えます。学生が捜査にあたる警官を知り尽くすことも不可能に近いので実質なるべくしてなったという事件と言えます。

東大ポポロ事件の判決

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こちらでは裁判の判決を段階を追って記載しております。一審(東京地方裁判所)を始め、二審(東京高等裁判所)、それに対しての上告(三審)、最高裁判所は一審および原審を破棄し差戻し、差し戻し審(東京地方裁判所)といった流れになっております。

最終的な判決は差戻しからの第一審で有罪判決となっており、懲役6ヶ月と4ヵ月、執行猶予2年が言い渡されました。上告からの展開は納得のいかない部分も多く、最高裁判例としてもあまり評価の高くない判例とされています。それでは、裁判の判決の流れを詳しく見ていきましょう。

1審目

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